皐月賞と天皇賞の合間のオアシスみたいなGⅡのマイラーズカップである。だが、GⅠ馬セリフォスの参戦があり、2年前のここの勝者のソウルラッシュも居る。2頭とも暮の香港マイル出走からの今回となる。

セリフォスは引き続き川田Jの騎乗。対するソウルラッシュはモレイラJでなく松山Jの手に戻る。昨年3着はクビ、クビの差。馬体重も過去最高の体でもあった。マイルCSでは藤岡康太騎乗のナミュールに大外強襲を決められて負けたもの。スタートでの躓きとかもあった。何よりも今回、セリフォスとは1キロの差があるのが大きい。

そのセリフォス。3歳でのマイルCS勝者であり、4歳時は安田記念2着の実力馬。昨年後半の2戦も始動が遅れたせいなのか結果が出せていない。当然に、安田記念が最大の目標だろうが、ここでも動けないといけない。伏兵はトランキリテ、そして4歳馬、コレペティトールにセッションにエエヤン達が暴れまくって欲しいところだ。

【皐月賞の回顧】

24年4月14日(日)中山11R 皐月賞(G1) 芝2000m)
  • ジャスティンミラノ
  • (牡3、栗東・友道厩舎)
  • 父:キズナ
  • 母:マーゴットディド
  • 母父:Exceed And Excel
  • 通算成績:3戦3勝


ビデオ撮りをしたNHK競馬中継『皐月賞』を観る。ゲート入り前の輪乗りで一生懸命に駆け足でほぐしているダノンデサイルが判る。

そしてゲートOP。ビザンチンドリームが上へ飛びあがる様な出で最後方。まるで逃げるかのジャンタルマンタルの好発、ジャスティンミラノもすぐにいいポジションへ。ビデオを早送りして4コーナーでのジャスティンミラノの手応えを確認する。

坂をあがってからのジワジワっと前へ詰めるジャスティンミラノとコスモキュランダの動きも見直す。さらにビデオを飛ばして勝利者インタビューを聞く。ぐっと涙を堪えての戸崎。《最後は康太が後押しをしてくれた》と。ジャスティンミラノがコスモキュランダとの激闘をクビの差だけふり切って勝った。

後1ハロンでの勢いはコスモキュランダの方が良かった。3列めでレースをしたジャスティンミラノ、その少し後ろだが内めで脚を貯めていたコスモキュランダ。そして今回は位置をとりに行ったジャンタルマンタル。この3頭の攻防は見ごたえがあった。

直線半ばで先頭に立ち押し切りを図ったジャンタルマンタル。勝ちに行っての結果だから悔いはなかろう。ジャスティンミラノとコスモキュランダが並ぶ様にゴールへ向かう。コスモキュランダの方に勢いはあった。

だが、ジャスティンミラノがもう一度勢いづく。ゴール前の戸崎の振る舞いは勝利を確信していた様に見えた。勝ち時計はレコード、メイショウタバルが造った流れではあるが決して差しが決まる流れでもなかった。

牝馬のレガレイラが1番人気。だんだんテンションがあがりつつもあった。道中の位置を考えれば良く終い詰めている。無敗での戴冠となったジャスティンミラノ。むしろ東京向きの馬だ。記録に残る皐月賞だったが、一生、忘れることのないレースとなるだろう。悲しい皐月賞だった。