フィエールマン

18年10/21(日)4回京都7日目11R 第79回菊花賞(G1)(芝3000m)

  • フィエールマン
  • (牡3、美浦・手塚厩舎)
  • 父:ディープインパクト
  • 母:リュヌドール
  • 母父:Green Tune
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4角で先に仕掛けたのはミルコのエタリオウ。勢いづけてカーブを廻り、そのまま勢いを増して行く。真後ろにいたブラストワンピースが追うが離される勢いである。それらの内にいたユーキャンスマイルが追い出す。さらにその後ろ、フィエールマンが続く。
先頭に立ったエタリオウ、完全に抜け出して勝利へのゴールを目指す。だが先頭に立って馬が遊んだのか、思う様に伸びていかない。ユーキャンスマイルの内のフィエールマンの勢いがいい。左ステッキで内へと馬を寄せていくミルコ。2頭が並んでゴールへ入った。 3000も走って、《ハナ》差の大接戦。神は今回もまたルメールの頭上に栄冠を置いたのであった……。

戦いを終えた検量室前だが、まだ数人がダベっている。その中にルメールのエージェントの豊沢君がいた。思わず後ろから声をかける。《この馬との出会いはどんなだったの?》と。紙面ではルメールのルもない。どこでどうなったのかを知りたかった。
『デビュー前から声がかかっていたんです。ただ当時は出馬ラッシュですぐの投票では出れない、それで前倒しの投票をしたら、5頭枠で入ってしまったんです。前走のラジオNIKKEIの後も声がかかってました』との事。そう言えば、そのレースをライブで見れなかった。当時は中京のCBC賞の時。後刻に見た覚えがある。だから印象に残っていなかったのかも知れない。
その馬を選択し続けた陣営の選馬力に驚く。過去の菊花賞で1勝馬の勝利も、3戦でのキャリアでの勝ちも知らない。そんな今までの常識やセオリーが通用しない時代に突入したのかと……。

私としては何が悔しいかと言えば、ユーキャンスマイルの前にアイトーンがいて、その馬の動きがハラハラするもので、真後ろで身動きできないユーキャンスマイルにはかなり迷惑だったのではと双眼鏡で見ていて感じていた。また、最後の直線でも前の2頭の間が狭くなってしまいそこに入れず、内へ進路を切り替えるざるを得ず。最後までしっかりと追う事ができなかったと解釈していた。
鞍を外して検量室に入ろうとするジョッキーにそれをぶつけたが『道中は外に出したから影響もなかったよ』とアッサリ。双眼鏡で見える対象は奥行きも立体感もないから、素人には錯覚があるのかも知れない。
PVで何度もそこらを見たりすると、いろんな馬が苦労していた1周目の4角手前。あそこは一気にペースが遅くなったのだろう。そんななかでルメールのフィエールマンは、一度も頭を上げたり左右にブレるところがなかった。その後も実に折り合って進んでいたのが判るPVでの映像であった。

エタリオウは1周目の下りではグレイルの後ろにいたほど。それがスタンド前ではだいぶ順位を上げ、中団ぐらいまで進む。さらに2角を過ぎて真ん中あたり。すぐ内にフィエールマン、後ろにはユーキャンスマイル。エタリオウの真後ろにブラストワンピースがいる。後で思えば、ここが絶好の位置だった様だ。

超スローにしたジェネラーノウーノの先行。エポカドーロも内の悪くない位置にいたはずだったのに、直線で伸びる気配もなかった。メイショウテッコンは出がひと息。内から追い上げたかったが、それも叶わなかった。グレイルは、よもやのブービーの位置。最後はチョロチョロっと来てはいたが、レースにさえ参加できていなかった。モレイラのグロンディオーズは、2角過ぎに鞍上の手が動いているのを見て《ダメだな~》と感じるものだった。

自宅でジックリとビデオを見ていて気がついたのが、ジェネラーノウーノとエタリオウが同じオーナーだった事。ならばもっと戦法があったのではないかと思うのは、素人の考えか。何せ、今回の菊花賞。勝ちに行ったミルコのエタリオウ。あのまま先頭で押し切れるはずだった。それを追い出しを遅らせたルメールのフィエールマン。末脚が武器と信じて、一番最後に追い出している。ユーキャンスマイルが出て行ってから追い出して間に合った。間に合わせたルメールなのか、フィエールマンが凄いのか。

検量室の横にあるPVを見ていた時にミルコがジョッキー・ロッカー室から出て、来て貼ってある写真判定を覗きに来た。そして『これだけの差か~……』と一言置いて、またルームに入って行ったのが印象的だった……。