過去10年攻略データ

1966年に「サンケイスポーツ賞4歳牝馬特別」として創設。桜花賞トライアルが「報知杯4歳牝馬特別(現・フィリーズレビュー)」で、馬齢表示が国際基準へ変更され、2001年に現在の名称となるまでは春に2つの「4歳牝馬特別」が存在していた。創設時は芝1800mで行われ、5着以内にオークスの優先出走権が与えられていたが、91年に3着以内、18年からは2着以内に変更された。距離は1987年から現在の2000mへと変更されている。近年は本番・オークスとの繋がりもより強くなっているトライアルをデータで紐解きたい。

前走未勝利勝ちも侮れない!

[前走レース]過去10年で2勝を挙げているレースが3つあるのだが、軽視できないのが前走で未勝利を勝ったばかりながら、このトライアルに挑んできた馬で、過去10年で2勝をマーク。馬券に絡んだ4頭はいずれも1800m以上の距離で未勝利を勝っていた。また、勝った2頭は牝馬限定戦を勝ち上がってきている。
関西馬の活躍も多いレースだが、君子蘭賞を経てここへ臨む馬も要チェック。15年は3頭が出走して1、3、4着と全馬が掲示板を確保した。

前走レース別成績
レース名 成績 勝率 連対率 複勝率
フラワーC2-2-2-188.3%16.7%25.0%
君子蘭賞2-2-1-1013.3%26.7%33.3%
未勝利・牝2-0-0-1511.8%11.8%11.8%
500万下1-0-1-127.1%7.1%14.3%
アネモネS1-0-0-516.7%16.7%16.7%
福寿草特別1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
ゆきやなぎ賞1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
ミモザ賞0-2-0-200.0%9.1%9.1%
500万下・牝0-1-1-10.0%33.3%66.7%
未勝利0-1-1-70.0%11.1%22.2%
毎日杯0-1-0-00.0%100.0%100.0%
白菊賞0-1-0-00.0%100.0%100.0%
クイーンC0-0-2-70.0%0.0%22.2%
フリージア賞0-0-1-10.0%0.0%50.0%
梅花賞0-0-1-00.0%0.0%100.0%

前走着順別成績
前走着順 着別度数
前走1着7-4-2-40
前走2着1-3-2-15
前走3着1-1-2-11
前走4着1-0-0-16
前走5着0-0-1-12
前走6~9着0-2-3-30
前走10着~0-0-0-19

過去10年注目データ

[前走着順]勝ち馬はいずれも前走4着以内で、勝ってここに挑んだ馬は7勝。前走3着以内の馬はアベレージも総じて高い。前走で掲示板を外し、ここで馬券圏内に食い込んだ馬は5頭いるが、いずれも1800m以上の距離で勝鞍、もしくはオープンでの入着歴があった。なお、前走2ケタ着順から巻き返した馬は過去10年では1頭もいない。

[枠順]外枠が不利といわれる東京の芝2000mだが、過去10年では8枠が3勝。1枠、3枠も2勝を挙げていて、特に3枠は(2.3.4.10)のハイアベレージ。7枠は連対こそないが3着馬が3頭出ている。
馬番別で馬券絡みがないのは「3」「9」「13」の3つ。3枠に該当する「5」「6」の連対率、複勝率が高い。

[脚質]連続開催を除く東京開催の開幕週は、長い直線を意識しすぎた差し馬が逃げ、先行馬の粘り込みを許すケースが多々見られるが、このレースも先行馬の粘り込みが多く、過去10年で4角2~5番手の好位でレースを進めた馬は4勝。2着7回、3着6回と先行馬が上位を賑わせている。とはいえ、そこは長い直線と坂がある東京コース。4角10番手以下の後方から直線一気を決めた馬も3頭。ハイペースが予想される展開では差し馬の台頭にも注意を払いたい。

ヒモ穴に要注意!

1番人気は(4.1.0.5)とマズマズの信頼度。2番人気も(2.3.2.3)と数多く馬券に絡んでいて、複勝率は1番人気を上回る。一方で、昨年は未勝利戦を勝ち上がってきたばかりの13番人気パイオニアバイオが2着に入るなど、過去10年、6番人気以下の伏兵がそれぞれ4頭ずつ2~3着に好走して、配当面ではやや荒れ模様のレースとなっている。距離適性が合うとみた馬や中距離のオープンで入着歴がありながら人気を落としている馬は積極的に狙っていきたい。

人気順別成績
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1番人気4-1-0-540.0%50.0%50.0%
2番人気2-3-2-320.0%50.0%70.0%
3番人気1-1-2-610.0%20.0%40.0%
4番人気1-1-1-710.0%20.0%30.0%
5番人気0-0-1-90.0%0.0%10.0%
6~9番人気1-1-1-372.5%5.0%7.5%
10番人気~1-3-3-761.2%4.8%8.4%

プラスαデータ

西のジョッキーが狙い目!

過去10年、関東馬と関西馬は5勝ずつのイーブン。2着の数も5つと同じで、3着の数は地元の関東馬が上回り、関東馬が意地を見せている。ただし、出走機会が関東馬の方が多く、アベレージで見ると東西ほぼ互角。ジョッキーは地元の美浦所属が6勝、2着7回、3着8回とリード。ただし、こちらは美浦所属のジョッキーが圧倒的に騎乗機会が多く、アベレージは栗東所属のジョッキーが大きくリード。ここに騎乗してくる西のジョッキーは勝負気配が強いと見ていい。

[キャリア]好走馬のキャリアは幅広く、キャリア3戦が4勝、4戦と7戦が2勝ずつ。09年はキャリア9戦のディアジーナが勝利。その前年には同じキャリア9戦のカレイジャスミンが2着に入るなど、恵まれた素質を生かして少ないキャリアでオークスの優先出走権を手にした馬が多い一方、豊富なキャリアを持った馬も好走している。
未勝利を勝ったばかりで好走する馬もいるが、キャリア2戦以下で好走したのは14年にキャリア2戦で勝ったサングレアル1頭のみ。少なすぎるのはマイナス。

[乗り替わり]勝ち馬は前走と同じコンビだった馬が7勝とリード。しかし、2~3着は乗り替わりのコンビがそれぞれ7回ずつと多く出ている。乗り替わったコンビは過去10年全ての年で馬券絡みを果たし、複勝率はほぼ互角。複勝回収率は140%に達するが、さほど気にするファクターではない。

[当該コースの騎手成績]2014年以降、東京芝2000mで最も多く勝っているのはC.ルメール騎手の29勝。昨年1年間だけで10勝を上積みし、昨年1月からの成績に絞ると(12.4.3.5)と驚異的なアベレージで、1度も掲示板を外していない。2位は少し離れて戸崎騎手の23勝。それ以下は大きく離れて、田辺騎手14勝、内田博騎手12勝、M.デムーロ、北村宏、福永、R.ムーア騎手が10勝で並ぶ。
この時期は騎乗機会が少ないが、短期免許の外国人ジョッキーが活躍していて、これは頭に入れておきたいデータだ。

[馬体重]勝ち馬の最高体重は09年ディアジーナの484キロ。最低体重は11年バウンシーチューンの412キロで、14年には414キロのサングレアルが勝つなど、比較的小柄な馬の活躍が目立つ。この時期の牝馬で該当数はあまり多くないが、480キロを超える比較的大きな馬は成績がやや落ちる。

[種牡馬]過去10年で2勝を挙げているのはディープインパクトとゼンノロブロイ。2400mで行われるオークスのトライアルということで、桜花賞戦線からは種牡馬の趣もかなり変わっていて、ステイゴールド、ハービンジャー、シンボリクリスエスといったスタミナタイプの種牡馬が好走馬を送り込んでいる。ディープインパクト産駒は2勝を挙げ、5頭が複勝圏に絡んでいるが、出走頭数も多く、アベレージはさほど高くはない。

データの決断

オークスへ2枚の切符をかけたトライアル。狙ってみたいのは、このレースと相性のいい君子蘭賞を勝っての参戦となる関西馬のフェアリーポルカ。3戦のキャリア、脚質なども過去の好走馬とマッチしていいて、既に2勝を挙げ抽選対象にもならず、データからは死角らしい死角は見当たらない。