待望の復帰戦を迎えるイスラボニータ 舞台は得意の東京
2015/10/4(日)
予定よりも長期休養になった経緯
-:毎日王冠(G2)から始動するイスラボニータ(牡4、美浦・栗田博厩舎)ですが、中山記念に向けての調整過程で気を付けていた点を教えて下さい。
佐藤良児調教助手:基本、ジャパンCが終わってから、どこも問題なく放牧に出て、戻ってきて今年緒戦の中山記念ということだったのです。これと言って悪いところはなかったのですが、結果(5着)だけが……。まあ、馬場のせいなのかと。
-:レース後の馬の状態はいかがでしたか?
佐:帰ってきてからは、いつも通りでそんなに疲れもなく、大阪杯を目標に調整していましたが、1週前追い切りの後、軽い脚部不安がみられました。使えないこともないですが、様子をみて、無理をしないで止めましょうか、ということになって、放牧に行きましたね。
▲産経大阪杯一週前のイスラボニータ
結果的に同レース、安田記念の出走を見送り、秋まで復帰が延びた
-:その次は安田記念の予定でしたね。
佐:そういう話もあったのですが、牧場の方でも様子をみながら調整していたようです。結果的には無理をしないで止めましょうか、ということになったようで、秋は毎日王冠あたりから始動する話にはなっていましたね。
-:予定していた大阪杯、安田記念は使えなかった訳ですが、その期間の調整というのはどんな形でしたか?
佐:牧場でしばらくはウォーキングマシーンだけにしていたみたいですが、完全に休ませることはなく、軽い運動はずっとさせていたようです。
-:秋のローテーションというのは、まずは毎日王冠から、その後はどこを考えていますか?
佐:取りあえず、今のところ予定しているのは毎日王冠から天皇賞(秋)を目標に。その後のことは、僕は聞いていないので分からないです。
-:秋緒戦の毎日王冠を目指して、馬は厩舎に戻ってきた訳ですが、何か春シーズンと比べて変わってきた点がありましたら教えて下さい。
佐:少し長めの休みだったので、今までより体重も増えていたし、ちょっと緩んでいるのかなという部分はありましたが、徐々に徐々に締まってきました。前に気になっていた脚元も全然分からないような状態なので、調教は順調に進んできています。
得意コースでG1に繋がる競馬を
-:今週は、1週前追い切りということで蛯名騎手が乗られたと思いますが、それに関してはどのような形でご覧になりましたか?
佐:マサヨシさんの方からも「2週前追い切りの時から乗せてくれ」ということで話があって、それだったらぜひ乗ってもらいましょう、ということで、先週、今週、それから来週も乗ってもらう予定です。現時点では「まだピリッとしないところがあるかな……」といったことを言っていましたけどね。
-:それは、1週前追い切りが終わった後ですか?
佐:そうです。1週前追い切りが終わった後ですね。
-:それでも、2週前に比べたら良くなってきているのですか?
佐:「先週よりは動けてるね」と言っていましたが、そんな評価でしたね。
▲9/30(水)、蛯名正義騎手を背に南ウッドチップコースで
5F66.2-51.5-37.4-12.7秒をマークしたイスラボニータ
-:馬房にいる普段の仕草から、何かピリッとしていない面は感じたりしますか?
佐:急にどうこうという訳じゃないですが、幾分大人しくはなって、色々なものへの感受性が、前よりもちょっとマイルドになったかなと思います。今も(ピリピリとした仕草を)やるにはやりますが、それがなかなかやり辛くなっているというか。それ自体は良いことなので、それが競馬に生きてくれれば。基本的には大人になっていると思います。
-:秋緒戦の毎日王冠で、今後に向けてどのようなレースが出来れば理想的でしょうか?
佐:ここまで長い休みは初めてですね。休み明けではありますが、どこが悪いというのはなく、順調に攻め馬自体は出来ています。頑張ってくれるのを前提として、これから先に繋がるレースをしてくれれば良いかなと思っています。
-:秋の天皇賞に向けては、こういった課題をクリアして欲しいなというところがありましたら教えてください。
佐:走ったこともある舞台ですし、東京が一番よく使っているので、これと言った特別な注文はありませんが、やはり良い成績が出てくれるのが一番ですね。
-:ありがとうございます。
プロフィール
【佐藤 良児】Ryoji Sato
1977年11月21日生まれ。中学卒業後に上野育成牧場で勤務し、競走馬の育成に携わる。その後競馬学校を経て、2004年にトレセン入り。2009年より栗田博憲厩舎に所属している。イスラボニータをデビュー時より担当。2014年皐月賞で、自身の担当馬による初めてのG1勝利を果たした。