「血統分析」に心血を注ぐこと数十年。東大卒の頭脳と豊富な経験によって完成した独自の理論から導いた自信の『本命馬』と、一発逆転の可能性を秘めた『お宝馬』を披露する。
直近の血統激走馬
- 4月21日 東京11R フローラS(G2)
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本命馬◎アドマイヤベル(2人気) 1着
土曜も日曜もヒット連発!
- 4月20日 福島11R 福島牝馬S(G3)
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本命馬◎コスタボニータ(1人気) 1着
勝ち切る1頭をガッチリ評価!
【ホープフルS】馬力が重要な晴れ舞台
2017/12/26(火)
★土曜阪神11R 阪神カップ(G2)◎本命馬 イスラボニータ 2番人気 1着 終始好位後ろのインコースを進む。直線では前が塞がりかけたが難なく捌き、持ち前の器用さで伸びてきて、前のダンスディレクターをハナ差ねじ伏せた。見事にラストランを飾る。
$お宝馬 ダンスディレクター 7番人気 2着 1400mだと前で競馬ができる。さすがの武豊の手綱。力を出し切ったが、これで3年連続の惜敗。勝ち切るにはイマイチパワーが不足か。
★日曜中山11R 有馬記念(G1)◎本命馬 レインボーライン 9番人気 8着 もちろん無理筋を踏まえての本命で、一発の穴を狙った形。この馬なりに直線は伸びてはきたが、前半は位置を取りにいくのに少しもたもたしていた。秋3戦の疲れが大きかったように思う。奇襲をかけられるような出来でもなかった。
$お宝馬 シャケトラ 7番人気 6着 キタサンブラックがスローで逃げる2番手、絶好の位置で競馬ができたが、そこから勝負に出なかったのか出られなかったのか、動けずにむしろ後ろの馬に蓋をするような展開を作ってしまい、結果的にはキタサンをアシストするような競馬になってしまった。あとは太目残りも痛かった。
【今週のポイント】
第34回となってはいるが、これは第4回ホープフルSでなくてはいけない。4年目にしてG1に昇格。そしてマイル路線と峻別される傾向がより明確になったといえる。
過去3回しかサンプルがないわけで、いろいろなデータはすべて暫定的であることを踏まえる必要はあるが、基本的に中山の2000mは2歳馬にとっては厳しいものであり、パワーが重要となるコース。
ただそのパワーがどういう指向性になるかは微妙だ。先を考えて無理をせずに直線だけの競馬になれば瞬発力が必要だし、賞金が高くなったことで勝ちに行く馬が増え厳しい競馬になれば、持続力に傾くはず。ということで予想する上では、まずは展開読みが問われそうだ。
血統的には器用さと、急坂コースへの適性が大事。その辺もろもろを踏まえて、本日火曜公開予定の有力馬診断をご参考に、本年JRAのラストデーを飾っていただければ幸いだ。
【次回の狙い馬】
日曜・中山7R 14着 今回は3ヶ月ぶりでプラス10キロ。レースは終始勝ったシャインヴィットゥ、イザにつつかれながらのハイペースという厳しい展開で、息が全く入らず、直線失速は仕方ないところだった。
次走は体重も絞れるはずだし、また9月の中山ダート1200mの未勝利戦で、今回とほぼ同ラップで飛ばして500万並みの時計で2番手から押し切った馬だけに、強力な同型脚質の馬さえいなければ現級を勝てる力は持っている。次走も中山ダート1200mで。
土曜・中山5R 1着 新馬戦。逃げたフォーマイセルフをマークし、直線では完全に2頭の競馬。しかし手応えの違いは歴然で、追われてあっさり交わして突き放した。時計もすでに500万レベルにあり、この余裕なら昇級しても即勝ち負け。ただし東京の1600mまで引っ張ると押さえまでか。中山1800mでこその馬に見える。
プロフィール
水上 学 - Manabu Mizukami
1963年生まれ、東京大学卒業。 初めてレースを目にすることになった1971年の日本ダービーをキッカケに、競馬にノメリ込む。70年代後半から血統に興味を持ち、手製の血統表を作成。以後、試行錯誤を重ねつつ現在に至る。必然と偶然が折り重なる「血統」に魅了され、膨大なサンプルを解析。血統傾向を絶対評価と相対評価に体系化することで、より実践的な予想理論に昇華させている。多角的な観点から競馬を検証する鋭い分析力は、ファンのみならず関係者からも支持を受けており、現代競馬を語る上で欠くことのできない最重要人物である。ラジオ日本「競馬実況中継」メイン解説、雑誌「競馬の天才」など多媒体で活躍中。