早いもので、もうGⅠシーズン突入である。今週のスプリンターズSを皮切りに1週置いてから怒涛の3週連続GⅠだ。今週末は凱旋門賞もある。いよいよ競馬の秋である。

スプリンターズSは今年で57回。1970年のタマミの優勝を観ているから長いものだ。その間、連覇は5度。最近10年ではロードカナロアにレッドファルクスで種馬でも影響を残している。GⅠ馬は一昨年の覇者、ピクシーナイトと昨年の高松宮記念勝者のナランフレグの2頭。ピクシーナイトの前走は復調気配があるかと思って期待して観ていたが直線の伸びがもの足りず。ナランフレグは常に警戒が必要なタイプ。

何と言ってもナムラクレア。父でGⅠ勝利の浜中Jがその産駒でもGⅠと腕を振るう。昨年5着時より完全にパワーアップしている。アグリの前走には痺れた。調べる程に血統的魅力は大きい。枠順次第でモズメイメイのロケットスタートの押し切りも。見所が一杯だ。

【神戸新聞杯の回顧】

23年9月24日(日)阪神11R 神戸新聞杯(G2)芝2400m)
  • サトノグランツ
  • (牡3、栗東・友道厩舎)
  • 父:サトノダイヤモンド
  • 母:チェリーコレクト
  • 母父:Oratorio


菊花賞の前哨戦の神戸新聞杯である。美浦坂路の工事中で関東馬が早くから栗東入りしている。4頭中の3頭が栗東で稽古。阪神へ直行はナイトインロンドンのみだった。最近は関東馬の勢いばかりが目立つ。

ここもダービー3着馬のハーツコンチェルトが足固めかとパドックからジックリ観た。そしてゲートが開いた。逃げ馬不在、ファントムシーフの先手はある意味、あり得るとは思っていた。そしてシーズンリッチが外からやや掛り気味に前へ。内にサヴォーナ。ハーツコンチェルトはスタートから外々を廻っているのが気になる。

逆にスマートファントムは直ぐに内へと入れていた。ナイトインロンドンが4番手。キャリア3戦の無敗馬、ロードデルレイが5番手あたり。サトノグランツがその内に居る。そのロードデルレイが少し内を開けて行くので、まるで自身がラチ沿いの3番手に居る格好で前には終始、けっこうな空間がある。これは後でPVを観ているから判ることで、実際のレースを観ている時にはそんな事は知らない。

終始、外々を廻っているハーツコンチェルトには何か嫌な予感がしてしまう。距離ロスはかなり大きい筈。流れは淡々と進み、殆どの馬が手応え良く直線へ入ってくる。何よりも驚いたのは川田Jの進路のとり方だ。直線入り口で前のサヴォーナとの間が一気に縮まり、すぐ後ろ。前は内の方が密度が濃く、外の方がバラけそうなのに内へと進める。サヴォーナの方へと寄って行く。真正面からみるとファントムシーフとサヴォーナの間に姿が見えるほど。勢いのある方へ寄って行ったのだろうか。そして最後はサヴォーナとロードデルレイの外へと出してのフィニッシュ。

まるで針の穴を通す様な捌きでアタマ差前へ出たもの。芸術的勝利と言ってもいいぐらい。ハーツコンチェルトは外を猛追も5着。馬場がいいと内々を走る馬に利があるのは当然かも。ますます本番が判らなくなった。