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【NHKマイルC】2ケタ人気が大激走!
2018/4/29(日)
前身は長くダービートライアルとして親しまれた1953年創設の「NHK杯」。当時クラシックに出走できなかった外国産馬や適性外となる短距離馬にとって3歳春に目標とする大レースがなかったことから、1996年にG1「NHKマイルC」として新設された。近年はここをステップにダービーへ向かう馬や桜花賞で上位となった実力馬が参戦するなど多彩な顔ぶれとなり、新緑まぶしい季節にふさわしいフレッシュな一戦となっている。ここでは3歳マイル王決定戦をデータから検証したい。
王道はニュージーランドT
[前走レース]過去10年で勝ち馬を送り出しているレースは5つ。中でもニュージーランドTは出走頭数が抜けて多いためアベレージは低く出ているが、4勝、2着1回、3着4回と王道ローテといえる実績を残している。2勝を挙げているのが毎日杯と桜花賞。ここ2年は桜花賞に参戦した関東馬が連勝を果たしている。全体の傾向として、距離が延びる馬よりも短縮してきた馬の方が好走が多い。
過去10年注目データ
[前走着順]前走から連勝を果たした馬は4頭。2着も3頭いるが、前走勝ってここへ挑む馬が多く、アベレージは決して優勢とはいえない。前走掲示板を外して本番で勝ち上がったのは13年マイネルホウオウのみ。勝ち馬に関しては前走で上位の成績が必要だが、3着馬は7頭が前走6着以下からの巻き返し。ちなみに前走6着以下から馬券圏内に巻き返した馬は全てオープン勝ち、もしくは重賞連対の実績を持っていた。
[枠順]枠番別では6枠が連対ゼロで、他の枠は2回以上の連対があるのだが、6枠も3着が3回あって、馬券圏内という括りではどの枠も満遍なく好走馬が出ている。
馬番別では「13」が2勝、2着1回、「5」の1勝、2着2回、「17」の2着3回が目立つ数字。馬券絡みが1回もないのは「11」「15」の2つ。昨年は過去10年で1度も馬券絡みがなかった「16」のアエロリットが勝ち、「6」のボンセルヴィーソが3着に入った。
[脚質]過去10年で逃げ切り勝ちは3頭いるが、いずれも1番人気。長い直線と坂がある東京のマイルを逃げ切るには相応の底力要求される。一方で4角10番手以下からの差し切りは3頭。こちらも2頭が1番人気だが、2ケタ人気が4頭絡んでいて、予想としては前半のペースを読みながら、腹をくくった追い込み馬にも注意を払いたい。
穴馬券のカギは人気薄の3着馬
過去10年で1番人気は6勝しているが、2~3着は1度もなく、いわゆる『ピンパー』の成績。思い切った人気薄からも狙えるレースで、2ケタ人気が2勝、2着2回、3着5回と穴党は見逃せない数字。特に3着馬は7頭が6番人気以下でヒモ穴には要注意。
人気順別成績 | ||||
人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1番人気 | 6-0-0-4 | 60.0% | 60.0% | 60.0% |
2番人気 | 1-2-1-6 | 10.0% | 30.0% | 40.0% |
3番人気 | 1-2-1-6 | 10.0% | 30.0% | 40.0% |
4番人気 | 0-1-1-8 | 0.0% | 10.0% | 20.0% |
5番人気 | 0-2-0-8 | 0.0% | 20.0% | 20.0% |
6~9番人気 | 0-1-2-37 | 0.0% | 2.5% | 7.5% |
10番人気~ | 2-2-5-81 | 2.2% | 4.4% | 10.0% |
風は徐々に東寄り!?
過去10年のトータルで見ると関西馬が7勝しているが、目下、関東馬が2年連続ワン・ツー・フィニッシュ。15年も2着、3着が関東馬で地元の利を生かしていて、風向きがやや変わりつつある。
ジョッキーも数字の上では西優勢となっているが、近年は美浦所属のジョッキーも意地を見せている。
[キャリア]キャリア2戦と10戦以上の馬は第1回から遡っても馬券絡みがゼロ。勝ち馬はキャリア3~9戦が満遍なく好走馬を送り出していて、サンプルは少ないが、キャリア3戦の馬が(1.1.1.4)とハイアベレージを叩き出している。登録馬の中では毎日杯2着のギベオンとニュージーランドT3着のデルタバローズがキャリア3戦で大舞台に挑む。
[乗り替わり]乗り替わりのコンビが多いレースだが、その結果は決して芳しいものとはいえない。ただし、乗り替わりで3着以内に入った10頭のうち6頭が2ケタ人気で、いずれも関西馬。これに該当する馬はほんの少し押さえておいていいかもしれない。
[当該コースの騎手成績]2013年以降、東京芝1600mで最も多くの勝鞍を挙げているのは戸崎騎手の39勝。次いでC.ルメール騎手の29勝と戸崎騎手が頭ひとつ抜け出しているが、アベレージではC.ルメール騎手が圧倒。勝率で10ポイント、連対率、複勝率でおよそ20ポイント戸崎騎手を上回っている。以下、北村宏、横山典、三浦、内田博、蛯名騎手までが20勝以上。栗東所属ジョッキーではM.デムーロ騎手が12勝、福永騎手が11勝、武豊騎手が8勝を挙げている。
[馬体重]勝ち馬はいずれも460キロ以上で、2着馬は5頭が500キロ以上の馬格に恵まれた馬で、完成途上の3歳春に行われる一戦だが、馬力、底力も要求される舞台とあって、連対馬は比較的大きな馬が多い。ただし、3着に関しては比較的軽量の馬が多く来ていて、なぜか500キロを超えている馬が1頭も出ていない。
[種牡馬]複数の勝ち馬を送り出している種牡馬はクロフネとダイワメジャーの2頭。クロフネは昨年アエロリットが勝って史上2組目の親子制覇を達成し2着も2回、ダイワメジャーは3着が2回あって好相性を示している。また、ディープインパクト産駒は過去に出走が8回とイメージほど多くない出走機会で1~3着がそれぞれ1回ずつあって、こちらも好相性を示しているといえるだろう。
唯一の重賞2勝馬で、鮮やかにアーリントンCを差し切ったタワーオブロンドンの勝ちっぷりにも目を引かれるが、荒れるレースでもあり、思い切って人気急落となりそうなロックディスタウンの反撃に期待してみたい。ここ2走は気の悪さを出して大敗を喫しているが、デビュー戦では後にホープフルSを勝つタイムフライヤーに完勝。続く札幌2歳Sも着差以上に強い内容で、人気薄の激走に必要なオープン実績も持っている。父オルフェーヴルの底力が大一番で爆発する。