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坂路王

機械による正確な計測によって、極めてフェアな能力、状態比較ができる坂路調教。追い切り時の馬場状態と、各馬のデータを精査し、馬券になる調教馬を導き出します。

【栗東トレセン直送】全休明けも1003頭の馬で賑わった栗東坂路

業界最速トレセン直送ナマ情報

FMラジオで『今日も厳しい暑さになりそうです』なんてフレーズが流れている。真夏でもあるまいにこの発言である。京都で30度が連日記録されている紅葉の秋の季節なんである。先週半ばには、秋も深まったのかとストーブの暖で感じ入っていたのにだ。
自然もフェイントでやってくる。それも含めての自然界なんである。これを受け止めて前へと進まなければいけない。あまり大げさに考えても仕方あるまい。
今週から始まるG1シリーズ。そんな暑い栗東からお届けします。


今朝は薄手のジャンパーもなしでいい。ちょうどいい涼しさの、20度前後の外気温である。坂路への坂を徒歩で昇ってきて、ちょうどいい運動である。全休明けの水曜で、はたしてどれだけの馬が追い切るのか。月曜の調教でビシっとやって、直前はあまりやらない厩舎もあるだろう。そこらを見極めていかねばならない。とにかくも現場に行かねば話にならない。

監視小屋から見渡すコース越しの旧スタンドと新スタンドも、まだ薄暗さのなかでハッキリとは見えない。坂路の角馬場にも馬もパラパラの時間である。今朝は少し早く来てしまった。馬道をチップを踏む静かな足音を残して、馬が整列しておりて行く。時折、聞こえるのは、鞍上どうしの会話と廻りの草むらからの虫の音色だけである。静かな朝を迎えている。

いつのまにか、角馬場にも馬がたっぷりと集まっている。小屋にもカメラマン、そして続々と調教師も到着しはじめる。矢作師が報道陣を連れて入ってきて、いっぺんに静けさが終わる。《先週はおめでとうございます》と、リアルスティール快勝を祝う声があちこちで湧く。和やかに会話が進んでいく。

音無師、角居師、須貝師と揃い、森田師、そして友道師と、ほとんどの顔が揃った監視小屋となった。角馬場にG1出走ゼッケンの馬がいる。リスグラシューであり、坂井瑠騎手が乗っている。と言うことは、今朝に追うのだろう。
12番がいる、ファンディーナだ。これに白めのジャンパーを着たジョッキーが跨る。岩田騎手の様だ。追い切りの予定だろう。見逃したくない。
先にコースの方から馬が出てきた。双眼鏡で眺めるが、あまりやる雰囲気でない。どうやら今朝は静かな入りの様である。

リスグラシューは、無理なく馬なりで52.3-38.3-24.7-11.9の好時計をマーク


やがて坂路が開いて、こちらへ向かって昇ってくる。いつもどおりに西村厩舎が続々と画面をいっぱいにする。
矢作師がモニター画面に向かう。リスグラシューが入ってきたのだろう。その視線を追うように、いくつもの眼が向けられる。《どれくらいやるんですか?》の誰かの質問に、『上がりだけをサーッとやります』ときっぱり答える矢作師。ゴール板を過ぎて行くリスグラシューを見届けてから、『何をやっているんだ!』とちょっと怒り声でつぶやく。52.3-38.3-24.7-11.9のタイムだが、無理をした動きではない。55秒ぐらいを予定していたのに、入りから速いのだと言う。そう言いながらも満足気であった。
上りは元々これぐらいやる予定なのだが前半の入りが速い、と愛弟子の指示どおりに乗れなかったことには厳しく言わなければといいながらも、予定より速くなったリスグラシューの体調の良さには満足なのだと、勝手に解釈する。

リスグラシュー

抜群の手応えで坂路を登坂するリスグラシュー

このリスグラシューを最初から見ていた間に、イイデメモリーが50.8-37.2-24.4-12.0の好タイムで駆け抜けていた様である。高野厩舎の1本目の馬が上がって来た中に、ファンディーナがいない。コースに向かったのかと馬場の方を双眼鏡で見渡すと、奥の角馬場から出てトンネルへと向かった12番を確認した。そして脇の小屋のところに高野師が立っているのも見えた。

やがてCWに出てきてゆっくりとキャンターに入るファンディーナ。ストップウォッチで追うが、なかなかピッチは上がらない。直線に入って、最後の1ハロンだけをサーッとやった様であった。85.9-69.3-53.8-39.3-11.9で強めと、某競馬専門紙の時計欄にあった。上がりだけ伸ばす追い切りを、この馬も選択した様である。

キタサンブラックが坂路をゆったりと駆けあがってきたり、馬場内の角馬場にディアドラがいたり、坂路の角馬場にダンビュライトが周回している。サトノアーサーが1本乗って引き上げきてクールダウンしている。どうやら明日の朝にかなりの数が追うのだろうと思える。
1時間近く粘ったが、これと言った動きがなくスタンドへと移動する。坂路上の角馬場に須貝厩舎の馬が集っている。ハローがけ後に追い切りをかけるのだろう。

スタンドでまずは1階をのぞく。今朝はやはり両外国人騎手の姿はない。武豊騎手も福永騎手の姿もない。今朝はオフなんであろう。
大勢の報道陣に囲まれてベンチで取材を受けているのが、栗東常駐の横山典騎手である。けっこう長々と会話が続いていた。
右手の方には幸騎手の姿がある。和田騎手と共に競馬も稽古も毎日のタイプである。この競馬にかける熱意には頭が下がる。

横山典騎手は、今週の秋華賞ではアエロリットで、次週の菊花賞のミッキースワローと菊沢厩舎とのコンビで臨む。関西の報道陣にしては恰好の取材対象であろう。何とかいい話が聞けないかと、集中攻勢の時間なのであろう。延々と続くその光景を遠くから眺めていたが、時間が来たので2階へと戻った。

調教師室の坂路モニターにラニが通過した。おそらくこの後にEコースに出てきて、次週のブラジルカップへ向けての追い切りをするはずである。
ほどなくゲート横をゆっくり歩いてきたラニ、静から動へと入ったのが7F過ぎ。いきなり13.8の入りで、その後も同じペースで行く。4コーナーもそんなに大外は通らないで、真ん中より内目を通って直線もしっかりと追ってきた。ワッセワッセと言った感じの動き。88.5-74.6-61.2-48.0-35.4-11.0で計測だ。


8時40分、初めて栗東でブレスジャーニーを見た。ゆっくりとキャンターで眼の前を過ぎて行く。体は少し細いラインの馬だ。追い切りを見てみたいと思う。
レーヌミノルが出てきたが、今朝は追い切らなかった。聞くところによると、今週の重賞出走馬には昨日の火曜にも馬場は開いたらしい。だから追おうと思えば無理なくやれるのだがそこは各厩舎、調教師の判断である。

今朝の栗東は、やっぱり休み明けの雰囲気がいっぱいだ。良かったのはスタンド裏の作業用の囲いがほとんどど取られて、広場の大部分が見られるようになったことであろうか。新スタンドへの移動も、そう遠くない頃合いにあるのだろう。
気持ち良く涼しい風の吹く栗東の朝、嵐の前の静けさ、そんな感じの朝でありました...。


※解説
坂路へ入った馬数は1003頭と、先週の水曜とそうは変わらない数である。だがやはり全休明けの馬がほとんどだけに、追い切る馬はかなり少なかった様である。それでもアドマイヤリードの50.6やイイデメモリーの50.8と、ビシっとした時計を出す厩舎もあった。

アドマイヤリード

馬なりで自己ベストをマークしたアドマイヤリード"

上がり11秒台の馬が2頭と、切れのある時計を出せるコンディションとも言えよう。今、坂路の状態は、かなり良好と言えるでしょう...。


以上、サカミチ君でした…。


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