「血統分析」に心血を注ぐこと数十年。東大卒の頭脳と豊富な経験によって完成した独自の理論から導いた自信の『本命馬』と、一発逆転の可能性を秘めた『お宝馬』を披露する。
直近の血統激走馬
- 4月21日 東京11R フローラS(G2)
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本命馬◎アドマイヤベル(2人気) 1着
土曜も日曜もヒット連発!
- 4月20日 福島11R 福島牝馬S(G3)
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本命馬◎コスタボニータ(1人気) 1着
勝ち切る1頭をガッチリ評価!
【天皇賞(秋)】見果てぬ夢の先に
2018/10/23(火)
★土曜東京11R 富士S(G3)◎本命馬 ロジクライ 2番人気 1着 今はハーツクライ向きの東京マイルという点も巧くハマったが、展開が読み通りに決まるとなおさら気持ちがいい。1分31秒7は想定以上の時計だったが、次走に向けては、今回が遠征競馬となったため、中3週でどこまでコンディションを整えられるかという点だけだろう。
$お宝馬 ハッピーグリン 9番人気 11着 結果論になってしまうが、切れる脚のない馬なので、シンガリからの競馬では辛かった。あと、スタート後しばらくしてから、ゴチャ付くシーンがあり、それで位置取りが悪くなった感もある。もう少しちゃんとした競馬で見たかった。
★日曜京都11R 菊花賞(G1)◎本命馬 グレイル 8番人気 10着 ある程度は危惧していたが、痛恨の出遅れ。行きたい馬が自分の近い外側に揃っていて、切れ込まれ必要以上に位置が悪くなってしまった。道中は仕方なく折り合いに専念し、手応えもあったのだが、中盤のラップの緩みが大きくなり、ラスト4Fから前のペースが激化したので、動いてもポジションを上げていけない。結局何もできず、直線で数頭交わすだけで終わってしまった。無念の一戦。
$お宝馬 グローリーヴェイズ 12番人気 5着 流れも枠も不向きの中、よく伸びてきた。ただ、あくまで菊花賞だからこの距離をこなしただけで、本質は2000mから2400mが合った馬とみる。来年が楽しみな1頭。
【今週のポイント】
ワグネリアンの回避でダービー馬3代対決が見果てぬ夢となり、またダノンプレミアムも早々に回避を表明。さらに毎日王冠馬、京都大賞典馬も目標が別レースとあって不在、当初の天皇賞(秋)史上空前の豪華版という声もやや小さくなってしまった感がある。しかしそれは当初の期待が大きすぎたからで、冷静に見ればG1馬7頭を数えるかなり贅沢な天皇賞だ。それもすべて5歳以内で、遠い昔の看板に縋っているような馬が1頭もいない。頭数こそ12,3頭となりそうだが、個人的にはかなり高揚する一戦だ。
土曜の降水確率は、23日現在60%となっているが、当日は晴れそうで、道悪適性が求められるような馬場にはならないだろう。かといって高速とまでもいかず、ある程度外からも差せる、見応えあるレースとなりそうだ。
血統からの注目点は、よく知られた話だが、意外とディープインパクト産駒が勝てないということ。いまだスピルバーグの1勝のみで、2,3着を量産。あのジェンティルドンナでも2着2回だった。今年も人気どころを数頭占めることになるが、果たしてどうなるか。
ジンクスを踏まえてもディープに◎を打つか、あるいはスワーヴリチャードやレイデオロ、キセキといった非ディープを軸に据えるか、最終結論の前に水曜夕方更新予定の有力馬診断である程度の目鼻は立てておきたいと思う。
先週の菊花賞篇では「エタリオウが軸には最適」、「フィエールマンはステイヤーの評価」、「ユーキャンスマイルは伏兵指名」としておきながら最終結論を誤ってしまった。今週は冷静に、詰めが甘くならないように自戒したい。
【次回の狙い馬】
日曜・東京5R 5着 新馬戦。個人的に期待して本命視したが、好位からササってしまい、ラチから離れず追いづらいシーン。鞍上によれば稽古の右回りではそういうことはないそうで、次走右回り場なら期待できる。中山の場合は1800mになるが、血統からは我慢できそうだ。
日曜・東京12R 7着 こちらも個人的に大いに期待した1頭。ただ出遅れて万事休す。シンガリ付近からでは追い込める切れがないので諦めていたら、それでも直線は5,6頭は交わしてきた。この出負けは芝スタートが響いた可能性もあるし、またワンターンでは追走に手一杯になってしまうのかもしれない。
次走もう一度東京ならヒモの一角、中山なら軸として考えたい。中山で500万勝ちの時は破った馬が軒並み勝ち上がり、交流重賞で食い下がった馬はレパードS3着馬だ。
※次回出走時については、レース当日の朝に配信されるメルマガにてお伝えしています。
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プロフィール
水上 学 - Manabu Mizukami
1963年生まれ、東京大学卒業。 初めてレースを目にすることになった1971年の日本ダービーをキッカケに、競馬にノメリ込む。70年代後半から血統に興味を持ち、手製の血統表を作成。以後、試行錯誤を重ねつつ現在に至る。必然と偶然が折り重なる「血統」に魅了され、膨大なサンプルを解析。血統傾向を絶対評価と相対評価に体系化することで、より実践的な予想理論に昇華させている。多角的な観点から競馬を検証する鋭い分析力は、ファンのみならず関係者からも支持を受けており、現代競馬を語る上で欠くことのできない最重要人物である。ラジオ日本「競馬実況中継」メイン解説、雑誌「競馬の天才」など多媒体で活躍中。