「血統分析」に心血を注ぐこと数十年。東大卒の頭脳と豊富な経験によって完成した独自の理論から導いた自信の『本命馬』と、一発逆転の可能性を秘めた『お宝馬』を披露する。
直近の血統激走馬
- 4月21日 東京11R フローラS(G2)
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本命馬◎アドマイヤベル(2人気) 1着
土曜も日曜もヒット連発!
- 4月20日 福島11R 福島牝馬S(G3)
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本命馬◎コスタボニータ(1人気) 1着
勝ち切る1頭をガッチリ評価!
【フローラS・展望】今は小さな花だけど
2019/4/16(火)
★土曜阪神11R アーリントンC(G3)◎本命馬 ミッキーブリランテ 4番人気 6着 外目から行きっぷり抜群。直線は大外からイベリスに並びかけたが、そこでいっぱいになってしまった。終始外の距離ロスもあったが、レース後の鞍上のコメントでは馬が行きたがって制御に苦労したとのこと。折り合いを欠いてのガス欠という見解だった。そうであれば、外枠がアダとなったか。壁を作って進めていれば、あるいは…のシーンもあったかもしれない。
$お宝馬 トオヤリトセイト 11番人気 3着 ほぼ想定通りの競馬。直線は馬群に突っ込み、突き抜ける脚色だったが、坂を上ったところで鈍ってしまった。距離はマイルでも問題ないが、坂をこなすパワーが足らなかったか。坂の緩い東京や、直線平坦の京都のマイルなら勝ち切れるのではないか。
★日曜中山11R 皐月賞(G1) ◎本命馬 ダノンキングリー 3番人気 3着 完璧な競馬、持ち前の立ち回りの良さを活かしたが、上位3頭の中で最初に動いた分苦しくなった。それでも勝ち馬と同タイムなら仕方ない。ただ、中山だからできた競馬でもあり、東京での2400mとなるとひと息長いのではないだろうか。
$お宝馬 ファンタジスト 5番人気 13着 少し外から寄られたか、いつもより後ろの位置取り。しかしそこから位置が上がるわけでもなく、また直線伸びるわけでもなく、回ってきただけになってしまった。距離なのか、短期間に2度の東上が響いたのか、即断はできないが、今回は全く走れていないのは確か。
【今週のポイント】
いよいよ春競馬後半戦がスタート。G1戦線も頂点に向かっていく。今週の日曜東京のメインは、オークストライアルのフローラSだ。
今年のメンバーでは、収得賞金1000万台はウインゼノビアだけ。そのウインにしても1200万だから、どの馬もここで権利を取らないと、本番出走は楽観できない。しかも前走重賞掲示板も登録には3頭だけであり、かなりの混戦となるだろう。
まずはオークスに出ることが目的となってしまうと、その後お釣りがなくなって、本番での好走が難しくなってしまうので、よほどのポテンシャルや才能を発揮しないと、大舞台へは繋がらない。むしろ夏以降に開花するケースが多い。その意味では、オークスのみならず、先々を見通す手掛かりにもしたいレースでもある。
去年はディープインパクト産駒サトノワルキューレが勝ったが、意外とディープ産駒は勝ち切れず、そもそも連対まで広げても、近5年ではサトノだけである。今年は同産駒の登録が1頭しかいないが、時計が掛かる、芝の深い開幕週の東京はパワー優先だけに、そうした馬場へ適性のある血筋から、脚の持続力の長い馬を選んでみたい。
なお今のところ、金曜夕方のトレジャーハンティングではオアシスSを、土曜公開分ではもちろんフローラSを取り上げる予定だ。
【次回の狙い馬】
土曜・阪神3R 3着 掲示板は全て前残りのレースながら、1頭だけ後方から直線一本で伸びてきた。自らの脚力だけで追い込んでおり、展開不向きでもやれる力がある。上がり2位の馬の上がりを1秒近く上回っているのは大したもので、しかも今回は太目残りでもあった。まともなら次走は届く。
日曜・福島12R 5着 今回は出走取消明けでマイナス12キロ、中間もおそらく万全ではなかったはず。またゴール前の止まり方を見ると、2600mも長すぎた。次走距離を縮めて体重を少し戻したら、場を問わず買いたい。本来はもっと上のクラスでやれる脚がある馬だ。
※次回出走時については、レース当日の朝に配信されるメルマガにてお伝えしています。
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プロフィール
水上 学 - Manabu Mizukami
1963年生まれ、東京大学卒業。 初めてレースを目にすることになった1971年の日本ダービーをキッカケに、競馬にノメリ込む。70年代後半から血統に興味を持ち、手製の血統表を作成。以後、試行錯誤を重ねつつ現在に至る。必然と偶然が折り重なる「血統」に魅了され、膨大なサンプルを解析。血統傾向を絶対評価と相対評価に体系化することで、より実践的な予想理論に昇華させている。多角的な観点から競馬を検証する鋭い分析力は、ファンのみならず関係者からも支持を受けており、現代競馬を語る上で欠くことのできない最重要人物である。ラジオ日本「競馬実況中継」メイン解説、雑誌「競馬の天才」など多媒体で活躍中。