過去10年攻略データ

1965年に中京競馬場の砂コース(現在のダートとは質が異なる)1800m、別定戦として創設。1970年に芝コースに変更され、負担重量は1966年から1995年までハンデキャップ、1996年に再び別定戦となり、距離も芝2000mに変更された。近年、施行時期が頻繁に変わっていて、5月から12月、昨年からは3月に変わり、昨年は一昨年暮れに勝ったヤマカツエースが3カ月後に連覇を達成するという珍しい記録を作った。サイレンススズカが大差を付けて圧勝したことで知られる中京の名物重賞をデータで紐解いてみる。(施行時期の変更に伴い、前哨戦のローテーション等が現在の時期に合わないものがありますので、ご了承下さい)

地力があれば久々でもOK!

[前走レース]施行時期が変わっているため、過去10年の好走馬のステップレースはまちまち。レースの間隔で見てみると、勝ち馬、2着馬それぞれ8頭が1カ月以上間隔が開いていた馬で、2カ月以上間隔が開いていた馬も4頭いる。11月末に行われた13年は夏の北海道以来だったカレンミロティック、小倉以来だったラブリーデイがワンツーを決めている。
前走が条件クラスで連対を果たした馬が3頭いるが、基本的にはG2に格付けされているレースらしく、前走がG1・G2だった馬が多い。ある程度の格は必要とされる。(表は連対馬を記載)

前走レース別成績
レース名 成績 勝率 連対率 複勝率
天皇賞(秋)1-2-2-87.7%23.1%38.5%
産経大阪杯1-2-0-414.3%42.9%42.9%
AR共和国杯1-0-1-99.1%9.1%18.2%
有馬記念1-0-0-420.0%20.0%20.0%
京都記念1-0-0-233.3%33.3%33.3%
福島記念1-0-0-325.0%25.0%25.0%
京都大賞典1-0-0-150.0%50.0%50.0%
中日新聞杯1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
札幌日経OP1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
ドバイシーマC1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
新潟大賞典0-1-0-90.0%10.0%10.0%
小倉大賞典0-1-0-30.0%25.0%25.0%
小倉記念0-1-0-10.0%50.0%50.0%
八坂S0-1-0-00.0%100.0%100.0%
甲斐路S0-1-0-00.0%100.0%100.0%
アンタレスS0-1-0-00.0%100.0%100.0%

年齢別成績 前走着順別成績
年齢 着別度数 前走着順 着別度数
3歳0-2-0-5前走1着2-1-3-11
4歳4-3-2-17前走2着3-2-0-5
5歳3-1-6-32前走3着0-0-2-8
6歳2-3-3-31前走4着1-2-2-4
7歳1-1-0-19前走5着1-1-0-8
8歳以上0-0-0-14前走6~9着2-4-3-33
前走10着~1-0-1-47

過去10年注目データ

[年齢]4歳馬が4勝しているが、うち3勝は暮れに行われていた時のもので、現在の施行時期に置き換えると、実質最も幅を利かせている世代は5歳馬だろう。ちなみに昨年は勝ったヤマカツエースが5歳、2着のロードヴァンドールが4歳、3着のスズカデヴィアスが6歳だった。7歳以上は大苦戦で、昨年は挑戦した4頭いずれも2ケタ着順だった。

[前走着順]過去10年の勝ち馬のうち、半数の5頭が前走で連対を果たしていた。前走で掲示板を外した馬が巻き返したケースは多くが前走G1で大きな着順となった馬。大舞台を経験してきた馬は注意を払いたい。

[枠順]枠番別では5枠より外が7勝、2着7回と多く好走。一方で3着馬は8頭が4枠より内の馬となっている。1枠は2着が1回あるだけでやや苦戦。
馬番別では「6」「13」が2勝。「5」の3着3回、「4」と「6」の3着2回が目立つ。馬券絡みがないのは「14」「16」「18」だが、「16」は過去10年で5回、「18」は1回と出走サンプルが少ない。

[脚質]2012年にコース改修されて直線が長くなった中京コースだが、後方一気の差しはほとんど決まっておらず、ある程度前のポジションから長くいい脚を使えるタイプが好走している。昨年は逃げたロードヴァンドールが逃げ粘ったが、4角先頭で連対した4頭のうち3頭はコース改修前で、逃げて押し切るのも難しい。

アタマは堅めだが…

過去10年で1番人気は5勝。2~5番人気がそれぞれ1頭ずつでアタマは比較的堅めなのだが、ヒモが荒れている傾向で、2着には6番人気以下の伏兵が7頭飛び込んでいる。13年はのちに大ブレイクするラブリーデイが6番人気2着、1年5カ月ぶりの出走だったダービー、菊花賞2着馬ウインバリアシオンが8番人気で3着に入って波乱となった。

人気順別成績
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1番人気5-1-0-450.0%60.0%60.0%
2番人気1-1-2-610.0%20.0%40.0%
3番人気1-0-1-810.0%10.0%20.0%
4番人気1-1-3-510.0%20.0%50.0%
5番人気1-0-2-710.0%10.0%30.0%
6~9番人気1-6-2-312.5%17.5%22.5%
10番人気~0-1-1-570.0%1.7%3.4%

プラスαデータ

関東人馬の健闘にも注目

出走頭数が圧倒的に関西馬が多く、好走している馬の数も関西馬が多くなっているのだが、アベレージで見ると連対率、複勝率は関東馬も健闘していて、人気を上回っているケースも多い。関東馬の食い込みも警戒しておきたい。
ジョッキーもほぼ同じような傾向で、連対率は互角に近い数字を叩き出している。昨年は馬券絡みは出来なかったが丸山騎手が11番人気4着、柴山騎手が9番人気5着と健闘を見せた。

[キャリア]好走馬のキャリアを見比べると、高齢馬が苦戦していることから31戦を超えると成績は急降下。馬券絡みは2着馬2頭しかいない。ここは1つのポイントとなるが、それ以下のキャリアであれば、あまり気にする必要はなさそうだ。

[乗り替わり]乗り替わりが多いレースで、前走で同じコンビで出走したのが68頭に対して乗り替わりが81頭。乗り替わって勝ったのはわずか2頭しかいない。2~3着も前走と同じコンビが多く、乗り替わりはマイナス。ちなみに池添騎手はこのレース過去10年で8回騎乗して(3.1.1.3)の好相性。今年はヤマカツエースで3連覇を狙う。

[当該コースの騎手成績]2013年以降、中京芝2000mで最も多く勝っているのは川田、福永、M.デムーロ騎手の10勝。続いて9勝が藤岡康、北村友騎手、8勝が松山、浜中騎手、7勝が武豊騎手と続く。関東の騎手では丸山騎手が5勝、勝浦騎手が4勝、田辺騎手が3勝を挙げていて、田辺騎手は17回と少ない騎乗機会で3勝、2着3回の好成績を残している。

[馬体重]勝ち馬の最高体重は10年アーネストリーの532キロ、最少体重は12年オーシャンブルーの426キロ。コース改修後は比較的馬格に恵まれている馬が好走している。昨年は上位3頭がいずれも500キロ以上の大型馬だった。

[種牡馬]過去10年で2勝以上種牡馬は3勝のキングカメハメハと2勝のグラスワンダーの2頭。それ以外で複数回馬券絡みを果たしている種牡馬はディープインパクト、ハーツクライ、ダイワメジャー、クロフネと4頭いる。2回以上馬券に絡んだ馬は3頭で、決してリピーターが多いレースではなく、前述の種牡馬は数字通りの好相性と見ていいだろう。

データの決断

一昨年の菊花賞、有馬記念を制し、昨秋は凱旋門賞に挑んだサトノダイヤモンドがここから復帰。当然、主役候補の1頭で、アッサリ勝っても何らおかしくはないが、遠征後の2戦、特に凱旋門賞の15着大敗は気になるところ。また、左回りの経験値の高さに期待して4歳馬スワーヴリチャードの逆転に期待したい。まだG1タイトルはないが、ポテンシャルの高さは世代トップクラスで順調さではこちらが上か。もし1番人気に支持されるようならデータ面ではほぼ死角がない。