毎週の注目重賞をテーマに競馬ラボ研究員がデータを精査。競馬ビギナーにも分かりやすく レースのポイントを教えます!あなたが選ぶ本命馬はこのデータをかいくぐれるか?
【根岸S】データは文句なしの穴馬発見!
2019/1/20(日)
1987年に創設されたダートの重賞で、「根岸」はエンペラーズカップ(現在の天皇賞)や横浜農林省賞典四歳呼馬(現・皐月賞)が行われた日本初の近代競馬場である「根岸競馬場」に由来する。創設当初は11月に行われていたが、2001年に年明けの東京開催に移り、フェブラリーSの前哨戦として重要な一戦となっている。東京開催の開幕を告げる名物重賞をデータで検証したい。
久々は全く関係なし!
[前走レース]抜群の好相性なのが、武蔵野Sからひと息入れた馬。過去10年でのべ8頭が出走して3勝。対象馬は人気に関係なく1頭も掲示板を外していない。それに続くのが暮れのJRAG1・チャンピオンズSからここへ挑む組。こちらも9頭で(2.1.2.4)のハイアベレージを誇る。一方で中山1200mからの転戦となるカペラS、ジャニュアリーS組は出走頭数が多いこともあるが、アベレージは低い。
過去10年注目データ
[年齢]勝ち馬が出ているのは4歳から7歳の4世代で、過去10年では5歳馬が4勝、6歳馬3勝、4歳馬2勝、7歳馬1勝。5歳馬は2着も4回あって、高い連対率を誇る。アベレージで見ると4歳馬も5歳馬とほぼ互角。もう一つ見逃せないのが8歳の伏兵馬。3着4回は年齢別で最も多く。馬券に絡んだ5頭のうち3頭が2ケタ人気で波乱を呼び起こしている。
[前走着順]前走から勢いは重要で、連勝を果たした馬こそ3頭だが、勝ち馬は昨年チャンピオンズS9着から巻き返したノンコノユメを除く9頭が前走5着以内。過去10年で2着に入った馬の7頭が前走で勝ってこのレースに臨んだ馬だった。前走で掲示板を外している馬は割引で、馬券に絡んだ6頭はいずれも重賞勝ち、もしくはOP特別3勝以上の実績を持っていた。
[枠順]勝ち馬は幅広い枠から出ていて、勝ち馬が出ていないのは7枠のみだが、2着馬1頭、3着馬は5頭出ていて、複勝率は3枠と並んでトップタイ。
馬番別では「6」が2勝。過去10年で馬券絡みがない馬番は「10」「12」「16」の3つで、「10」「12」の両サイドにあたる「9」「11」「13」の複勝率が30%オーバー。枠番、馬番による有利、不利はほとんどない。
[脚質]直線の長い東京コースというのもあって、差し馬が強く、過去10年で6頭が4角10番手以下の後方から差し切り勝ちを収めている。4角先頭で馬券圏内に残った馬は1頭もおらず、近年は人気薄が多いが、10年には2番人気ケイアイテンジン、11年は1番人気ケイアイガーベラが人気を背負って沈んでいる。好位からレースを進めた馬も悪くはないが、まずは直線で長くいい脚が使える馬を狙っていきたい。
ヒモの伏兵に要注意
1番人気は(3.3.0.4)と信頼度はマズマズ。4番人気の馬が1番人気と並ぶ3勝を気を吐いている。勝ち馬は8頭が5番人気以内で、6番人気以下で勝った2頭も重賞実績を持った実力馬。過度の人気薄から入るのは得策とはいえない。一方で2~3着は人気薄が度々波乱を起こしており、2ケタ人気の馬も5頭が馬券に絡んでいる。
人気順別成績 | ||||
人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1番人気 | 3-3-0-4 | 30.0% | 60.0% | 60.0% |
2番人気 | 1-1-1-7 | 10.0% | 20.0% | 30.0% |
3番人気 | 0-2-0-8 | 0.0% | 20.0% | 20.0% |
4番人気 | 3-0-2-5 | 30.0% | 30.0% | 50.0% |
5番人気 | 1-1-2-6 | 10.0% | 20.0% | 40.0% |
6~9番人気 | 1-3-1-35 | 2.5% | 10.0% | 12.5% |
10番人気~ | 1-0-4-62 | 1.5% | 1.5% | 7.5% |
『西高東低』の傾向がハッキリ
関東で行われる重賞だが、東西の比較ではこの時期の気圧配置のように『西高東低』の傾向がハッキリ出ていて、過去10年で馬券に絡んだ関東馬は昨年1着のノンコノユメと10年3着のオーロマイスターのわずか2頭。出走頭数も関西馬116頭に対して関東馬32頭と関西馬が圧倒している。
ジョッキーの方は美浦所属のジョッキーが3勝、2着7回、3着5回と意地を見せているが、アベレージでは栗東所属が圧倒。西からの刺客はキッチリと結果を残している。
[キャリア]高齢馬の活躍が多いダート路線ということもあり、キャリア20戦を超える馬もバリバリ活躍しているのだが、キャリア10戦以下のフレッシュな馬も8頭が出走して(2.1.1.4)と好成績を残している。フェブラリーSを睨んだ戦いで、賞金面で不利な4歳馬、そこへ向けて少ないキャリアで出走してくるということは高い素質の表れともいえる。
[乗り替わり]乗り替わりに関しては前走と同じコンビが連対率、複勝率でわずかに上回る程度。騎乗機会も含めて数字はほぼ互角。乗り替わりは全く気にしなくていいだろう。
[当該コースの騎手成績]2014年以降に行われた東京ダート1400mで最も多い勝鞍を挙げているのは戸崎騎手の44勝。2位は内田博騎手の39勝で単勝回収率が121%と優秀。そこから少し離れてC.ルメール騎手が31勝、田辺騎手が27勝、北村宏騎手が25勝で、ここまでが20勝オーバー。関西の騎手ではC.ルメール騎手のほか、福永、岩田騎手が10勝。M.デムーロ騎手は5勝、2着9回と取りこぼしが多い。また、この根岸Sに限れば、岩田騎手は5回騎乗して(1.0.3.1)で全てのレースで掲示板を確保。全ては4番人気以下で相性がいいといえるだろう。
[馬体重]勝ち馬の最高馬体重は16年モーニンの526キロ。最低馬体重は昨年のノンコノユメで456キロ。一般的にダートで出世する馬は馬格のある馬が多いが、このレースもそうした結果が出ていて、過去10年に複勝圏に入った30頭の平均馬体重は508.1キロとなっている。
[種牡馬]過去10年で複数の勝ち馬を出している種牡馬はプリサイスエンドただ1頭。出走した産駒は10年グロリアスノア、17年と18年カフジテイクの2頭で、それがともに勝利してカフジテイクは昨年も3着と相性は抜群といっていい。出走頭数を含めて安定勢力といえるのがゴールドアリュールで(1.1.2.4)と半数が馬券絡み。圏外に敗れた4頭はいずれも2ケタ人気で、分かりやすい傾向が出ている。その他ではネオユニヴァース、タピットが複数の馬で複数の馬券絡みを果たしている。