毎週の注目重賞をテーマに競馬ラボ研究員がデータを精査。競馬ビギナーにも分かりやすく レースのポイントを教えます!あなたが選ぶ本命馬はこのデータをかいくぐれるか?
【フローラS】舞台は長い直線の東京だが……
2018/4/15(日)
1966年に「サンケイスポーツ賞4歳牝馬特別」として創設。桜花賞トライアルが「報知杯4歳牝馬特別(現・フィリーズレビュー)」で、馬齢表示が国際基準へ変更され、2001年に現在の名称となるまでは春に2つの「4歳牝馬特別」が存在していた。創設時は芝1800mで行われ、5着以内にオークスの優先出走権が与えられていたが、91年に3着以内、今年からは2着以内に変更された。距離は1987年から現在の2000mへと変更されている。近年は本番・オークスとの繋がりもより強くなっているトライアルをデータで紐解きたい。
フラワーC組に注目!
[前走レース]過去10年で3勝を挙げているのが、フラワーC組。距離適性、コース適性を勘案して、中には桜花賞の出走権を持ちながら桜花賞をパスしてここからオークス臨む馬が増えている。関西馬で主流になりつつあるのが3月末の君子蘭賞からここへ臨む馬。君子蘭賞で連対を果たしている馬はここでの好走率も高い。そして、軽視できないのは前走で未勝利を勝ったばかりでトライアルに挑んできた馬で、過去10年で2勝をマーク。馬券に絡んだ4頭はいずれも1800m以上の距離で未勝利を勝っていた。
過去10年注目データ
[前走着順]勝ち馬は前走4着以内で、勝ってここに挑んだ馬は6勝。前走3着以内の馬はアベレージも総じて高い。前走で掲示板を外し、ここで馬券圏内に食い込んだ馬は6頭いるが、いずれも1800m以上の距離で勝鞍、もしくはオープンでの入着歴があった。なお、前走2ケタ着順から巻き返した馬は過去10年では1頭もいない。
[枠順]外枠が不利といわれる東京の芝2000mだが、過去10年では8枠が3勝。枠番別ではやや偏りがあって、1枠、3枠、4枠がそれぞれ2勝ずつ。7枠は連対こそないが3着馬が4頭出ている。アベレージで見ると3枠が高い。
馬番別で馬券絡みがないのは「3」「9」「13」の3つ。3枠に該当する「5」「6」の連対率、複勝率が高い。
[脚質]連続開催を除く東京開催の開幕週は、長い直線を意識しすぎた差し馬が逃げ、先行馬の粘り込みを許すケースが多々見られるが、このレースも先行馬の粘り込みが多く、過去10年で5頭が4角2~5番手の好位でレースを進めてトップでゴール。2着6回、3着5回と先行馬の活躍が目立つ。直線勝負に徹するにしても4コーナーでは中団あたりには構えておきたい。
人気落ちの実績馬を狙え!
1番人気は(4.1.0.5)と信頼度は高め。2番人気も(2.3.2.3)と数多く馬券に絡んでいて、複勝率は1番人気を上回る。昨年は今思えば不思議なくらい人気がなかった12番人気のモズカッチャンが勝ち、10番人気のヤマカツグレースが2着で大波乱。過去10年、2着馬は4頭、3着馬は5頭が6番人気以下の伏兵で、やや荒れ模様のレースとなっている。距離適性が合うとみた馬や中距離のオープンで入着歴がありながら人気を落としている馬は積極的に狙っていきたい。
人気順別成績 | ||||
人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1番人気 | 4-1-0-5 | 40.0% | 50.0% | 50.0% |
2番人気 | 2-3-2-3 | 20.0% | 50.0% | 70.0% |
3番人気 | 1-1-2-6 | 10.0% | 20.0% | 40.0% |
4番人気 | 1-1-1-7 | 10.0% | 20.0% | 30.0% |
5番人気 | 0-0-0-10 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
6~9番人気 | 1-2-2-35 | 2.5% | 7.5% | 12.5% |
10番人気~ | 1-2-3-79 | 1.2% | 3.5% | 7.1% |
地元・関東馬が意地
関東馬(6.5.6.78)に対して関西馬(4.5.4.67)で勝鞍と3着数は地元の関東馬が上回り、関東馬が意地を見せている。昨年は人気薄がワン・ツー・フィニッシュを決めたが、全体の傾向を見ると、ある程度人気になった関西馬がしっかりオークスの出走権を取っている。
騎手は騎乗数に勝る美浦所属が7勝、2着7回、3着8回と西を圧倒。中でも内田博騎手は8回騎乗して4勝の好成績を残している。
[キャリア]好走馬のキャリアは幅広く、キャリア3戦が3勝、4戦と7戦が2勝ずつ。09年はキャリア9戦のディアジーナが勝利。その前年には同じキャリア9戦のカレイジャスミンが2着に入るなど、恵まれた素質を生かして少ないキャリアでオークスの優先出走権を手にした馬が多い一方、豊富なキャリアを持った馬も好走している。
未勝利を勝ったばかりで好走する馬もいるが、キャリア2戦以下で好走したのは14年にキャリア2戦で勝ったサングレアル1頭のみ。少なすぎるのはマイナス。
[乗り替わり]勝ち馬は前走と同じコンビだった馬が7勝とリード。2~3着は乗り替わりのコンビの方が多く出ている。乗り替わったコンビは過去10年全ての年で馬券絡みを果たしているが、出走も多いため、アベレージは低め、馬券を仕留めるには自身の『引き』も重要となる。
[当該コースの騎手成績]2013年以降、東京芝2000mで最も多く勝っているのは戸崎騎手の24勝。これが勝鞍では頭ひとつ抜け出していて、単複ともに回収率が100%を超えているのは非常に優秀。複勝率は50.4%あり、机上の計算なら複勝を買えば2回に1度は的中を味わえ、プラス回収になる。2位はC.ルメール騎手の18勝。栗東所属ながらG1シーズンでしっかり勝鞍を重ねて帰っていて、連対率49.3%、複勝率66.7%という驚異的なアベレージを誇る。3位は内田博騎手の16勝。以下、田辺騎手が14勝、蛯名、R.ムーア騎手が11勝、福永騎手が10勝と続く。
[馬体重]勝ち馬の最高体重は09年ディアジーナの484キロ。最低体重は11年バウンシーチューンの412キロで、14年には414キロのサングレアルが勝つなど、比較的小柄な馬の活躍が目立つ。この時期の牝馬で該当数はあまり多くないが、480キロを超える比較的大きな馬は成績がやや落ちる。
[種牡馬]2400mで行われるオークスのトライアルということで、桜花賞戦線からは種牡馬の趣もかなり変わっている。過去10年で2勝を挙げているのはサンデー系でも長距離にシフトしていたゼンノロブロイとマンハッタンカフェ産駒。ステイゴールドも1~3着が1度ずつある。そして昨年はハービンジャー産駒がワン・ツー・フィニッシュ。ディープインパクト産駒は4頭が複勝圏に絡んでいるが、出走頭数も多く、アベレージはさほど高くはない。
今年からオークスの優先出走権が上位3着から2着と狭き門になり、より激しさを増していきそうな気配。その実績からも出走権を確実に手にしたいのがフラワーC3着から権利獲りを狙うノームコア。このレースと最も相性がいい臨戦過程で、父は昨年ワン・ツー・フィニッシュを決めたハービンジャー。前走で連対を果たしての参戦であれば更に良かったが、データからは好走確率がかなり高い。