過去10年攻略データ

1952年に中山芝2600mのハンデ戦として創設。1961年に距離が2000mとなり、負担重量は別定で行われた1954年から1960年を除いてハンデキャップ競走として行われている。また、1996年より東西の金杯を区別するために現在の名称に変更。中山はそのままの距離となったが、京都は1600mに短縮され、東は中距離路線、西はマイル路線の起点となっている。新年最初の重賞をデータで占ってみたい。

オープンで揉まれた馬が強い

[前走レース]レース名、施行時期の変更で分かりにくくなっているが、相性のいいレースとして浮上するのが金鯱賞、チャレンジCといった12月上旬に行われている関西の中距離重賞。東では同時期に行われているディセンバーS組の相性がいい。
ハンデ戦で条件上がりの馬も活躍していそうなイメージがあるが、前走が条件戦で馬券絡みを果たしたのは12年の勝ち馬フェデラリストと昨年3着のストレンジクォーク2頭だけ。オープンで揉まれている馬がその地力を示している。

前走レース別成績
レース名 成績 勝率 連対率 複勝率
金鯱賞2-1-0-622.2%33.3%33.3%
ディセンバーS1-3-1-194.2%16.7%20.8%
中日新聞杯1-1-2-135.9%11.8%23.5%
福島記念1-1-1-165.3%10.5%15.8%
鳴尾記念1-0-0-420.0%20.0%20.0%
AR共和国杯1-0-0-233.3%33.3%33.3%
毎日王冠1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
東京ウェルカムP1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
JCダート1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
朝日チャレンジC0-2-2-70.0%18.2%36.4%
マイルCS0-2-0-10.0%66.7%66.7%
新潟記念0-0-2-20.0%0.0%50.0%
天皇賞(秋)0-0-1-60.0%0.0%14.3%
修学院S0-0-1-10.0%0.0%50.0%

年齢別成績 前走着順別成績
年齢 着別度数 前走着順 着別度数
4歳3-2-1-16前走1着4-2-4-14
5歳2-4-4-23前走2着1-1-1-7
6歳2-3-3-30前走3着2-0-1-9
7歳3-1-2-28前走4着1-1-1-8
8歳以上0-0-0-29前走5着0-3-0-7
前走6~9着0-2-2-35
前走10着~2-1-1-46

過去10年注目データ

[年齢]勝ち馬は4歳から7歳まで幅広く出て、4歳馬と7歳馬が3勝ずつ。アベレージは4歳馬に軍配が上がるが、ベテランの健闘が目立つ。出走頭数が少ない4歳馬の勝率が頭ひとつ抜けているが、この4世代はほぼイーブンと見ていい。7歳馬の健闘が目立つ一方、8歳以上は馬券絡みがゼロ。8歳以上は大きく割り引き。

[前走着順]前走から連勝を果たした馬は4頭で、勝ち馬の7頭が前走3着以内。勝ち切るには前走からの勢いも重要といえる。一方で前走2ケタ着順の馬が2勝。2着に目を移すと、2着馬の6頭が前走5着以下だったが、多くが中山の重賞で好走実績を持っていた。

[枠順]枠番別では外枠が不利で、7枠と8枠は何と馬券絡みがゼロ。近年は非常に苦しい競馬を強いられている。過去10年、実に勝ち馬の9頭が4枠より内で、2枠は(3-4-0-11)の好成績。3枠も3勝を挙げる好成績を残している。
馬番別では2枠に入ることが多い、「3」「4」が2勝ずつ。馬券絡みがないのは「13」から外の5つ。「8」「9」も連対がゼロで苦戦している。

[脚質]直線の短い中山コースで、先行脚質の馬がやや有利。4角先頭で押し切った馬こそいないが、過去10年で4角5番手以内の馬が7勝、2着6回。昨年も1、2着馬は好位勢が占めた。一方で、12年以外は4角6番手以下の差し馬が1頭は馬券に絡んでいて、展開を読むのが重要となっている。ただし、差しは決まるのだが、4角10番手以下からの直線一気はなかなか決まらない。

過度の穴狙いは禁物!

勝ち馬は10頭全てが5番人気以内で、7頭が3番人気以内。ハンデ戦ではあるが、6番人気以下は2、3着がともに3頭ずつ。ここ5年は1番人気がいずれも馬券に絡んでいて、現在2連勝中。上位人気馬が総崩れというシーンはほとんどなく、人気どころをしっかり押さえた馬券作戦を組み立てたい。

人気順別成績
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1番人気4-1-3-240.0%50.0%80.0%
2番人気2-2-0-620.0%40.0%40.0%
3番人気1-0-0-910.0%10.0%10.0%
4番人気2-2-1-520.0%40.0%50.0%
5番人気1-2-3-410.0%30.0%60.0%
6~9番人気0-2-0-380.0%5.0%5.0%
10番人気~0-1-3-620.0%1.5%6.1%

プラスαデータ

タダで帰らない栗東所属ジョッキー

過去10年関東馬と関西馬は5勝のイーブン。ここ2年は関東馬がワン・ツー・スリーを決め、09年以外は必ず関東馬が1頭は馬券に絡んで地元の意地を見せている。
ジョッキーは美浦所属が5勝、2着、3着がそれぞれ6回と多く馬券に絡んでいるが、騎乗数が圧倒的に多く、アベレージは目立たない。少ない騎乗機会の中で、栗東所属のジョッキーがキッチリと仕事して帰っており、外国人ジョッキーの活躍も光る。

[キャリア]7歳馬が頑張っていることもあり、キャリアが多めの馬も馬券圏内に飛び込んでいるが、それも30戦まで。31戦を超えると大きく数字がダウンする。アベレージが高いのは16~20戦の比較的フレッシュな馬。27頭が出走しておよそ半数の13頭が馬券絡みを果たしている。

[乗り替わり]乗り替わりが多く発生しているレースだが、着度数、アベレージいずれも前走と同じコンビの方の高い。データ上、乗り替わりはマイナスと出ている。

[当該コースの騎手成績]2014年以降に行われた中山芝2000mの重賞・オープン特別で最も多くの勝鞍を挙げているジョッキーは、地元・美浦のジョッキーではなく、C.ルメール、川田騎手と栗東所属の2人で4勝。続いて戸崎、田辺、蛯名、吉田豊騎手の3勝、2勝は福永、F.ベリー、H.ボウマンの3人で、H.ボウマンは2戦2勝。武豊騎手は集計期間内で未勝利だが、12回の騎乗で、2着2回、3着が3回あって、複勝回収率は162%にのぼる。

[馬体重]パワーが必要とされる冬の中山で、その格言通りに大型馬が活躍。勝ち馬の9頭が480キロ以上で、520キロを超える馬が4勝している。出走頭数が少ないとはいえ、440キロを切る馬は馬券絡みがなく、迷ったら馬格のある馬を選びたい。

[種牡馬]過去10年、このレースで2勝している種牡馬はステイゴールド、キングカメハメハの2頭。馬券圏内に送り出した種牡馬の名前を見るとパワータイプが目立つ。逆の意味で目立つのがディープインパクト産駒の不振で、9頭が出走して、14年に1番人気3着のディサイファが最高の成績。昨年は4頭が出走していずれも掲示板圏外に消えている。

データの決断

中山巧者が活躍するレースで、昨年の2着馬ウインブライトと迷ったのだが、今年は同じ舞台で行われた17年のホープフルSを勝ったタイムフライヤーの復活に期待したい。春のクラシックでは結果が出なかったが、秋の神戸新聞杯、菊花賞ではともに6着ながら復調の兆しは見えた。最強世代の当地G1ウイナー。このままでは終われない。