毎週の注目重賞をテーマに競馬ラボ研究員がデータを精査。競馬ビギナーにも分かりやすく レースのポイントを教えます!あなたが選ぶ本命馬はこのデータをかいくぐれるか?
【AJCC】コース巧者を狙い撃ち!
2019/1/14(月)
1960年にニューヨークジョッキークラブから優勝杯の贈呈を受けて創設。第1回は新年初日の1月5日に芝2000mで開催されたが、翌年より当時は1月中旬に行われていた金杯(現在の中山金杯)と入れ替わる形で1月中旬に移行。距離や施行場を何度か変遷された後、1985年より現在の条件で定着している。過去の勝ち馬には中・長距離で名を馳せた名馬も多い伝統の一戦をデータから紐解きたい。
有馬記念組が強い
[前走レース]まず目に入るのが有馬記念を使い、新年初戦にこのレースを迎える馬。過去10年、16頭がこのローテーションで参戦して4勝、2着2回、3着1回と優秀な成績を残している。金鯱賞をステップとした組や勝ち馬は出ていないが、ディセンバーS組も(0.2.2.5)と多くの馬券絡みが出ていて、注目のローテーションといえるだろう。
過去10年注目データ
[年齢]昨年は4歳馬のダンビュライトが制したが、過去10年で4歳馬の勝利はその1勝のみ。年齢別では5歳馬4勝、6歳馬3勝、7歳馬2勝とベテランの活躍が目立ち、8歳馬は勝ちこそないが2着4回、3着2回と連対率、複勝率で高いアベレージを残している。中でも中山コースに好走実績を持っている馬は要注意だ。
[前走着順]過去10年で前走から連勝を果たした馬は昨年のダンビュライト1頭。有馬記念からの巻き返し組のほか、金鯱賞や中山金杯、ローカル重賞を使って調子を上げてきた馬が多く好走している。有馬記念組は2ケタ着順からの巻き返しも多く、グランプリを経験した馬はその着順に関係なく注意を払いたい。
[枠順]枠番別では6枠が4勝、3枠が3勝とやや極端。5枠も2着が3回、3着が2回あって、中枠が優勢。1枠、7枠、8枠は勝ち馬がおらず、この3つと2枠の連対率が落ちる。
馬番別で見ると馬券絡みがない馬番は「15」から「17」の3つ。「3」の4勝はひと際目立つ数字だが、人気サイドの馬が多く入っていた。
[脚質]先行馬が強いレースで、4角先頭から押し切った馬は15年のクリールカイザーのみだが、2着に2頭が残り、3着にも1頭。4角5番手以内の馬がクリールカイザーを含めて8勝していて、2~3着も多く、器用さが試される舞台。4角10番手以下の馬は1頭も馬券になっておらず、追い込み一辺倒の馬は割引。
ヒモ穴に要注意
1番人気は(2.2.0.6)と半数が馬券圏外で信頼度は高くないのだが、勝ち馬は9頭までが5番人気以内。過去10年では17年の7番人気タンタアレグリアが最も人気薄での勝利となっている。単系の馬券はある程度人気になっている馬から攻めたいが、ヒモはやや荒れ加減。ただし、2ケタ人気で馬券に絡んだのは14年2着のサクラアルディート1頭のみ。極端な人気薄を狙うのは危険だ。ちなみに5番人気までの馬で上位3着を占めたのは2回。
人気順別成績 | ||||
人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1番人気 | 2-2-0-6 | 20.0% | 40.0% | 40.0% |
2番人気 | 3-2-2-3 | 30.0% | 50.0% | 70.0% |
3番人気 | 1-1-3-5 | 10.0% | 20.0% | 50.0% |
4番人気 | 2-0-1-7 | 20.0% | 20.0% | 30.0% |
5番人気 | 1-1-0-8 | 10.0% | 20.0% | 20.0% |
6~9番人気 | 1-3-4-32 | 2.5% | 10.0% | 20.0% |
10番人気~ | 0-1-0-46 | 0.0% | 2.1% | 2.1% |
人馬ともに地元が意地
東西の分布を見ると、厩舎、ジョッキーともに美浦所属が6勝。関東馬は勝率こそ少し関西馬に及ばないが、連対率、複勝率はリードしていて出走回数を多さからも、このレースに関しては意地を見せている。騎手の方も美浦所属のジョッキーが意地を見せているが、栗東所属のジョッキーも22回の騎乗機会で3勝はなかなかの数字。ここへ乗り込んでくる西のジョッキーは勝負気配が強いといえる。
[キャリア]ベテランが活躍している事もあって、キャリア30戦以上の馬も度々馬券に絡んでいるが、アベレージが高いのは15戦以下の馬。キャリア豊富な馬でもアベレージの下がり方は比較的緩やかで、能力があれば高齢やキャリア過多はほとんど気にしなくてもいい。
[乗り替わり]過去10年、乗り替わりのコンビが7勝。2着はイーブンで、3着は前走と同じコンビが7回。テン乗りの日本人ジョッキーはややマイナスといえるが、過度に気にする必要はないだろう。
[当該コースの騎手成績]2014年以降に行われた中山芝2200mで最も多くの勝鞍を挙げているジョッキーは田辺騎手の8勝。以下、戸崎、内田博騎手の6勝、石橋脩の5勝、北村宏、蛯名騎手の4勝と続く。栗東所属のジョッキーではC.ルメール騎手が3勝、武豊、福永騎手が3勝。C.ルメール騎手は人気馬が多いとはいえ、複勝率56.3%のハイアベレージ。福永騎手は3回の騎乗で2勝、2着1回と連対率100%を誇る。
[馬体重]パワーが必要とされる冬の中山。やはり馬格に恵まれた馬が活躍していて、勝ち馬の8頭が480キロ以上。勝ち馬の最少馬体重は昨年のダンビュライトの474キロだが、480キロを切る馬は大きくアベレージが下がる。
[種牡馬]過去10年、ディープインパクト、マーベラスサンデー、ジャングルポケット産駒がそれぞれ2勝。ディープインパクト産駒でも切れるというより、長くいい脚を使えるタイプが好走している。意外なのは昨年こそ8番人気のマイネルミラノが3着と健闘したが、この時期の中山芝を得意としているステイゴールド産駒が(0-1-2-13)と出走頭数の割に苦戦していること。2ケタ人気も多いことはあるが、2015年は1番人気のゴールドシップが7着と人気を裏切った。