2016年の阪神JSでJRA史上初の同一重賞7年連連対記録などJUMPレースの顔として活躍する高田潤騎手。 そして、ファンサービスの積極性は競馬界一とも噂される熱き男の生の声をお届けします!
ゲートの仕組みについて
2024/2/9(金)
高田潤です!!
先週日曜日の東京競馬場で行われたメインレース、東京新聞杯で1番人気に支持されたマスクトディーヴァ号が出遅れた件につきまして、ゲート(発馬機)の開きが遅れていたなどと物議を醸しておりますが、実際にパトロールビデオを確認してみてもマスクトディーヴァ号のゲートが開くのが遅れているのがわかります。
ゲートの構造上、1つの枠だけゲートの開きが遅れるということは絶対にありません。
しかし、この様に突進などにより馬の顔や体で内側から体重をかけて前扉を押さえつけてしまうと、真正な発走合図を受けていても内側からの圧力で前扉のフックが外れず、開くのが遅れることがあります。
ちょっとわかりづらいかもしれませんが例えで言いますと(やってはいけませんが)、自動ドアや電車のドアなども手で力強く押さえつけると開くのが遅くなると思います。そんなイメージに近いかなと思います。
ですのでこれは、鞍上のゲート内での馬の御法、あるいは馬の悪癖が招いてしまった事象ということになります。
この場合は当然、ジョッキーや馬の制裁ということになります。
ゲートの仕組みにつきましては皆さんが知り得る機会がなかなかありませんので疑問に思った方もたくさんいらっしゃったかと思いますが、簡単に説明しますとこういう事になります。
レースにおきましてスタートというのは非常に大切で重要な部分になりますので僕たちジョッキーも厩舎陣営もこういったことが起きないように日々常に注意はしていますが、馬も生き物ですのでレース当日のゲート内では非常に神経質になっております。そのためこういった事が稀に起きてしまいます。
今回の件につきましては自身が関係する事象ではありませんが、自分自身にも置き換えて、いつも競馬を応援して下さっている皆様が少しでも安心してレースを楽しんでいただけるようにこれからも気を引き締めてやっていきたいと思います。
プロフィール
高田 潤 - Jun Takada
1980年11月3日生まれ、大阪府出身。
1999年に松田博資厩舎所属から騎手デビュー。デビュー当初から、平地・障害の垣根を越えた活躍を続けると、2006年にはドリームパスポートで神戸新聞杯を制覇。これが平地重賞初勝利となった。
一方、2008年にはキングジョイとのコンビで中山大障害を制し、キャリア初のJG1勝ち。2013年には待望の障害リーディングに輝いた。
また、2009年には師匠である松田博資師の元を離れ、フリーに転向。2012年にも生涯の伴侶を得るなど、公私ともに充実期を迎え、障害競走の次代を担う存在として更なる活躍が期待される。