高低差の大きいアスコット競馬場など、イギリスの競馬場は基本的にアップダウンが大きい。そのためインターナショナルSが行われるヨーク競馬場のような平坦に近い競馬場は珍しいと言っていい。直線に上り坂はあるがそこまで厳しいものではなく、コーナーも緩く、コース幅も広い。日本に近く、ゼンノロブロイが2着になったことがあるように、『日本適性』に近い要素が求められやすい。

加えて天気が急変しやすく雨が多いイギリスとしては、雨とかち合うことがそこまで多くなく、硬めの馬場で開催されることが多いこともあって、スピード、そして瞬発力勝負になった際の末脚のキレが要求される。ここ4年、父か母父が軽快のスピードを持つミスタープロスぺクター系という馬が勝利を挙げているあたりが証明している。

先週末からヨーク周辺は天気が持ち直し、今年もやや硬めの馬場で行われることが予想される。今年の出走馬で父か母父がミスタープロスペクター系なのはシュヴァルグラン、ロードグリッターズ、リーガルリアリティーの3頭。その中から大穴ロードグリッターズを◎に指名する。

前走のサセックスSは5着だったものの、グッドウッドの馬場が掘れ、加えてペースの問題で差しが決まらず、前が残る展開になってしまった。勝ったトゥーダーンホットを筆頭にメンバーも揃っており、この結果だけで評価は下げられない。春のドバイターフではアーモンドアイ、ヴィブロスに続く3着。4着がディアドラだったように、日本馬有利のレースだったが、その中で3着に食い込んでいるように、『日本適性』は高め。硬めのヨークの馬場は合いそうだ。距離が未知数であること、そして重斤量時の成績が芳しくない点がネックとなるものの、大穴としての魅力は十分。

安定感抜群のクリスタルオーシャンは硬い馬場の切れ味勝負に一抹の不安を覚えるが、安定感は最上位。

マイルに距離短縮して実績を残し、今回距離延長となるサーカスマキシマスも強敵。オブライエン厩舎が英ダービー馬アンソニーヴァンダイクを出さず、延長となるサーカスマキシマスをあえて出してきた点は不気味だ。オブライエン厩舎のファーストジョッキーであるムーア騎手が騎乗するジャパンも含めて警戒したい。

穴は連勝中のエラーカム。フランケル産駒は連勝中、相手強化を苦にしない一面が見られる。今回は硬い馬場に変わり、相手が強化されるが、勢いは侮れない。日本から挑むシュヴァルグラン(牡7、栗東・友道厩舎)は硬い馬場に変わるのはいいだろうが、この距離だとスピード、瞬発力不足が心配されるため、ある程度ペースが流れてほしい。

◎ロードグリッターズ
〇クリスタルオーシャン
▲サーカスマキシマス
☆エラーカム
△キングオブコメディ、ジャパン