中山記念

阪急杯

ウインブライト

(牡5、美浦・畠山吉厩舎)

ステイゴールド
サマーエタニティ
母父アドマイヤコジーン
通算成績16戦6勝
重賞勝利 19年日刊スポ賞中山金杯(G3)
18年中山記念(G2)
17年フジTVスプリングS(G2)
17年福島記念(G3)
連対時
平均馬体重
471kg (最高:490kg)
(最低:460kg)
前走時馬体重490kg
POINT
母父アドマイヤコジーン、その父コジーンから遺伝した立派な腹袋。内蔵面が発達していることの証明で、イコール基礎体力に優れているとの見方も可能。デビュー時には450キロだった馬体重が、前走では490キロ。消化器が発達しているからこそ、食べた物をしっかりと身にすることが出来、豊かな成長力を示しているのだろう。全体の重心がやや下寄りなことからドッシリとした立ち姿で、スピードよりもパワーに秀でた造り。中山コースで好成績を挙げている点も納得、レース適性に関して言うことはなし。中山金杯は多少なりともゆとりを感じる仕上げだったが、今回は一度使った効果か腹周りはこの馬としてはスッキリと見せており、ムダ肉が削げた印象。相手は強くなるが、1週前でこの状態なら前走以上のパフォーマンスを発揮することが出来そう。引き続き好勝負に期待。

エポカドーロ

(牡4、栗東・藤原英厩舎)

オルフェーヴル
ダイワパッション
母父フォーティナイナー
通算成績8戦3勝
重賞勝利 18年皐月賞(G1)
連対時
平均馬体重
493kg (最高:498kg)
(最低:490kg)
前走時馬体重490kg
POINT
クビさしが太く、骨格全体に対する筋肉量も豊富。コンパクトにまとまった父オルフェーヴルよりも、母方の特徴が強く出た体型をしており、特に短く立った繋ぎ、蹄の構造は母父のフォーティーナイナーに近いものがある。道悪・荒れ馬場も苦にしない造りと言えるだろう。これまでも当コラムで取り上げたように、胴がやや詰まった体付き。ダービーで2着、秋は菊花賞にも出走したが、やはり本質的に適距離は1600~2000m辺りと見る。ただ腹袋が立派でパワーや底力に秀でており、胸の深さもあって心肺機能も高そう。ある程度、距離には融通が利くタイプと考えて良いだろう。菊花賞以来のレースとなるが、太め感も無く仕上がりは上々。磨き込まれた雰囲気ではないものの、力は出せる状態に整っている。
今週のイチオシ

ステルヴィオ

(牡4、美浦・木村厩舎)

ロードカナロア
ラルケット
母父ファルブラヴ
通算成績9戦4勝
重賞勝利 18年マイルチャンピオンS(G1)
18年フジTVスプリングS(G2)
連対時
平均馬体重
464kg (最高:478kg)
(最低:456kg)
前走時馬体重478kg
POINT
ロードカナロア産駒は父に似た筋骨隆々なタイプと、比較的なだらかな筋肉の付き方をする馬に大別されるが、この馬は後者に分類される馬体構造。筋肉量は豊富だが、バランスの良さもあり非常に素軽い立ち姿を披露している。背中がやや短く、腹側が長く見える胴のライン。飛節の折りも深く、一瞬の切れ味、瞬発力に秀でた形だ。東京競馬場のような広いコースは勿論合っていると言えるが、近年は中山でも上がりの脚が問われるレースが多く、また頭数も少ないのであればより決め手の活きる展開になりそう。キ甲が伸びて骨格が成長したこともあり、脚質にも自在性が出て来た。今回は休み明けになるが、前走同様に肩周り、トモの下腿部には血管が浮き上がって馬体の張りは抜群。勝ち負けが期待出来る、良い状態でレースを迎えられそうだ。
class="imgYoko"

馬体診断における基本ポイントを伝授!奥が深い馬体の世界に足を踏み入れてみよう!

スワーヴリチャード

(牡5、栗東・庄野厩舎)

ハーツクライ
ピラミマ
母父Unbridled’s Song
通算成績13戦5勝
重賞勝利 18年大阪杯(G1)
18年金鯱賞(G2)
17年アルゼンチン共和国杯(G2)
17年共同通信杯(G3)
連対時
平均馬体重
504kg (最高:520kg)
(最低:492kg)
前走時馬体重510kg
POINT
まず目に付くのが骨格に対する胴の長さ。父ハーツクライもサンデー系種牡馬の中では胴長の部類であり、長丁場を得意とする馬も多い。胴が長いと必然的にストライドも大きくなるため長く脚を使える一方、瞬間的な加速はやや苦手とされるが、この馬は飛節の折りが深く、500キロを超える大型馬ながら小脚も使うことが出来る。広いコースが合っているのは確かだが、大阪杯では早めに先頭に立って押し切るような心肺機能の高さを活かす競馬も見せているだけに、小回りコースでも割り引く必要は無いだろう。注目すべきは仕上がり。休み明けながら皮膚を薄く感じさせるほど馬体の張りを感じさせ、全身に血管が網目のように浮いている。銭型が出ているように代謝も良さそうで、昨秋のG1・2戦よりも良い状態に見える。当然、ココも主役級の評価を与えて良いだろう。

ディアドラ

(牝5、栗東・橋田厩舎)

ハービンジャー
ライツェント
母父スペシャルウィーク
通算成績20戦7勝
重賞勝利 18年アイルランド府中牝馬(G2)
18年クイーンステークス(G3)
17年秋華賞(G1)
17年紫苑ステークス(G3)
連対時
平均馬体重
476kg (最高:498kg)
(最低:452kg)
前走時馬体重498kg
POINT
背中側が短く、腹側が長く見える胴周り。このような体型をした馬は伸縮性に優れていることが多く、瞬間的に速い脚を使うことが出来る。2走前の府中牝馬Sでマークした上がりは32秒3、現役屈指の瞬発力を秘めている馬だ。骨格に対して胴の長さにゆとりがある馬なので、本質的には広いコース、直線の長いコースがベストだが、コーナーから加速する競馬もこなせる、今回の舞台でも問題なく力を発揮してくれるだろう。また、繋ぎが立っているため馬場不問で末脚を繰り出すことも出来るだろう。仕上がりに関して言えば、ドバイ遠征へのステップレースということもあって、馬体の張りや毛艶にはまだ良化の余地が感じられる。ココを使っての変わり身に期待したいところ。

ラッキーライラック

(牝4、栗東・松永幹厩舎)

オルフェーヴル
ライラックスアンドレース
母父Flower Alley
通算成績7戦4勝
重賞勝利 18年チューリップ賞(G2)
17年阪神ジュベナイルF(G1)
17年アルテミスステークス(G3)
連対時
平均馬体重
486kg (最高:494kg)
(最低:480kg)
前走時馬体重510kg
POINT
バランスの良さが光る、見栄えする立ち姿。折りの深い飛節は父オルフェーヴルから遺伝した特徴で、サンデー系に多く見られる形。瞬間的な加速を得意とする構造と言えるだろう。500キロ近い馬格があり、牝馬ながら迫力のある馬体を披露している。今回は初の中山コースだが、急坂にも力負けしないパワーを秘めていそうだ。秋華賞以来の実戦となるが、過去の立ち写真と比較して今回はややふっくらと見せる体付きで、目一杯仕上げて来たという雰囲気は感じられない。下腿部も昨春はもっと膨らみがあって、筋肉が盛り上がっていた印象がある。一叩きしてガラッと変わってきそうなイメージだ。少し辛口な評価になってしまったが、能力的には牡牝関係なくトップクラスとも渡り合える実力の持ち主。器用さ、レースセンスを活かした競馬が出来れば上位進出も。

スターオブペルシャ

(セ6、美浦・藤沢和厩舎)

ダイワメジャー
ターフローズ
母父Big Shuffle
通算成績28戦7勝
連対時
平均馬体重
505kg (最高:514kg)
(最低:492kg)
前走時馬体重518kg
POINT
毛色こそ異なるが、半兄のロサギガンティアと良く似た骨格をしている。異父兄弟ながらシルエットが近いということは、母方の血が色濃く出ているのだろう。馬体重は大きな差は無いが、筋骨隆々 といった印象を与える体だった兄よりも全体的にシャープな体付き。瞬発力では兄に及ばない面があるものの、長く脚を使うという点ではスターオブペルシャの方が上。ゆえに、本質的には東京や新潟のような広いコースがベストと言えるだろう。繋ぎは短めで、立ち気味。仮に道悪になったとしてもパフォーマンスへの影響度は小さいと見た。初の立ち写真で過去との比較は出来ないものの、2ヶ月ぶりでも腹周りは引き締まっているし、トモにも大きなスジがハッキリと現れているように馬体の張りも上々。近走は安定感が出てきており、今回も上位争いに期待。

ダイアナヘイロー

(牝6、栗東・大根田厩舎)

キングヘイロー
ヤマカツセイレーン
母父グラスワンダー
通算成績25戦8勝
重賞勝利 18年阪神カップ(G2)
18年阪急杯(G3)
17年TV西日本北九州記念(G3)
連対時
平均馬体重
465kg (最高:476kg)
(最低:454kg)
前走時馬体重474kg
POINT
胴が詰まった体型で、胸前やトモの肉付きも良いスプリンタータイプ。クビの長さも短めなので、必然的にピッチ寄りの走法になる。前脚が短く見えるシルエットで、重心はやや前傾。自然にスピードに乗りやすい馬体構造をしていると考えて良い。前走は稍重馬場で逃げ切り勝ちを収めたが、蹄はやや薄い部類に入るので、道悪よりも良馬場でこそ持ち味が活きてくるだろう。トモの筋肉量は6歳を迎えても全く衰えることなく、依然としてパンとした張りをキープしている。キ甲、帯道周りに冬毛が若干伸びているが、季節的なモノで特に問題は無いだろう。腹周りも引き締まった状態を披露しており、今回も力を発揮出来そうだ。

ダイメイフジ

(牡5、栗東・森田厩舎)

アグネスデジタル
ダイメイダーク
母父ダンスインザダーク
通算成績23戦6勝
連対時
平均馬体重
513kg (最高:520kg)
(最低:508kg)
前走時馬体重526kg
POINT
1200~1400mを中心に使われているが、胴の長さには比較的ゆとりがあり、また馬体全体のバランスも整っているためシルエットはスプリンターらしくない。ただ、さすがにオープンで結果を出しているだけあり、胸前の筋肉は盛り上がるように発達し、トモの容量も大きい。特に前駆の筋肉に関しては父アグネスデジタルの影響が強く、前腕にも血管が浮き上がっており、前脚の掻き込みが強そうな印象がある。前回の立ち写真ではまだキ甲が抜け切っていなかったが、今回はグッと盛り上がって見えているように、5歳春を迎え着実な成長が窺える。この厩舎らしく数を使われているが、馬体からは全く消耗したところを感じさせないので、入念にケアされているのだろう。冬場ながら毛艶も光っており、皮膚を薄く見せるほど筋肉の張りも良い。距離延長も好材で、好勝負に期待。
今週のイチオシ

ミスターメロディ

(牡4、栗東・藤原英厩舎)

Scat Daddy
Trusty Lady
母父Deputy Minister
通算成績8戦3勝
重賞勝利 18年中スポ賞ファルコンS(G3)
連対時
平均馬体重
482kg (最高:492kg)
(最低:474kg)
前走時馬体重492kg
POINT
米国産馬らしいガッチリとした体型。何と言っても注目はその豊富な筋肉量。胸前はボディビルダーのように発達しており、後躯の筋肉も陰影が写真越しでもハッキリ確認出来るほど、無数のスジが入っている。3歳時から好馬体を披露していたが、4歳になって全体にボリュームアップしたと同時に、磨きが掛かってきた印象を受ける。3歳時はNHKマイルCで4着したようにマイル戦でも上位争いしていたが、現状、この体付きを見せられると「純正スプリンター」のイメージを抱く。短距離路線を歩む現役馬の中でも、トップクラスに見栄えする1頭。2ヶ月ぶりの実戦でも緩んだところは感じられず、毛艶も光って体調も良さそう。今回、立ち写真がある馬の中では一枚上の馬体と見た。将来性も含め楽しみな存在だ。
class="imgYoko"

馬体診断における基本ポイントを伝授!奥が深い馬体の世界に足を踏み入れてみよう!

ロードクエスト

(牡6、美浦・小島茂厩舎)

マツリダゴッホ
マツリダワルツ
母父チーフベアハート
通算成績24戦4勝
重賞勝利 18年毎日放送賞スワンS(G2)
16年京成杯オータムハンデ(G3)
15年新潟2歳ステークス(G3)
連対時
平均馬体重
451kg (最高:460kg)
(最低:444kg)
前走時馬体重464kg
POINT
バランスの整った正方形のシルエットで、体型的にはマイラーといったイメージ。一時期スプリント戦を中心に使われていたためか、馬体の表面上に発現する筋肉量が増加した印象があったものの、今年の京都金杯前辺りから再び全体にシャープな形へと変化してきた。瞬発力や素軽さに秀でているタイプと考える。様々な要因があると思われるが、坂路中心で追い切られていたスプリント時代と比較して、ウッド半マイル追いのスタイルになったことも影響しているのでは無いだろうか。現状でも筋肉の陰影はハッキリしているので十分、豊富な筋肉量を備えてはいるのだが、欲を言えばもう少しトモの容量が増えてきて欲しいところ。仕上がりに関しては大幅に良化してきた印象ではないが、肩周りには血管も浮いているし、馬体の張りは上々。終いの活きる流れになって欲しいところ。

中山記念

阪急杯

競馬ラボに掲載されている記事・写真・映像などの無断複製、転載を禁じます。