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【中山記念】春を告げる馬はどの馬!?
2018/2/18(日)
1936年に中山芝3200mのハンデキャップ競走として創設。当初は春と秋の年2回施行されていたが、1952年に秋のみとなり、距離は1957年から1800m、施行時期は1972年より現在の時期に移り、負担重量も別定へと変更された。かつては春に中距離のビッグレースがなく、中山巧者、1800mの距離巧者といった個性派が活躍していたレースだったが、現在はドバイ遠征の重要なステップレースに位置づけされ、昨年はヴィブロスがこのレース4着をステップにドバイで大輪を咲かせた。また、昨年からG1となった大阪杯のステップレースとしても重要な意味を持つ伝統の一戦をデータから検証したい。
前走G1組に注目
[前走レース]複勝圏に入った馬のステップは実に18レース。好メンバーが揃うこともある東京前開催の白富士S以外は全て重賞レースで、有馬記念が唯一の2勝。秋の天皇賞からぶっつけの馬が1勝、2着2回。16年にはダービー以来の実戦だったドゥラメンテが1着。ここで年明け初戦を迎える前走G1組のアベレージが高く、その馬の持つ格が重要視される。年明けに使った組では、勝ち馬こそいないものの、京都金杯組が(0.2.1.2)と5頭のうち3頭が馬券に絡み、全馬が人気以上の着順で掲示板に載る活躍を見せている。
過去10年注目データ
[年齢]勝ち馬は4歳から8歳まで幅広く出ているが、4歳と5歳が3勝ずつで若い世代が一歩リード。連対率は5歳馬、複勝率は4歳馬がリードし、2着は6歳馬が5回と最も多い。7~8歳の高齢馬も頑張っていて、7歳馬は5頭、8歳馬も2頭が馬券圏内に絡んでいる。それらの名前を見るとコース巧者、距離巧者で、中山コース、1800mに実績を持つ馬は要注意。
[前走着順]過去10年、前走から連勝を果たした馬は4頭。勝ち馬の7頭が前走で掲示板を確保していた。一方で掲示板を外した馬も3勝、2着は何と7回あり、前走2ケタ着順からの巻き返しも多いのだが、やはり目立つのはコース巧者と距離巧者。前走大敗で人気の盲点となっており、コース実績、距離実績は見逃せない。
[枠順]3枠の複勝率42.9%というのは少し目立つ数字だが、ここ3年はいずれも11頭立てで、10~12頭立てとなる年が多く、内枠がやや優勢の数字が出てはいるが、7枠も2勝していて、極端な枠の有利不利は見られない。
馬番別では「3」「4」「9」が2勝。「9」は2着1回、3着も2回ある。馬券絡みがないのは「8」と「12」から「14」の4つだが、「12」は5回、「13」「14」はともに4回とサンプルも少ない。
[脚質]過去10年で4角先頭から押し切った馬はいないものの、2着が3回、3着が1回。2~5番手の好位からレースを進めた馬が7勝と脚質は先行馬有利。フルゲートになる年が少なく、ゆったりとしたペースで流れることが多いため、ある程度前めのポジションに取り付く機動力が求められる。
波乱は少ないレースだが…
過去10年のうち、3番人気以内の馬が9勝。10年は13番人気のトーセンクラウンが勝ち、12番人気のテイエムアンコールが2着に入って大波乱となったが、勝ち馬は人気サイドが多く、15年、16年は3連単でも万馬券とはならなかった。近年はドバイや香港遠征を睨んだ馬が多く出走するが、昨年はそうした実力馬をコース巧者、距離巧者が封じた結果で波乱となった。
人気順別成績 | ||||
人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1番人気 | 3-0-1-6 | 30.0% | 30.0% | 40.0% |
2番人気 | 3-1-2-4 | 30.0% | 40.0% | 60.0% |
3番人気 | 3-1-2-4 | 30.0% | 40.0% | 60.0% |
4番人気 | 0-4-2-4 | 0.0% | 40.0% | 60.0% |
5番人気 | 0-0-1-9 | 0.0% | 0.0% | 10.0% |
6~9番人気 | 0-3-2-35 | 0.0% | 7.5% | 12.5% |
10番人気~ | 1-1-0-36 | 2.6% | 5.3% | 5.3% |
西の勝負気配を察知せよ
勝ち馬は過去10年で6勝と関東馬の方が多いが、2着は関西馬が7回。出走馬は関東馬が75頭に対して関西馬が53頭と少なく、アベレージで見ると勝率はほぼ互角、連対率、複勝率は関西馬が大きく上回る。
ジョッキーも美浦所属が6勝と数では上回るが、騎乗機会が栗東所属のジョッキーの方が圧倒的に少なく、栗東所属の複勝率は44.8%。ここに遠征してくる西のジョッキーはかなり勝負気配が高いといえるだろう。
[キャリア]4歳馬の活躍でキャリア10戦以下のアベレージが高い。これに該当する馬はまずチェックが必要。ただし、高齢馬の活躍も多いレースで、キャリア31戦以上の馬も複勝率は20%を超えている。10戦以下はまずチェックだが、それ以上のキャリアはひとくくりに考えていいかもしれない。
[乗り替わり]過去10年、前走で同じコンビで出走したのが67頭、乗り替わりが61頭。同じコンビが7勝を挙げて、勝率、連対率は大きくリード。複勝率はほぼ互角となる。乗り替わりで勝った3頭のうち2頭が横山典騎手によるもの。松岡騎手も2着、3着がそれぞれ1回ずつある。
[当該コースの騎手成績]2013年以降、中山芝1800mで最も多く勝っているのは戸崎騎手の19勝。2位は15勝の北村宏騎手だが、勝率は戸崎騎手を上回る。以下、蛯名騎手11勝、松岡、M.デムーロ騎手10勝、田辺騎手9勝、石橋脩、柴田善、田中勝、C.ルメール騎手7勝と続く。その中でM.デムーロ騎手は16年ドゥラメンテ、17年ネオリアリズムで中山記念を連覇。勝率41.7%、単勝回収率も173%に達する抜群の好相性を示している。
[馬体重]勝ち馬の最低体重は12年フェデラリストの528キロ、最少体重は15年ヌーヴォレコルトの448キロ。決して出走数が多くない中で460キロを切る軽量馬が結果を残しており、馬格はあまり気にしなくていい。
[種牡馬]過去10年で2勝を挙げている種牡馬はネオユニヴァース、ハーツクライ、ミラクルアドマイヤの3頭で、ネオユニヴァースはのべ5頭が全て掲示板を確保して人気以上の成績を残す好相性。昨年は5年ぶりの産駒出走だったが、ネオリアリズムが勝利を挙げた。複数の馬券絡みはキングカメハメハ、ステイゴールド、オペラハウス、ディープインパクト、ローエングリン、ホワイトマズルと多くいて、ローエングリンはロゴタイプが4年連続出走して3、2、7、3着と3度の馬券絡みを果たしている。
距離、コース巧者の存在も不気味に映るが、ここは勢いある4歳馬ペルシアンナイトを中心に取り上げたい。中山芝1800mの経験こそないが、距離はデビューから2戦連続経験して1、2着。コースも皐月賞2着があってマイナスに作用するものではない。何よりこのレースを目下2連覇しているM.デムーロ騎手が騎乗。脚質も自在性があり、ほとんどの項目が過去の好走馬と合致する。