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【ホープフルS】キャリアは一切関係ナシ!
2018/12/23(日)
ホープフルSというレースそのものは中山の最終週に行われる2歳のオープン特別として存在していたが、重賞としての前身は1984年に創設された「ラジオたんぱ杯3歳牝馬S」。当初は阪神の1600mで行われていたが、1991年に牡馬・セン馬限定の「ラジオたんぱ杯3歳S」と改称され阪神の2000mに。更に2001年に馬齢表記が国際基準に変更されたことに伴い「ラジオたんぱ杯2歳S」に、更にラジオたんぱがラジオNIKKEIに変わって「ラジオNIKKEI杯2歳S」に変更された。そして、中距離路線の拡充に伴って中山競馬場へ移転、ホープフルSに改められ重賞に格上げ。2017年から更にG1へと格上げされた。ここではオープン特別時代も含む中山のホープフルS過去10年を検証したい。
前走、未勝利勝ちも侮れず
[前走レース]キャリア1戦の馬が6勝しているので、必然的に前走新馬戦を勝った馬が6勝。2着はないが、3着馬も3頭いるのは見逃せないデータ。続いてホープフルSと同じ舞台の葉牡丹賞組が2勝。そしてもう1つ見逃せないのが、未勝利戦を勝ったばかりの馬が2着に4回来ていること。重賞となってからも14年ブラックバゴが9番人気3着、16年マイネルスフェーンが8番人気2着で穴を開けている。
2歳戦ではしばしば叩き上げの勢いが素質馬を食ってしまうというシーンもあるのだが、このレースは中1週の間隔で馬券に絡んだ馬は昨年3着のステイフーリッシュのみ。むしろゆったりとしたローテーションで臨んだ馬が好成績を残している。
過去10年注目データ
[前走着順]前走からの勢いは非常に重要で、前走を勝って臨んだ馬が1着、2着に8頭、3着にも5頭と上位を賑わせている。前走4着以下は大きなマイナスで、馬券になったのは12年2着のマイネルストラーノと11年3着のコスモアンドロメダの2頭しかいない。
[枠順]勝ち馬は1、2枠と4、5枠がそれぞれ2頭。3枠と8枠からは勝ち馬が出ていない。特に3枠は人気薄が多いこともあるが、14年2着のコメートが唯一の馬券絡み。
馬番別では「2」が3勝、「7」「11」が2勝。どちらも2着が2回あって、連対率44.4%のハイアベレージを残している。一方で馬券絡みがないのは「3」「4」「12」「14」「16」。
[脚質]過去10年、4角先頭から押し切ったのは08年トーセンジョーダンただ1頭。4角10番手以下のポジションから差し切った馬はおらず、追い込んで馬券に絡んだ3頭のうち2頭は人気馬の取りこぼしで、逃げと追い込みは不利。好位組、中団からの差しがほぼ互角で、脚質はバラエティに富んでいる。
人気馬の信頼度はマズマズだが…
1番人気は(4.2.0.4)と決して悪い数字ではないが、やや心許ない数字。前走好走馬が多く、人気が割れ加減となっているのも影響してか、6番人気以下の伏兵も度々穴を開けている。特徴は掴みづらいのだが馬券に絡んだ10頭のうち8頭が1800m以上の距離を経験していた。
2ケタ人気の馬券絡みは前走4着以下だった12年2着のマイネルストラーノと11年3着のコスモアンドロメダの2頭。過度の人気薄を狙うのは、データからは得策ではない。
人気順別成績 | ||||
人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1番人気 | 4-2-0-4 | 40.0% | 60.0% | 60.0% |
2番人気 | 1-1-4-4 | 10.0% | 20.0% | 60.0% |
3番人気 | 1-2-1-6 | 10.0% | 30.0% | 40.0% |
4番人気 | 1-1-0-8 | 10.0% | 20.0% | 20.0% |
5番人気 | 1-0-1-8 | 10.0% | 10.0% | 20.0% |
6~9番人気 | 2-3-3-32 | 5.0% | 12.5% | 20.0% |
10番人気~ | 0-1-1-53 | 0.0% | 1.8% | 3.6% |
外国人ジョッキーが非常に強い!
東西の比較では関東馬が5勝、2着と3着がそれぞれ7回と好走馬を数多く輩出しているのだが、出走頭数が倍近くあって、アベレージでは関西馬がリード。昨年は関西馬が上位を独占したが、重賞に格上げされてからは関東馬が地元の意地を見せている。
ジョッキーは驚くことに美浦所属の勝ち星がゼロ。2着5回、3着7回と上位を賑わせてはいるが、栗東所属のジョッキーと外国人ジョッキーにタイトルをさらわれている。ジョッキー別ではC.ルメール騎手が9回の騎乗で(4.1.1.3)と抜群の好相性を誇り、その他にもR.ムーア、O.ペリエ、H.ボウマン、I.メンディザバル、C.デムーロ騎手が勝ち名乗りを上げていて、外国人ジョッキーが非常に強い。
[キャリア]過去10年、勝ち馬は全てキャリア4戦以内で、キャリア1戦の馬が実に6勝。G1に格上げされて、今後傾向が変わってくるかもしれないが、G2に格上げ後もキャリア1戦のシャイニングレイ、ハートレーが勝ち、一昨年はグローブシアター、G1となった昨年もステイフーリッシュが3着とキャリアの浅い馬が好走している。
[乗り替わり]過去10年、乗り替わりの馬が6勝を挙げているが、2着はイーブン、3着は前走と同じコンビが7回で、勝率、連対率は乗り替わりのコンビが少しリード、複勝率は前走と同じコンビが少し上で、大きな差はない。乗り替わりはあまり気にしなくていいだろう。
[当該コースの騎手成績]2013年以降、中山2000mで最も多く勝鞍を挙げているのは、戸崎騎手の28勝。続いて田辺騎手が22勝、C.ルメール騎手が20勝でこの3人が20勝超え。以下、蛯名、内田博騎手が18勝、吉田豊騎手14勝、北村宏、柴山、石橋脩騎手の11勝と続く。やはり美浦所属のジョッキーが上位に名を連ねているのだが、特筆すべきはC.ルメール騎手で勝率38.5%、複勝率は63.5%と驚異的なアベレージを誇り、このホープフルSも4勝している。
[馬体重]タフな中山2000mという条件で、勝ち馬は比較的大きな馬が多いのだが、460キロ以下の馬もたびたび馬券になっていて、昨年は456キロのタイムフライヤーが勝ち、450キロのステイフーリッシュが3着。あまり馬格は気にしなくていい。キャリア1戦の好走馬が多いためか、前走より馬体を絞ってきた馬が6勝を挙げている。
[種牡馬]種牡馬はかなり偏っていて、キングカメハメハ、シンボリクリスエス産駒が3勝、ディープインパクト産駒が2勝。もう産駒がいなくなってしまうが、ステイゴールド産駒が出走馬9頭で2着2回、3着2回の好成績を残していた。今後の後継種牡馬を含め、これらの産駒には注意を払いたい。