基本的にこのコラムでは重賞を取り上げる機会は少ない。というのも、重賞ともなればノーザンFを主体とする社台グループの馬を外して考えることができないからだ。

ただ、明日行なわれるフェアリーSは微妙な位置付けだろう。本当に強いと思われている牝馬なら前年の阪神JFに出走しているだろうし、賞金を稼いでいる馬たちは東京開催のクイーンSへと向かうはず。

つまり、社台グループの出走馬といえども、このレースに出走しているのは微妙な立ち位置にいるというのは間違いないはずだ。

1/12(土) 中山11R フェアリーS(芝1600m)
危険な
人気馬
⑪アクアミラビリス
狙いたい
穴馬
⑨プリミエラムール

ヴィクトワールピサ産駒の重賞馬と問われてパッと頭に浮かぶ馬は何頭いるだろう。桜花賞を勝ったジュエラーで恐らく止まるはず。後はファルコンSを勝利したコウソクストレート、地方交流重賞を勝ったミッシングリンクの3頭しかいない。

そもそも、ヴィクトワールピサ産駒は重賞ではあっても2着まで。⑪アクアミラビリスが初戦を勝っただけで人気になるのなら疑ってみたいのだ。

社台RHの母体である社台Fもここ数年、特に昨年はノーザンFに押されっぱなし。説明するまでもなく、馬産の世界は年単位の活動がモノをいう。年が明けたからといって、急激に巻き返すのは不可能といえるだろう。

M.デムーロ騎手を擁して来たし期待馬なのは分かる。ただ、一発で重賞を積もるほどの器かどうは吟味しなければならない。確かにアクアミラビリスは半姉のクイーンズリングもデビューから3連勝し重賞を勝った馬だ。ただ、クイーンズリングは幼駒の頃に怪我をしてレックスプロに回っていた馬。その後はマンハッタンカフェが付けられることもなく、ヴィクトワールピサが3回続けて種付けされている。

奥歯にモノが挟まった言い方になってしまうが、社台Fはこのように種牡馬選択に対してえらく独善的なところがある。ノーザンFは良くも悪くも流行に敏感。明け3歳世代はキタサンブラックらが走るとブラックタイド産駒の頭数を増やした。その中でアガラスのような馬もいる。しかし、社台Fは流行を追わずに固執する傾向があるのだ。必ずしも流行に乗ることがいいとは思えないが、ヴィクトワールピサ産駒が重賞で思うように結果を出していないのであれば蹴飛ばす手もあると思っている。

狙ってみたいのは⑨プリミエラムール。いわゆる穴血統というものがある。母ユメノオーラは自身が人気薄で激走した実績がある。06年のエルフィンSでは単勝200倍を超える嫌われ振りでも2着に入った。同馬はまだ母のような超人気薄での激走はないが、新馬戦は8番人気で3着したように、穴馬としての片鱗は備えているはず。

社台グループの一口馬でもないし生産馬でもない。恐らくここも人気になることはないだろう。ダンカーク産駒は芝で挙げた7勝のうち3勝が中山。産駒は芝でもダートでも走れる馬が多いし、冬場の重賞みたいなシーンは似合っている。フェアリーSは波乱になる可能性も高い重賞なら一発狙ってみる手はあることだろう。