毎週の注目重賞をテーマに競馬ラボ研究員がデータを精査。競馬ビギナーにも分かりやすく レースのポイントを教えます!あなたが選ぶ本命馬はこのデータをかいくぐれるか?
【スプリングS】西に意外な伏兵あり!
2018/3/11(日)
1952年に東京芝1800mの重賞として創設。1958年に中山へ開催場が移り、同時に「皐月賞トライアル」の副称が付けられた。過去の勝ち馬にはシンザン、ナリタブライアン、オルフェーヴルといった3冠馬やハイセイコー、テンポイント、最近ではキタサンブラックといった時代を彩ったスターホースが名を連ねている。本番より1F短い距離で行われるのも面白いポイントで、牡馬クラシックを占う注目の一戦をデータから紐解きたい。(11年は阪神競馬場で施行)
京成杯組が大不振
[前走レース]重賞あり、平場ありと好走馬のローテーションはバラエティに富んでいるが、複勝率で注目したいのが45.5%の朝日杯FSと40%のきさらぎ賞。きさらぎ賞は昨年、4年ぶりの出走となったプラチナヴォイスが6番人気で3着。相性の良さを示した。連対率で見ると共同通信杯も出走頭数からすれば優秀。一方で京成杯からは10頭全て馬券圏外に去っている。
過去10年注目データ
[前走着順]同じ皐月賞トライアルである弥生賞も前走勝ち馬が強いレースだったが、こちらも過去10年で連勝を果たした馬が6頭。勝ち馬はいずれも前走3着以内で、しっかりと結果を残してこの一戦に臨んでいた。サンプルは少ないが2着馬より3着馬の勝鞍が多いのは要チェック。弥生賞同様、大敗からの巻き返しは至難の業で、前走が掲示板から外れた馬で複勝圏に入ったのは、デビューから1800mを2連勝していた08年2着のフローテーション1頭のみ。
[枠順]勝ち馬を見ると1~3枠の馬で7勝。内が断然有利なのかというと、8枠も2勝していて、2着は4枠が4回と中枠も絡んでいる。アベレージを見ると7枠がやや不振。
馬番別で馬券絡みがないのは「13」と「16」から「18」の4つ。「17」「18」は阪神で行われた1回のみ。
[脚質]中山の小回りとあって、4角先頭の馬が4頭粘っている一方、皐月賞の出走権をかけて前が激しくなるのか、中団からの差し切りも度々見られる。ただし、4角10番手以下からの直線一気は難しく、ある程度柔軟な脚質が求められる。
1番人気馬は複勝率90%だが…
1番人気は複勝率90%で、その内訳は(3.3.3.1)。唯一の着外は昨年4着のサトノアレスで全ての馬が掲示板には上がっている。これを安定と見るか、取りこぼしと見るかで馬券の組み立ては大きく変わってきそう。勝ち馬は9頭が5番人気以内で、最も人気薄だったのは08年スマイルジャックの6番人気。大敗からの巻き返しがほとんどないレースで、勝ち馬は比較的人気サイドに収まっている。
2ケタ人気で馬券絡みを果たした馬は4頭。いずれもマイル以上の距離で新馬勝ちのキャリアを持っていた。
人気順別成績 | ||||
人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1番人気 | 3-3-3-1 | 30.0% | 60.0% | 90.0% |
2番人気 | 1-1-2-6 | 10.0% | 20.0% | 40.0% |
3番人気 | 2-1-0-7 | 20.0% | 30.0% | 30.0% |
4番人気 | 1-1-1-7 | 10.0% | 20.0% | 30.0% |
5番人気 | 2-1-0-7 | 20.0% | 30.0% | 30.0% |
6~9番人気 | 1-1-2-36 | 2.5% | 5.0% | 10.0% |
10番人気~ | 0-2-2-50 | 0.0% | 3.7% | 7.4% |
関東馬が地元の意地!
関東馬74頭に対して関西馬が69頭と、関西馬も多く遠征しているレースだが、過去10年では関東馬が6勝。2着は関西馬6頭と譲るが、3着は関東馬が7頭と地元の意地を見せている。
これが騎手になると形勢逆転で、栗東所属のジョッキーと短期免許の外国人ジョッキーが大活躍。外国人ジョッキーは要注意だ。
[キャリア]勝ち馬のキャリアは2戦から6戦で、キャリア4戦の馬が3勝。キャリア2戦の馬は15年に1着キタサンブラック、2着リアルスティールとのちのG1ホースがワンツーを決めているが、それ以外の年は不振。キャリア7戦以上もアベレージが急落している。複勝率はキャリア3~4戦が優秀。
[乗り替わり]前走と同じコンビの馬が70頭、乗り替わりが74頭。ほぼ互角のサンプル数で、1~3着はそれぞれ5回ずつと全く互角。クラシックを見据えた一戦だが、乗り替わりは何ら気にしなくてもいいだろう。
[当該コースの騎手成績]2013年以降、中山芝1800mで最も多く勝鞍を挙げているのは、戸崎騎手の19勝。2位が北村宏騎手の15勝で、松岡騎手12勝、蛯名騎手が11勝、M.デムーロ騎手10勝、田辺騎手が9勝と続く。10勝を挙げているM.デムーロ騎手はさすがだが、栗東所属のジョッキーも少ない騎乗機会でC.ルメール騎手が7勝。岩田、武豊、和田竜騎手が3勝。いずれも高い連対率、複勝率を誇っている。
[馬体重]勝ち馬の最高体重は14年ロサギガンティアの528キロ、最少体重は11年オルフェーヴルの444キロだが、この年は阪神競馬場で施行。中山競馬場での最少体重は昨年の勝ち馬ウインブライトの460キロ。460キロを切った馬で馬券圏内に入ったのはオルフェーヴルを含めて4頭。中山でも3頭いるが、いずれも人気を下回っての3着。軽量馬はやや割引と見た方がいい。
[種牡馬]過去10年で2勝を挙げている種牡馬はステイゴールド1頭。複数の馬を複勝圏内に送り込んでいるのは(1.2.1.10)のディープインパクト、(1.1.0.5)のフジキセキ、(0.1.3.5)のキングカメハメハ、(0.1.1.1)のマツリダゴッホと計5頭。弥生賞より距離が1F短いが、全体の傾向としては決め手や瞬発力に秀でたタイプよりもスタミナ、パワーが勝ったタイプの方が好走している。
人気はステルヴィオ、サトノソルタス、ルーカス、ゴーフォザサミットあたりの関東馬に集まりそうだが、穴で狙ってみたいのが関西馬のビッグスモーキー。すみれS3着からの参戦だが、前走3着馬はここ10年で6頭が出走して3勝。また、アベレージはやや落ちるとはいえ、キャリア6戦の馬が2勝しているのも興味深いデータ。豊富なキャリアを生かしての圏内突入を期待したい。