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【大阪杯】スワーヴリチャードに落とし穴!?
2018/3/25(日)
天皇賞(春)の重要なステップレースとして長く関西のファンに親しまれてきた産経大阪杯が昨年よりG1に昇格。『大阪杯』として新たなスタートを切り、歴史的名馬キタサンブラックがG1昇格最初の勝ち馬に名を刻んだ。G1昇格以前から年によっては宝塚記念よりもメンバーが揃うこともあったほどレースレベルが高かったが、今年は昨年以上の好メンバーが名を連ね、新王者誕生を決めるに相応しい一戦となった。ここでは過去10年のデータをピックアップして勝ち馬を探っていきたい。
金鯱賞組の動向に注目
[前走レース]G1に昇格された昨年は有馬記念以来のレースとなったキタサンブラックが勝利。天皇賞や香港遠征のステップとなることが多かったことから、有馬記念やジャパンCからのぶっつけというパターンも多く見られた。年明けにひと叩きされた組では中山記念が3勝。京都記念も(1.2.2.8)と好走馬を多く出している。また、昨年から施行時期が変わり、このレースのステップレースとなった金鯱賞はいきなりステファノスとヤマカツエースが2、3着に食い込み、今後の動向が注目される。
過去10年注目データ
[年齢]過去10年、勝ち馬を出しているのは4~6歳の3世代。特に4歳馬5勝、5歳馬4勝と、この2世代で9勝を占めている。勝鞍では前記2世代に劣るが、6歳馬も2着3回、3着は最も多い5回絡んでおり、昨年はステファノスが2着に入った。7歳以上は出走頭数が減るとはいえ、連対は14年に7歳で2着に入ったトウカイパラダイスただ1頭。高齢馬は割引が必要だ。
[前走着順]まず驚かされるのが、過去10年で大阪杯を連勝で制した馬が1頭もいないこと。一方で前走2着馬が7勝という非常に面白いデータが出ている。前走の金鯱賞を快勝したスワーヴリチャードにとってはちょっと気になるデータだ。
前走6着以下から巻き返した馬は4頭。そのうち2頭はG1勝ち、残る2頭もG1連対、もしくは重賞2勝以上を挙げていた。
[枠順]2014年は8頭立てで行われるなど、過去10年でフルゲートはゼロ。今年はフルゲート16頭に対して17頭が登録しており、久しぶりにフルゲートでのレースとなるか注目される。過去のデータを見てみると、少頭数で内枠の利が少ないのか、枠番「1」「2」は連対ゼロ。白い帽子の1枠は過去10年で1度も馬券圏内に入っていない。
馬番では「8」が複勝率5割。隣の「7」も複勝率4割と好走馬が多く出ている。馬券絡みがないのは「1」「10」「12」「14」。
[脚質]好走馬の脚質はバラエティに富んでいて、昨年はキタサンブラックが好位を追走して堂々の押し切り勝ち。15年は後方からレースを進めたラキシスとキズナがワン・ツー・フィニッシュを決めた。内回りコースでの施行で、過去10年で4角先頭の馬が6頭掲示板に載り、3頭が馬券絡みと逃げ馬もそれなりに粘り込んでいて、展開は柔軟に考えたい。
高い信頼度を誇る1番人気
1番人気で馬券圏内を外した馬は16年に4着だったラブリーデイわずか1頭。(4-3-2-1)と信頼度はかなり高い。勝ち馬は8頭が4番人気以内で、残る2頭は6番人気。極端な人気薄をアタマにするのは得策ではない。注目は6~9番人気の伏兵で、配当のキモにもなるのだが、8頭の共通点は重賞5着以上の実績があったことぐらい。脚質もさまざまで、当日の人気でフィルターにかけるのは難しい。また、2ケタ人気は1頭も馬券になっていない。
人気順別成績 | ||||
人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1番人気 | 4-3-2-1 | 40.0% | 70.0% | 90.0% |
2番人気 | 2-1-1-6 | 20.0% | 30.0% | 40.0% |
3番人気 | 1-0-1-8 | 10.0% | 10.0% | 20.0% |
4番人気 | 1-0-4-5 | 10.0% | 10.0% | 50.0% |
5番人気 | 0-1-1-8 | 0.0% | 10.0% | 20.0% |
6~9番人気 | 2-5-1-31 | 5.1% | 17.9% | 20.5% |
10番人気~ | 0-0-0-34 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
人馬とも西が圧倒的に優勢
G1初年度なった昨年は1着から5着までを関西馬が独占。元々、関西圏の古馬のステップレースということもあり、関西の人馬が非常に強いレースで、関東馬の勝利は1999年のサイレントハンターまで遡らなければならない。ジョッキーも過去10年で美浦所属のジョッキーは16年アンビシャスに騎乗して勝った横山典騎手のみ。前述のサイレントハンターに騎乗して勝った吉田豊騎手以来となる美浦所属の勝利ジョッキーだった。
[キャリア]勝ち馬のキャリアは9頭が20戦以下。前年のクラシックで活躍した馬が好成績を残していることもあり、好走馬のキャリアも少なめとなっている。唯一、20戦を超えるキャリアで勝ったのが10年に33戦目のキャリアで勝ったテイエムアンコール。G1に昇格されたことにより、フレッシュな馬が活躍する傾向はより強まるかもしれない。
[乗り替わり]昨年は前走と同じコンビの馬がワン・ツー・スリー。今年は同日にドバイワールドカップデーがあって、有力馬の乗り替わりも出ている。過去の傾向からは乗り替わりはやや不利で、シュヴァルグラン、サトノダイヤモンドにとっては気になるデータだ。
[当該コースの騎手成績]2013年以降、阪神芝2000mで最も多くの勝鞍を挙げているのは川田騎手の19勝。勝率、連対率こそ17勝のC.ルメール、M.デムーロ騎手に及ばないが、複勝率は52.6%にのぼり、回収率は単複ともにプラスと非常に優秀な成績を残している。なお、C.ルメール、M.デムーロ騎手も単勝回収率はプラスとなっている。
前記3名が頭一つ抜けていて、以下、岩田騎手が11勝、武豊騎手が10勝、和田竜、浜中騎手が9勝、福永騎手が8勝と続く。
[馬体重]昨年勝ったキタサンブラックは540キロという超大型馬だったが、近年芝でも大型馬が活躍するレースが増えている中、このレースは500キロ以上の勝ち馬が2頭。420~430キロ台で走ることが多かったドリームジャーニーが2度馬券に絡んでいるように軽量馬の活躍も見られる。
[種牡馬]昨年、連勝は3でストップしてしまったが、ディープインパクト産駒のステファノスが7番人気で2着に入り、4年連続連対中。このレースとの相性の良さが光る。マンハッタンカフェ、ステイゴールドも複数の勝ち馬を出している。このレースで苦戦しているのがキングカメハメハでディープインパクトの14頭に次ぐ13頭が出走して(0.0.1.12)の不振。3番人気以内は1頭しかいなかったとはいえ、昨年3着に入ったヤマカツエースが唯一の馬券絡みとなっている。
ドバイ遠征を選択したレイデオロの名前がないのは寂しいが、それでも5頭のG1ホースが集結。非常に楽しみな一戦となった大阪杯。データから狙ってみたいのは4歳の皐月賞馬アルアイン。好成績を残している4歳世代であることに加え、過去10年で7勝を挙げている前走2着馬。父ディープインパクトもこのレースと相性抜群で、更に騎乗予定の川田騎手もコース相性抜群。気になるのはやや馬格に恵まれすぎていることくらいで、データ面からはイチオシの1頭となる。同じ4歳のダービー2着馬スワーヴリチャードは過去10年、連勝でこのレースを制した馬がいないデータが気がかりだ。