過去10年攻略データ

1965年に芝2400mのハンデ戦として創設。1968年から現在と同じ芝2000mとなり、2006年よりサマー2000シリーズの第2戦として夏競馬前半を盛り上げる伝統の一戦となっている。
過去の好走馬を見るとエリモハリアーの3連覇を筆頭に連覇を果たした馬、複数回馬券に絡んだ馬が多いリピーターレースでもある。サマー2000シリーズの行方も左右する一戦をデータ面から占いたい。
※2009年は札幌競馬場で施行

巴賞組にアドバンテージあり?

[前走レース]過去10年で3勝を挙げているのが、目黒記念から転戦してきた組。勝った3頭は4番人気以内で、2頭は目黒記念で連対。残る1頭は目黒記念で2番人気に支持されていた。
出走頭数が圧倒的に多い巴賞組が2勝、2着5回。中1週になるのだが、現地で1戦を消化しているのは大きなアドバンテージとなっている。ベテランが幅を利かせている一戦らしく、条件クラスからの好走はほとんどおらず、巴賞、もしくは直近(5~6月)の重賞をステップにした馬が数多く上位争いに食い込んでいる。

前走レース別成績
レース名 成績 勝率 連対率 複勝率
目黒記念3-0-0-827.3%27.3%27.3%
巴賞2-5-4-413.8%13.5%21.2%
エプソムC1-1-1-611.1%22.2%33.3%
新潟大賞典1-1-1-220.0%40.0%60.0%
金鯱賞1-0-1-320.0%20.0%40.0%
鳴尾記念1-0-0-614.3%14.3%14.3%
福島テレビOP1-0-0-150.0%50.0%50.0%
天皇賞(春)0-2-1-80.0%18.2%27.3%
五稜郭S0-1-0-30.0%25.0%25.0%
ジューンS0-0-1-00.0%0.0%100.0%
NHKマイルC0-0-1-00.0%0.0%100.0%

年齢別成績 前走着順別成績
年齢 着別度数 前走着順 着別度数
3歳0-0-1-2前走1着2-1-1-17
4歳2-3-1-10前走2着1-0-1-8
5歳3-1-4-29前走3着3-1-1-9
6歳2-1-3-41前走4着2-0-0-8
7歳2-2-0-25前走5着1-1-1-7
8歳以上1-3-1-21前走6~9着1-5-3-28
前走10着~0-2-3-50

過去10年注目データ

[年齢]勝ち馬は4歳から8歳まで幅広い世代から出ているが、アベレージで注目したいのは4歳馬。古豪が多く参戦して過去10年で16頭と数は少ないのだが、それで(2-3-1-10)は優秀といえる成績だろう。最も多い3勝を挙げているのが5歳馬。多くのレースではアベレージがガクンと下がる7歳馬が2勝。8歳以上も5度の馬券絡みがあって度々好配当を演出している。

[前走着順]前走から連勝した馬は2頭と多くないが、過去10年で実に9頭が前走で掲示板を確保。勝ち馬に関しては、前走である程度の格好は付けておきたい。一転して2~3着馬は掲示板圏外からの反撃が多く、2着馬は7頭、3着馬も6頭が前走で掲示板を外した馬で、2ケタ着順の馬も5頭が複勝圏内に飛び込んでいる。もちろんこれらは人気を落としていることが多く、警戒が必要だ。

[枠順]枠番別では偏った数字が出ていて、3枠4勝、2枠が3勝。2枠は2、3着も2回ずつあって好相性を示している。4勝を挙げている3枠だが、2~3着馬は1頭もいない。3着はほぼ満遍なく出ていて、2枠以外の複勝率は大きな差がない。
馬番別では「3」「4」「6」が2勝ずつ。1度も馬券絡みがないのは「7」のみで、このレースに限っては「アンラッキーセブン」となっている。

[脚質]ローカルの小回りコースらしく、4角先頭からの逃げ切りは2頭。2着はないが3着が4頭。それをマークした好位付けの馬も4勝、2着7回の好成績。
反対に後方一気はほとんど決まらず、4角10番手以下のポジションにいた馬の馬券絡みは11年3着のアクシオン1頭のみ。力があっても厳しい結果で、4コーナーのポジション取りが大きなカギを握る。

1番人気は大苦戦だが…

ハンデ戦ということもあるが、1番人気が非常に苦戦しているレースで、最高着順は2度の2着で3着もゼロ。13~14年は2年連続10着。勝ち馬は06年のエリモハリアーまで遡る。ただし、過去10年で勝ち馬全てが2~5番人気で、アタマに極端な人気薄を狙うのは得策ではない。
一方、2~3着は人気薄が大暴れ。2着は1番人気の2頭を除き8頭が7番人気以下で、3年連続2ケタ人気が2着に激走している。

人気順別成績
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1番人気0-2-0-80.0%20.0%20.0%
2番人気2-0-1-720.0%20.0%30.0%
3番人気3-0-0-730.0%30.0%30.0%
4番人気4-0-0-640.0%40.0%40.0%
5番人気1-0-1-810.0%10.0%20.0%
6~9番人気0-3-8-290.0%7.5%27.5%
10番人気~0-5-0-630.0%7.4%7.4%

プラスαデータ

風向きは東!?

過去10年、関西馬が6勝、関東馬が4勝。2着は関西馬が8回と圧倒的に多いのだが、直近は関東馬が3連勝していて、風向きは変わってきた。
ジョッキーも関東馬が盛り返しているのだが、旨味があるのは栗東所属のジョッキーで、2ケタ人気の馬券絡みはいずれも栗東所属。池添騎手の3着4回は渋い数字だ。

[キャリア]勝ち馬の最少キャリアは08年トーセンキャプテンの8戦。最多キャリアは11年キングトップガンの36戦。高齢馬が活躍していることから、キャリアを積んでいる馬の好走が多く、豊富な経験はプラスと捉えたい。勝ち馬のうち、昨年のルミナスウォリアー、12年のトランスワープ以外はオープン特別勝ち、もしくは重賞連対の経験を持っていて、括りは広くなってしまうが両馬ともオープン特別の連対実績はあった。

[乗り替わり]乗り替わりについては、過去10年全く同数で勝ち馬はイーブン。2着は乗り替わったコンビが1つ多く、3着は前走と同じコンビが1つ多いだけで、アベレージもほぼ互角。乗り替わりは全く気にしなくていい。なお、前走と同じコンビの1~3着独占は2回あるが、乗り替わった馬での1~3着独占はない。

[当該コースの騎手成績]2013年以降に行われた函館芝2000mで最も勝鞍が多いのは岩田騎手の13勝で唯一の2ケタ勝利。2着も10回あって、複勝率46.0%、複勝回収率107%は見逃せない数字だ。2位は6勝の吉田隼騎手。3位は柴山、池添、藤岡佑騎手の3人が5勝で並んでいて、藤岡佑騎手の勝率25%は要チェック。4勝の武豊騎手も勝率が23.5%にのぼる。

[馬体重]勝ち馬の最高体重は12年トランスワープの528キロ。最少体重は15年ダービーフィズの448キロ。タフな洋芝で行われることもあり、イメージ的には馬格のあるタイプが有利かと思いきや、そう目立った数字は出ておらず、あまり神経質になることはない。なお、過去10年で440キロ未満の馬は出走していない。

[種牡馬]過去10年で複数の勝鞍があるのはジャングルポケット1頭。適性があるのは間違いないのだろうが、3度の1番人気はいずれも馬券圏外だった。複数回馬券絡みがある種牡馬はマヤノトップガン、ステイゴールド、マンハッタンカフェ、フジキセキ、ダンスインザダークと軽快さよりパワー、スタミナが勝ったタイプ。
現在の競馬から切っても切り離せないディープインパクト産駒は16年2着のケイティープライドが初の馬券絡み。昨年は2歳王者サトノアレスが参戦したが、1番人気6着と期待を裏切り、やや寂しい成績となっている。

[ハンデ]トップハンデの馬は過去10年で1勝、2着1回。1番人気に支持された3頭はいずれも複勝圏外に消えている。地力が認められたからこそのトップハンデだが、信頼度には疑問符が付く。

データの決断

データ面から狙ってみたいのは巴賞から参戦してくる4歳馬のブレスジャーニー。同じ4歳馬のトリコロールブルーも捨てがたい存在だが、このレースと巴賞の相性の良さを重視して前者を狙いたい。2歳時にG1とも関連深い2つの重賞を制しながら春のクラシックは断念。その悔しさを古馬となって晴らす。