「血統分析」に心血を注ぐこと数十年。東大卒の頭脳と豊富な経験によって完成した独自の理論から導いた自信の『本命馬』と、一発逆転の可能性を秘めた『お宝馬』を披露する。
直近の血統激走馬
- 2月25日 中山11R 中山記念(G2)
-
お宝馬☆ドーブネ(10人気) 2着
条件好転の大穴を見抜いた!
- 2月11日 東京11R 共同通信杯(G3)
-
お宝馬☆ジャスティンミラノ(4人気) 1着
2週連続で勝ち馬を指名!
【高松宮記念】雲行き妖しい桶狭間
2020/3/24(火)
【今週のポイント】
海外遠征を取りやめたモズアスコットが急遽参戦を決めたことで、G1馬6頭集結予定という、スプリントG1としてはあまり記憶にない豪華版となりそうな高松宮記念。マイルのG1馬が4頭も集まるという異例の事態がもたらした、嬉しい誤算?である。
それだけに、1200m適性をどう捉えるかがまず一番の課題となるだろう。ちなみに過去10年では、マイルG1勝ち馬は2着まで(ロードカナロアは高松宮勝利後に制覇)に留まっているのだが……。
さらに問題は、週末の天気が土日共に全国的な雨予報となっていること(火曜現在)。主要4場ほどの水捌けではない中京が舞台だけに、適性が問われるほど降るのかどうかも大きなポイントだ。もともと、野芝のスプリンターズSよりはスピードが問われず、パワーシフトしがちな高松宮記念だけに、その比重がさらに高まることも予測される。さらに人気馬の多くが乗り替わりとなることも、悩ましい要素の1つだ。
土曜公開の血統トレジャーハンティングでは、マイルG1馬の適性や道悪適性への見解も書き添える予定なので、楽しみにお待ちいただきたい。
★金曜中山11R フラワーカップ(G3) ◎本命馬 レッドルレーヴ 4番人気2着 先行勢が3角過ぎに息を入れ、直線二枚腰となる展開では、この馬の位置取りでは厳しかったこと、さらに直線入り口で他馬に被せられて走りにくくなったことを踏まえると、坂下からは実に良く伸びた。強い競馬で、展開の綾で負けただけ。
$お宝馬 ナリノクリスティー 7番人気10着 想定通り逃げられたが、騎手のコメントでは返し馬からテンションが上がってしまい、力んでの逃げだったとのこと。ガス欠となってしまったのだろう。気性面の成長が課題か。
★土曜中山11R 千葉S ◎本命馬 ヒデノヴィーナス 1番人気6着 ゲートは普通に出たがスピードの乗りがいつもほどではなく、ハナに立つまでに少し手こずった分が最後に響いた。競られたり突っつかれたりする方が良いものの、序盤で無理をせざるをえなかったのがこたえた形。それでもよく粘っており、2着まで0秒2差。スンナリとハナだったら馬券圏は間違いなかったところ。
$お宝馬 ノーフィアー 10番人気2着 久々にお宝馬らしい人気薄が激走してくれた。かなりのハイペース競馬は、3,4,5番手あたりで先行した馬に向くという好例のようなレース。位置取りが大きかった。
★日曜中山11R スプリングS(G2) ◎本命馬&お宝馬 シルバーエース 7番人気6着 スローの2番手という理想的なポジション、直線入ったところではこれはと思わせたが、それも一瞬、その後は全く伸びなかった。これは能力が足らなかった。自己条件で仕切り直し。無理筋の推奨だったことを反省したい。
【次回の狙い馬】
土曜 阪神3R 4着 今回初ブリンカー。これまでよりも操縦性が良くなり、スッと動けたのだが、早めに動いたことで最後に脚が無くなってしまった。タイミング1つで勝ち負けになる。次走も阪神ダート1800mで。
日曜 阪神5R 4着 緩みのないペースで逃げながらも、直線はもうひと伸びを見せてのしぶとさ。小差負けで次走にメドが立った。もちろん51キロと恵まれた点は考慮する必要はあるが、能力があればこその走りではあった。個人的には次走、減量の恩典がなくてもやれる馬だと思っている。
プロフィール
水上 学 - Manabu Mizukami
1963年生まれ、東京大学卒業。 初めてレースを目にすることになった1971年の日本ダービーをキッカケに、競馬にノメリ込む。70年代後半から血統に興味を持ち、手製の血統表を作成。以後、試行錯誤を重ねつつ現在に至る。必然と偶然が折り重なる「血統」に魅了され、膨大なサンプルを解析。血統傾向を絶対評価と相対評価に体系化することで、より実践的な予想理論に昇華させている。多角的な観点から競馬を検証する鋭い分析力は、ファンのみならず関係者からも支持を受けており、現代競馬を語る上で欠くことのできない最重要人物である。ラジオ日本「競馬実況中継」メイン解説、雑誌「競馬の天才」など多媒体で活躍中。