毎週の注目重賞をテーマに競馬ラボ研究員がデータを精査。競馬ビギナーにも分かりやすく レースのポイントを教えます!あなたが選ぶ本命馬はこのデータをかいくぐれるか?
【セントライト記念】好相性のレースから穴馬が浮上!
2017/9/10(日)
日本競馬史上初の3冠馬となったセントライトの功績を称えて1947年に創設。1980年に現在の中山芝2200mに定着し、1995年より菊花賞トライアルに指定された。近3年は皐月賞上位馬が勝ち馬に名を連ねているが、上がり馬も度々好走を見せているレースで、菊花賞を目指して熱い戦いが繰り広げられている。時に2ケタ人気の激走もある波乱含みの一戦をデータで紐解きたい。
※2014年は新潟競馬場で施行
中心は前走ダービー組
[前走レース]まず中心に据えたいのは、世代の頂点を決める日本ダービーを戦った馬が秋初戦に定めたパターン。過去10年で6頭が勝ち上がっていて、アベレージも高い。続いて2勝を挙げているのがラジオNIKKEI賞を使ってひと息入れたパターン。そして注目は、夏の新潟の1000万特別である阿賀野川特別と信濃川特別から臨んだ馬。ともに決して頻度は高くないが、前者は連対率が42.9%、後者は2頭が出走してどちらも2着に入っている。
過去10年注目データ
[前走着順]前走から連勝した馬は過去10年で2頭。52頭が連勝に挑んで(2-2-3-45)はやや少ない数字に見える。それでも勝ち馬は8頭が前走4着以内で、残る2頭は前走2ケタ着順からの巻き返しだったが、どちらもダービーに参戦した重賞ウイナー。また前走2ケタ着順から馬券圏内に入った馬は全て重賞2着以上の実績を持っていた。
[枠順]枠番別では7枠が(2-1-5-16)と過去10年は33.3%の高い複勝率が残っている。1枠は勝ち馬こそ出ていないが、2着が3回。5枠の数字がやや低い。
面白いのは過去10年で馬券絡みがない馬番は「18」のみ。18頭立てになったのはわずか3回で、馬番別では満遍なく入着馬が出ている。その中で「2」「14」「15」の複勝率が高い。
[脚質]過去10年、4角先頭でそのまま押し切ったのは12年フェノーメノと15年のキタサンブラック。ともにクラシックで上位に入った実績を持っていた。基本的には前めに付けて渋太く流れ込むのが好走パターン。直線一気はほとんど決まらない。
人気薄の激走に要注意!
1番人気は(4-1-1-4)とマズマズの信頼度を誇っているが、2~3番人気は2番人気が2着3回、3番人気が同2回と勝ち切れていない。穴党注目は6番人気以下の馬で、過去10年で3勝。3着は5頭いて、うち3頭が2ケタ人気。取り上げるポイントが難しいのだが、14年3着のタガノグランパ、07年3着のスクリーンヒーローは重賞実績を持っていて、残る馬はブライアンズタイム、ステイゴールドといった長距離実績のある種牡馬を父に持っていた。
人気順別成績 | ||||
人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1番人気 | 4-1-1-4 | 40.0% | 50.0% | 60.0% |
2番人気 | 1-3-1-5 | 10.0% | 40.0% | 50.0% |
3番人気 | 1-2-1-6 | 10.0% | 30.0% | 40.0% |
4番人気 | 1-1-1-7 | 10.0% | 20.0% | 30.0% |
5番人気 | 0-1-1-8 | 0.0% | 10.0% | 20.0% |
6~9番人気 | 3-1-2-34 | 7.5% | 10.0% | 15.0% |
10番人気~ | 0-1-3-70 | 0.0% | 1.4% | 5.4% |
地元の関東勢が優勢!
菊花賞本番が京都で行われることもあり、関西の有力馬の多くは神戸新聞杯を選択。関東馬が過去10年で9勝を挙げている。ちなみに関西馬唯一の勝利は今をときめくキタサンブラック。中心は地元の関東馬を選んだ方がいいかもしれない。
ジョッキーの方も美浦所属が優勢。複勝率は互角だが、勝率、連対率は美浦所属ジョッキーの方が大きく上回っている。
[乗り替わり]ジョッキーの乗り替わりは歓迎とはいえず、過去10年で3勝。アベレージで見ると前走と同じコンビの方が勝率、連対率、複勝率いずれも大きく上回っている。
[当該コースの騎手成績]2012年以降に行われた中山芝2200mで最も多く勝っているのは田辺騎手の8勝。勝ち星は1つ少ないが、北村宏騎手は7勝、2着が13回あって連対率が40.8%、複勝率は51.0%のハイアベレージを誇る。戸崎、蛯名騎手も7勝を挙げている。
関西では福永騎手が8回の騎乗で4勝。武豊騎手が4戦と少ないが1勝、2着2回、唯一の圏外が4着と好成績を残している。
[馬体重]タフなコースで行われることもあってか、過去10年の勝ち馬のうち6頭が500キロ以上の大型馬。ただし、2~3着となると数が少なくなり、460~498キロの馬が多くを占める。大型馬には一目置く必要はあるが、過度に気にしなくてもいいだろう。
[種牡馬]過去10年でステイゴールド産駒が3勝。3着も1度あり、出走頭数が8頭と決して多くない中で抜群の適性を示している。昨年はディープインパクト産駒がワン・ツー・スリーを決めたが、出走頭数が多く、人気を裏切るケースもあって、アベレージはひと息。入着馬の種牡馬を見ても、やはりスタミナタイプが多い。