毎週の注目重賞をテーマに競馬ラボ研究員がデータを精査。競馬ビギナーにも分かりやすく レースのポイントを教えます!あなたが選ぶ本命馬はこのデータをかいくぐれるか?
【中山金杯】コース実績に要注目!
2018/12/28(金)
1952年に中山芝2600mのハンデ戦として創設。1961年に距離が2000mとなり、負担重量は別定で行われた1954年から1960年を除いてハンデキャップ競走として行われている。また、1996年より東西の金杯を区別するために現在の名称に変更。中山はそのままの距離となったが、京都は1600mに短縮され、東は中距離路線、西はマイル路線の起点となっている。新年最初の重賞をデータで占ってみたい。
オープンで揉まれた馬が強い
[前走レース]レース名、施行時期の変更で分かりにくくなっているが、相性のいいレースとして浮上するのが金鯱賞、チャレンジCといった12月上旬に行われている関西の中距離重賞。東では同時期に行われているディセンバーS組の相性がいい。
ハンデ戦で条件上がりの馬も活躍していそうなイメージがあるが、前走が条件戦で馬券絡みを果たしたのは12年の勝ち馬フェデラリストと昨年3着のストレンジクォーク2頭だけ。オープンで揉まれている馬がその地力を示している。
過去10年注目データ
[年齢]勝ち馬は4歳から7歳まで幅広く出て、4歳馬と7歳馬が3勝ずつ。アベレージは4歳馬に軍配が上がるが、ベテランの健闘が目立つ。出走頭数が少ない4歳馬の勝率が頭ひとつ抜けているが、この4世代はほぼイーブンと見ていい。7歳馬の健闘が目立つ一方、8歳以上は馬券絡みがゼロ。8歳以上は大きく割り引き。
[前走着順]前走から連勝を果たした馬は4頭で、勝ち馬の7頭が前走3着以内。勝ち切るには前走からの勢いも重要といえる。一方で前走2ケタ着順の馬が2勝。2着に目を移すと、2着馬の6頭が前走5着以下だったが、多くが中山の重賞で好走実績を持っていた。
[枠順]枠番別では外枠が不利で、7枠と8枠は何と馬券絡みがゼロ。近年は非常に苦しい競馬を強いられている。過去10年、実に勝ち馬の9頭が4枠より内で、2枠は(3-4-0-11)の好成績。3枠も3勝を挙げる好成績を残している。
馬番別では2枠に入ることが多い、「3」「4」が2勝ずつ。馬券絡みがないのは「13」から外の5つ。「8」「9」も連対がゼロで苦戦している。
[脚質]直線の短い中山コースで、先行脚質の馬がやや有利。4角先頭で押し切った馬こそいないが、過去10年で4角5番手以内の馬が7勝、2着6回。昨年も1、2着馬は好位勢が占めた。一方で、12年以外は4角6番手以下の差し馬が1頭は馬券に絡んでいて、展開を読むのが重要となっている。ただし、差しは決まるのだが、4角10番手以下からの直線一気はなかなか決まらない。
過度の穴狙いは禁物!
勝ち馬は10頭全てが5番人気以内で、7頭が3番人気以内。ハンデ戦ではあるが、6番人気以下は2、3着がともに3頭ずつ。ここ5年は1番人気がいずれも馬券に絡んでいて、現在2連勝中。上位人気馬が総崩れというシーンはほとんどなく、人気どころをしっかり押さえた馬券作戦を組み立てたい。
人気順別成績 | ||||
人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1番人気 | 4-1-3-2 | 40.0% | 50.0% | 80.0% |
2番人気 | 2-2-0-6 | 20.0% | 40.0% | 40.0% |
3番人気 | 1-0-0-9 | 10.0% | 10.0% | 10.0% |
4番人気 | 2-2-1-5 | 20.0% | 40.0% | 50.0% |
5番人気 | 1-2-3-4 | 10.0% | 30.0% | 60.0% |
6~9番人気 | 0-2-0-38 | 0.0% | 5.0% | 5.0% |
10番人気~ | 0-1-3-62 | 0.0% | 1.5% | 6.1% |
タダで帰らない栗東所属ジョッキー
過去10年関東馬と関西馬は5勝のイーブン。ここ2年は関東馬がワン・ツー・スリーを決め、09年以外は必ず関東馬が1頭は馬券に絡んで地元の意地を見せている。
ジョッキーは美浦所属が5勝、2着、3着がそれぞれ6回と多く馬券に絡んでいるが、騎乗数が圧倒的に多く、アベレージは目立たない。少ない騎乗機会の中で、栗東所属のジョッキーがキッチリと仕事して帰っており、外国人ジョッキーの活躍も光る。
[キャリア]7歳馬が頑張っていることもあり、キャリアが多めの馬も馬券圏内に飛び込んでいるが、それも30戦まで。31戦を超えると大きく数字がダウンする。アベレージが高いのは16~20戦の比較的フレッシュな馬。27頭が出走しておよそ半数の13頭が馬券絡みを果たしている。
[乗り替わり]乗り替わりが多く発生しているレースだが、着度数、アベレージいずれも前走と同じコンビの方の高い。データ上、乗り替わりはマイナスと出ている。
[当該コースの騎手成績]2014年以降に行われた中山芝2000mの重賞・オープン特別で最も多くの勝鞍を挙げているジョッキーは、地元・美浦のジョッキーではなく、C.ルメール、川田騎手と栗東所属の2人で4勝。続いて戸崎、田辺、蛯名、吉田豊騎手の3勝、2勝は福永、F.ベリー、H.ボウマンの3人で、H.ボウマンは2戦2勝。武豊騎手は集計期間内で未勝利だが、12回の騎乗で、2着2回、3着が3回あって、複勝回収率は162%にのぼる。
[馬体重]パワーが必要とされる冬の中山で、その格言通りに大型馬が活躍。勝ち馬の9頭が480キロ以上で、520キロを超える馬が4勝している。出走頭数が少ないとはいえ、440キロを切る馬は馬券絡みがなく、迷ったら馬格のある馬を選びたい。
[種牡馬]過去10年、このレースで2勝している種牡馬はステイゴールド、キングカメハメハの2頭。馬券圏内に送り出した種牡馬の名前を見るとパワータイプが目立つ。逆の意味で目立つのがディープインパクト産駒の不振で、9頭が出走して、14年に1番人気3着のディサイファが最高の成績。昨年は4頭が出走していずれも掲示板圏外に消えている。