毎週の注目重賞をテーマに競馬ラボ研究員がデータを精査。競馬ビギナーにも分かりやすく レースのポイントを教えます!あなたが選ぶ本命馬はこのデータをかいくぐれるか?
【函館記念】今年も人気薄の2着激走があるか!?
2018/7/8(日)
1965年に芝2400mのハンデ戦として創設。1968年から現在と同じ芝2000mとなり、2006年よりサマー2000シリーズの第2戦として夏競馬前半を盛り上げる伝統の一戦となっている。
過去の好走馬を見るとエリモハリアーの3連覇を筆頭に連覇を果たした馬、複数回馬券に絡んだ馬が多いリピーターレースでもある。サマー2000シリーズの行方も左右する一戦をデータ面から占いたい。
※2009年は札幌競馬場で施行
巴賞組にアドバンテージあり?
[前走レース]過去10年で3勝を挙げているのが、目黒記念から転戦してきた組。勝った3頭は4番人気以内で、2頭は目黒記念で連対。残る1頭は目黒記念で2番人気に支持されていた。
出走頭数が圧倒的に多い巴賞組が2勝、2着5回。中1週になるのだが、現地で1戦を消化しているのは大きなアドバンテージとなっている。ベテランが幅を利かせている一戦らしく、条件クラスからの好走はほとんどおらず、巴賞、もしくは直近(5~6月)の重賞をステップにした馬が数多く上位争いに食い込んでいる。
過去10年注目データ
[年齢]勝ち馬は4歳から8歳まで幅広い世代から出ているが、アベレージで注目したいのは4歳馬。古豪が多く参戦して過去10年で16頭と数は少ないのだが、それで(2-3-1-10)は優秀といえる成績だろう。最も多い3勝を挙げているのが5歳馬。多くのレースではアベレージがガクンと下がる7歳馬が2勝。8歳以上も5度の馬券絡みがあって度々好配当を演出している。
[前走着順]前走から連勝した馬は2頭と多くないが、過去10年で実に9頭が前走で掲示板を確保。勝ち馬に関しては、前走である程度の格好は付けておきたい。一転して2~3着馬は掲示板圏外からの反撃が多く、2着馬は7頭、3着馬も6頭が前走で掲示板を外した馬で、2ケタ着順の馬も5頭が複勝圏内に飛び込んでいる。もちろんこれらは人気を落としていることが多く、警戒が必要だ。
[枠順]枠番別では偏った数字が出ていて、3枠4勝、2枠が3勝。2枠は2、3着も2回ずつあって好相性を示している。4勝を挙げている3枠だが、2~3着馬は1頭もいない。3着はほぼ満遍なく出ていて、2枠以外の複勝率は大きな差がない。
馬番別では「3」「4」「6」が2勝ずつ。1度も馬券絡みがないのは「7」のみで、このレースに限っては「アンラッキーセブン」となっている。
[脚質]ローカルの小回りコースらしく、4角先頭からの逃げ切りは2頭。2着はないが3着が4頭。それをマークした好位付けの馬も4勝、2着7回の好成績。
反対に後方一気はほとんど決まらず、4角10番手以下のポジションにいた馬の馬券絡みは11年3着のアクシオン1頭のみ。力があっても厳しい結果で、4コーナーのポジション取りが大きなカギを握る。
1番人気は大苦戦だが…
ハンデ戦ということもあるが、1番人気が非常に苦戦しているレースで、最高着順は2度の2着で3着もゼロ。13~14年は2年連続10着。勝ち馬は06年のエリモハリアーまで遡る。ただし、過去10年で勝ち馬全てが2~5番人気で、アタマに極端な人気薄を狙うのは得策ではない。
一方、2~3着は人気薄が大暴れ。2着は1番人気の2頭を除き8頭が7番人気以下で、3年連続2ケタ人気が2着に激走している。
人気順別成績 | ||||
---|---|---|---|---|
人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1番人気 | 0-2-0-8 | 0.0% | 20.0% | 20.0% |
2番人気 | 2-0-1-7 | 20.0% | 20.0% | 30.0% |
3番人気 | 3-0-0-7 | 30.0% | 30.0% | 30.0% |
4番人気 | 4-0-0-6 | 40.0% | 40.0% | 40.0% |
5番人気 | 1-0-1-8 | 10.0% | 10.0% | 20.0% |
6~9番人気 | 0-3-8-29 | 0.0% | 7.5% | 27.5% |
10番人気~ | 0-5-0-63 | 0.0% | 7.4% | 7.4% |
風向きは東!?
過去10年、関西馬が6勝、関東馬が4勝。2着は関西馬が8回と圧倒的に多いのだが、直近は関東馬が3連勝していて、風向きは変わってきた。
ジョッキーも関東馬が盛り返しているのだが、旨味があるのは栗東所属のジョッキーで、2ケタ人気の馬券絡みはいずれも栗東所属。池添騎手の3着4回は渋い数字だ。
[キャリア]勝ち馬の最少キャリアは08年トーセンキャプテンの8戦。最多キャリアは11年キングトップガンの36戦。高齢馬が活躍していることから、キャリアを積んでいる馬の好走が多く、豊富な経験はプラスと捉えたい。勝ち馬のうち、昨年のルミナスウォリアー、12年のトランスワープ以外はオープン特別勝ち、もしくは重賞連対の経験を持っていて、括りは広くなってしまうが両馬ともオープン特別の連対実績はあった。
[乗り替わり]乗り替わりについては、過去10年全く同数で勝ち馬はイーブン。2着は乗り替わったコンビが1つ多く、3着は前走と同じコンビが1つ多いだけで、アベレージもほぼ互角。乗り替わりは全く気にしなくていい。なお、前走と同じコンビの1~3着独占は2回あるが、乗り替わった馬での1~3着独占はない。
[当該コースの騎手成績]2013年以降に行われた函館芝2000mで最も勝鞍が多いのは岩田騎手の13勝で唯一の2ケタ勝利。2着も10回あって、複勝率46.0%、複勝回収率107%は見逃せない数字だ。2位は6勝の吉田隼騎手。3位は柴山、池添、藤岡佑騎手の3人が5勝で並んでいて、藤岡佑騎手の勝率25%は要チェック。4勝の武豊騎手も勝率が23.5%にのぼる。
[馬体重]勝ち馬の最高体重は12年トランスワープの528キロ。最少体重は15年ダービーフィズの448キロ。タフな洋芝で行われることもあり、イメージ的には馬格のあるタイプが有利かと思いきや、そう目立った数字は出ておらず、あまり神経質になることはない。なお、過去10年で440キロ未満の馬は出走していない。
[種牡馬]過去10年で複数の勝鞍があるのはジャングルポケット1頭。適性があるのは間違いないのだろうが、3度の1番人気はいずれも馬券圏外だった。複数回馬券絡みがある種牡馬はマヤノトップガン、ステイゴールド、マンハッタンカフェ、フジキセキ、ダンスインザダークと軽快さよりパワー、スタミナが勝ったタイプ。
現在の競馬から切っても切り離せないディープインパクト産駒は16年2着のケイティープライドが初の馬券絡み。昨年は2歳王者サトノアレスが参戦したが、1番人気6着と期待を裏切り、やや寂しい成績となっている。
[ハンデ]トップハンデの馬は過去10年で1勝、2着1回。1番人気に支持された3頭はいずれも複勝圏外に消えている。地力が認められたからこそのトップハンデだが、信頼度には疑問符が付く。