毎週の注目重賞をテーマに競馬ラボ研究員がデータを精査。競馬ビギナーにも分かりやすく レースのポイントを教えます!あなたが選ぶ本命馬はこのデータをかいくぐれるか?
【京都大賞典】あの馬が復活の狼煙を上げる!?
2018/10/2(火)
1966年に「ハリウッドターフクラブ賞」の名称で創設。第1回は京都競馬場の芝3200mで行われたが、翌1967年より芝2400mに短縮され、1974年より現在の名称となっている。東の毎日王冠とともに、秋の王道路線を狙う馬が多く出走し、勝ち馬にもテンポイント、メジロマックイーン、テイエムオペラオー、キタサンブラックら時代を彩った名馬がズラリと並ぶ。1987年に武豊騎手が重賞初制覇を挙げたレースとしても知られる伝統の一戦をデータから紐解きたい。
好走ローテは多彩!
[前走レース]過去10年の勝ち馬のうち、4頭は宝塚記念から夏場を休養に充てた馬だが、その前にひと叩きした馬、夏場に使われてきた馬も数字は良く、かつて9月に組まれていた朝日CC組や新潟記念組がそれぞれ2勝。
菊花賞馬オウケンブルースリは阪神大賞典から休養明けで09年に勝利、12年は2着。10年は前年のジャパンCから2着、11年は春の天皇賞から3着に入っている。また、春の天皇賞からぶっつけの臨む馬が勝利こそないが2着3回、3着2回。
過去10年注目データ
[年齢]勝ち馬は5歳馬が5頭、4歳馬が4頭。昨年は7歳牝馬のスマートレイアーが制したが、まず中心はこの4~5歳世代から選ぶのが賢明。7歳馬も2400mを超える長距離重賞で勝ち負け、G1で入着実績があれば侮れない。かつては3歳馬の好走があったが、菊花賞の施行時期が変わってからは出走そのものがほとんどなくなった。
[前走着順]過去10年で13頭が前走勝ってこのレースに挑んだが、連勝を果たした馬は15年ラブリーデイただ1頭。一方で前走で10着以下に大敗した馬が5頭が馬券になっているが、13年に11番人気で勝ったヒットザターゲット以外はそれなりに人気となっていて、長丁場のレースで好走した実績を持っていた。前走着順にはあまりこだわらず、その馬の実績を注視したい。
[枠順]少頭数が多いレースで、昨年の15頭立ては過去10年で最も出走頭数が多かった。枠番別で見ると、連対がないのが4枠。2枠が3勝、1枠が2勝で3枠も4度の馬券絡みがあって複勝率は高い。複勝率ベースで見ると4枠と5枠が苦戦している。
馬番別で馬券絡みがないのは「12」「13「15」の3つ。前述の通り少頭数が多く、あまり枠番、馬番は気にしなくていいだろう。
[脚質]4角先頭で馬券圏内に踏ん張ったのは12年ギュスターヴクライ1頭のみで、これは逃げたものでなく、マクって4角先頭に立ったもの。過去10年の傾向からは逃げ馬は苦しい。好位から速い脚を使える馬が理想だが、中団以下から差し切った馬が6頭。切れる脚を持った馬は警戒しておきたい。
連系馬券で中穴が面白い!
過去10年、13年ヒットザターゲット以外の勝ち馬は5番人気以内。上位人気の信頼度はマズマズなのだが、1番人気に絞ると(3.1.2.4)で何とも微妙な数字。2着には6~7番人気の伏兵がよく絡んでいて、連系の馬券なら中穴狙いが面白い。少頭数の年が多いこともあるのか、2ケタ人気の馬券絡みは前記ヒットザターゲット(11番人気)のみ。過度の穴狙いは危険。
人気順別成績 | ||||
人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1番人気 | 3-1-2-4 | 30.0% | 40.0% | 60.0% |
2番人気 | 1-1-3-5 | 10.0% | 20.0% | 50.0% |
3番人気 | 2-0-1-7 | 20.0% | 20.0% | 30.0% |
4番人気 | 2-2-1-5 | 20.0% | 40.0% | 50.0% |
5番人気 | 1-0-1-8 | 10.0% | 10.0% | 20.0% |
6~9番人気 | 0-6-2-31 | 0.0% | 15.4% | 20.5% |
10番人気~ | 1-0-0-25 | 3.8% | 3.8% | 3.8% |
関西馬が圧倒的に優勢!
関東馬の出走はわずか15頭。馬券絡みは10年3着のプロヴィナージュのみで、関西馬が圧倒的に優勢。ジャガーメイルは09年に1番人気、11年に2番人気で出走したが、ともに4着に敗れている。
一方でジョッキーの方は美浦所属も少ない騎乗機会で度々馬券に絡んでいて、関西馬に騎乗する美浦所属のジョッキーは要注意。
[キャリア]好走馬のキャリアは様々でアベレージだけで見ると20戦以下が好成績を残している。勝鞍で見ると21戦以上の豊富なキャリアを持った馬が5勝。ただし、こちらは出走頭数も多く、アベレージはやや低く出ており、30戦を超えると数字が大きく下がる。
[乗り替わり]天皇賞やジャパンカップを睨んだレースだが、乗り替わりのコンビが比較的活躍していて、着度数を見るとほぼイーブン。ただし、アベレージで見ると前走と同じコンビが大きく上回り、以前に騎乗経験があったケースも多い。過度に気にする必要はなさそうだが、迷ったら乗り替わりではないコンビを選ぶのも手かもしれない。
[当該コースの騎手成績]2013年以降、京都芝2400mで最も多く勝っているのは武豊騎手の10勝。このレースは重賞初勝利を挙げたゲンのいいレースでもあり、近2年はキタサンブラックとスマートレイアーで連覇を達成。これまでに前人未到ともいえる9勝を挙げている。以下、川田騎手の9勝、C.ルメール騎手の7勝、松山騎手の6勝、浜中、福永、M.デムーロ騎手の5勝と続く。
[馬体重]勝ち馬の最高体重は16年キタサンブラックの538キロ。最少体重は07年インティライミと11年ローズキングダムの468キロで偶然にも、ともにダービー2着馬。連対馬は全て460キロ以上だが、それよりも小柄な馬の出走機会が少なく、馬格はあまり気にしなくてもいい。
[種牡馬]過去10年、キングカメハメハ産駒が3勝。ディープインパクト産駒が2勝。ジャングルポケット産駒の(1.2.2.4)が目立つ数字。ただし、このレースで(1.2.1.0)と相性が良かったオウケンブリースリの存在が大きく、ジャガーメイルは人気で2度馬券圏外に去っている。ディープインパクト産駒は3番人気、4番人気で勝っているが、1番人気と2番人気に推されたトーセンラーは2回とも3着と人気以下に敗れている。
近年は同じ距離で行われるジャパンCを睨んだ一戦というのが色濃くなってきた伝統のG2戦。今年のメンバーを見ても確かな距離適性を持つ馬が多数エントリーしてきたが、データからは5歳馬サトノダイヤモンドの復活に期待したい。フランス遠征以降、らしくない着順が多くなっているが、馬場に泣かされた不運もあった。格がモノをいうレースで、年齢、キャリア等、データ面での死角は少ない。
▲重賞攻略に必見のコンテンツをまとめました!