競馬番組の大改革となった2025年。その象徴とも言えるのが今週の東西重賞でしょう。

日曜東京では昨年まで阪神芝2000mで行われていた「牝馬限定の荒れるハンデ重賞」、マーメイドSが府中牝馬ステークス(G3、東京芝1800m)として、装いも新たに施行されます。

牝馬限定のハンデG3という条件は同じでも、阪神芝2000mと東京芝1800mは全くの別物。右回り、左回りの違いや直線の長さに留まらず、好走するのに求められる適性は真逆と表現しても過言ではありません。

安田記念ガイアフォース、宝塚記念ジャスティンパレスと2週続けてG1で穴馬を仕留めた三ツ星研究員が注目するのは、まさに東京芝1800mだから狙える爆弾馬。G1連勝の勢いそのまま、今週も「美味い穴馬」をお届けしますのでご期待ください!

本命じゃない。でも、美味い。

府中牝馬S・推奨穴馬


グランスラムアスク

📝 推奨理由

20(金)更新の攻略レポートでも詳しく紹介したとおり、24年まで同時期に行われたエプソムC(G3、東京芝1800m)の直近5年1~3着馬15頭のうち、10頭が東京と同じ左回り競馬場(中京、新潟)に出走。そのうち半数の5頭が同舞台の「東京芝1800m」に使っていた。

今年のメンバーのうち、前走で東京芝1800mに出走していたのは有力視されているカナテープと、グランスラムアスクの2頭だけ。23年5月の3勝クラス1着を最後に芝ダートや距離の長短を問わず様々な条件に使い、現在オープンで17連敗中の6歳牝馬だ。

しかも今回は先週同舞台のジューンS8着から連闘での参戦。その前走にしても牡馬相手とはいえ、単勝281.1倍の最低人気というオマケ付き。直近の臨戦過程や成績的に狙える要素は、率直に申し上げてほぼ皆無と言わざるを得ない。

しかし、攻略レポートでも取り上げたとおり、今回は前走から4キロ減となるハンデ51キロで出走。昨年のエプソムCでは55キロを背負いメンバー最速となる33秒7の末脚で3着と0秒1差8着に迫っており、裸同然の斤量を追い風に激走があっても驚けない……と評価。

これだけだと狙える根拠として薄いのは百も承知で、個人的に注目したのは前走で騎乗した御年50歳のベテラン吉田豊騎手が、普段は乗っていない「51キロ」で騎乗することに尽きる。

吉田豊騎手は2020年以降、斤量51キロの馬で13戦して[0-0-3-10]複勝率23.1%。そのうち10頭が単勝2ケタ人気の爆穴馬で20年シャングリラ賞3着プリミエラムール(14人気)、21年鋸山特別3着ミヤビマドンナ(13人気)など複勝回収値350%をマークしているのをご存知だろうか?

24年G3ラジオNIKKEI賞では12頭立て12番人気メイショウヨゾラで、3着とクビ差4着とアワヤの場面。年齢的に体重を落としづらいベテラン騎手が51キロに減量してまで騎乗するのには、それだけの苦労を辞さない理由がある。

今回のグランスラムアスクにしてもパンサラッサのサウジC制覇などで恩義がある矢作厩舎の管理馬とはいえ、この成績であれば体重を理由に断ることもできたはず。それをしなかったのは牝馬限定戦に替わりハンデ51キロなら、前走の感触から足りる算段があってのことではないか。

マーメイドS時代は毎年のように人気薄が激走するなど、荒れるのが当たり前の牝馬限定ハンデ重賞。馬券に絡めば特大万馬券は確実の超人気薄だけに、複勝ベタ買いでも儲かる“吉田豊騎手の51キロ”に夢を託してみてはいかがだろう。

📌 総評

阪神芝2000mで行われていたマーメイドSの条件を引き継ぎつつ、東京芝1800mに舞台が替わり別物として生まれ変わった府中牝馬S。波乱含みの様相を呈しており、距離実績や軽ハンデの格下馬に注目して下さい。