「血統分析」に心血を注ぐこと数十年。東大卒の頭脳と豊富な経験によって完成した独自の理論から導いた自信の『本命馬』と、一発逆転の可能性を秘めた『お宝馬』を披露する。
直近の血統激走馬
- 4月21日 東京11R フローラS(G2)
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本命馬◎アドマイヤベル(2人気) 1着
土曜も日曜もヒット連発!
- 4月20日 福島11R 福島牝馬S(G3)
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本命馬◎コスタボニータ(1人気) 1着
勝ち切る1頭をガッチリ評価!
【スプリンターズS】戦国路線を制圧するのは?
2020/9/29(火)
【今週のポイント】
インディチャンプ、タワーオブロンドンの回避こそ残念だが、目移りするメンバーが揃ったスプリンターズステークス。スプリント路線は戦国模様で、重賞レースのたびに勝ち馬が入れ替わっているが、暫定政権を打ち立てるのはどの馬だろうか。特にグランアレグリアにとっては、マイルに続く王座君臨を狙う舞台となる。
今年の場合、例年と大きく異なるのは馬場だ。かなり時計のかかる、柔らかい路盤の馬場で、1分7秒台は望めないだろう。
最大のポイントはそうした馬場への適性だ。そして勢揃いする前哨戦勝ち馬の内容吟味。また7,8枠に入った先行馬がかなり不利となるコースだけに、枠の並びも重要だ。
人気が割れそうで、どこからでも入れる妙味たっぷりのレース。土曜夜更新の血統トレジャーハンティングでは、体重以外の要素を煮詰めて、少しでもおいしい的中へ貢献したい。
★土曜中山11R 長篠ステークス ◎本命馬 ファストフォース 2番人気6着 先行馬群の後ろに控えて好ポジション。しかしそこから直線伸びずバテずで流れ込むだけの走りになってしまった。3角で前をカットされる不利もあったが、それよりもプラス14キロで532キロにまで増えており、もともとが大型馬のこの増加は、映像を通して見ても少し太かった。最後の伸びが止まったのはこちらが原因だろう。
$お宝馬 シャンデリアムーン 8番人気3着 押してハナ、そこからリードを広げて直線へ入るが、強いカレンモエに交わされると一杯になり、何とか3着を確保。自分の競馬はできた。
★日曜中京11R 神戸新聞杯(G2) ◎本命馬 コントレイル 1番人気1着 何も言うことはなし。内で閉じ込められても自分で進路を探し、狭いところを抜けられるだけのメンタルもある。次走はいよいよ無敗の3冠へ、未知の距離との闘いとなる。あとは大雨だけは避けたいところだろう。
$お宝馬 アイアンバローズ 16番人気8着 終始外、4角ではさらに大外へ振られたが、直線は踏ん張っていた。立ち回りが外になってしまうのは気性の問題だろうから仕方ない。ヴェルドライゼンテと同じような位置からジリ伸びしてはいたので、ブリンカーなどで補正したらいきなり走る可能性はある。覚えておきたい1頭。
【次回の狙い馬】
土曜 中山2R 7着 ダート1800mの新馬戦だった。スタートから抑えきれない気勢でハナ、しかし直線はバテてしまった。これはどう見ても短距離馬の走り。次走東京に替わってのダート1400m、1300mならアッサリまであっていい。
日曜 中山11R 6着 オールカマー。久しぶりの出走で12キロ増はやはり少し太かった。中団から回ってきただけだったが、休養前の内容は重賞に手が届くレベル。東京なら時計の掛かる馬場状態になった際の2500m、小回りなら馬場状態不問で2000m以上あれば戦える。次走が福島記念や馬場渋った際のアルゼンチン共和国杯なら期待したい。
プロフィール
水上 学 - Manabu Mizukami
1963年生まれ、東京大学卒業。 初めてレースを目にすることになった1971年の日本ダービーをキッカケに、競馬にノメリ込む。70年代後半から血統に興味を持ち、手製の血統表を作成。以後、試行錯誤を重ねつつ現在に至る。必然と偶然が折り重なる「血統」に魅了され、膨大なサンプルを解析。血統傾向を絶対評価と相対評価に体系化することで、より実践的な予想理論に昇華させている。多角的な観点から競馬を検証する鋭い分析力は、ファンのみならず関係者からも支持を受けており、現代競馬を語る上で欠くことのできない最重要人物である。ラジオ日本「競馬実況中継」メイン解説、雑誌「競馬の天才」など多媒体で活躍中。