アポロケンタッキーが、本来の先行策で念願の中央G1タイトルをつかむ。前走のJBCクラシックは中団を追走したが向正面で手応え怪しくなり、見せ場なく敗れた。担当の富岡潤助手は、敗因を「揉まれ弱いのがあるんじゃないか」と分析。状態の良さには自信を持って送り込む大一番で、山内厩舎のトレードマークであるピンク色のメンコがきれいな状態で最初にゴールを駆け抜ける。

誰もが「敵わない」と目を見張る体の張り

-:チャンピオンズカップ(G1)に向かうアポロケンタッキー(牡5、栗東・山内厩舎)ですが、JBCクラシックはまさかの敗戦。負けるにしても、見せ場がないとはビックリしました。レース前に色々伺っただけに、敗因を考えたところ、ブラジルカップのように2走ボケがあったのでしょうか。

富岡調教助手:そう願いたいんだけどね……。でも、揉まれ弱いのがあるんじゃないかと思うんですけどね。勝っている時の写真を見たら、どれもメンコが綺麗ですからね。

-:もしかしたら、大きいから外枠が良いんじゃなくて、揉まれ弱いから外枠が良いのかもしれないということですね。

富:もしかしたらね……。

-:それだったら、なかなか不思議ですよね。ここまで実績はあるわけですから。

富:掴みどころがないというか、昨日からもたくさん取材に来てもらっているんだけど、何とも言いようがないのも本音ですよね。

-:「もともと怖がりなところがある」とおっしゃっていたじゃないですか。もしかしたら、そういう意味では揉まれ弱さもあったり、残っているのかもしれないですね。

富:残っているのかもしれないですね。

アポロケンタッキー

▲状態の良さには手応えを得ているだけに、前走の敗因に首を傾げる担当の富岡助手

-:追い切りは順調ですか?

富:昨日(11/22)、坂路で52秒を一杯にやりました。輸送も(中京競馬場で)近いからプラス(体重に)なると思うんだよね。今日(11/23)量ったら584キロ。

-:そんなにあるんですか(笑)!

富:570キロ台でプラス10キロくらいで出るかもしれないですね。

-:そこらは想定内ということですね。

富:もちろん。全然どうもないですね。いつも言われるんだけど、人気のある時に勝たないでしょ?そのうち、どこかで来るよねと。確かにそうだよね。ちょっと評価を下げてから来るから。他の新聞屋にもよく言われますね。

アポロケンタッキー

-:前回のレース後、内田さんも報道陣に対してなかなかコメントがしづらそうでした……。

富:閉められて抑える気持ちも分かるけど、いつも同じことをしないといけませんからね。だから、この馬の調子は良かったから、それなりに期待はしている訳じゃないですか。他の馬とかを担当していたやつらも「体の張りを見たら、この馬には敵わん」と言ってくれていたくらい。誰もがこの馬を見たらそう思うもん。そう考えるとちょっと物足りないんだよな。ただ、結局ドロドロやったから。ドバイもあんな感じだったからね。(メンコの)ピンクが見えへん。この間もそんな感じだったから、馬も嫌な思い出だったのかもしれない。

-:大井も水分によって、けっこう変化がありますからね。

富:あそこは本当に特殊だわ。俺が言われたのは「外を回ったらリスクがある」と。(砂が)深いという意味で言ったと思うんですけど、深いからバテるような馬じゃないからとは思う。でも、地方の馬場は違うので、意外に走れるような気がするんだけどね。付いていければ、それなりに来そうだと思っているんだけどね。

-:チャンピオンズCはこの3年内枠が来ているので、そこはちょっと気になります。

富:そうですね。何なんだろうね。

-:伏兵が来たあたり、ある程度、溜めた方がという気もしますが?

富:むしろそういう形にはなるんだろうけど。

「胸前の筋肉が付いてきた。あんなになかった」

-:中央のタイトルも欲しいですね。

富:ぜひ獲りたいね。昔、厩舎にはヤマノウィザードというスゴい馬がいたけど、ディープ全盛の時代で、いい馬を入れていくのは簡単じゃないですからね。でも、観てもらったらわかるけど、胸前の筋肉が付いてきたよね。あんなになかったよね。

-:ここ最近のことですか?

富:最近。もちろんこの時季だから汗もかかないし、太くなることは当たり前ですから、どの馬にも言えるけど、それにしてもな……。でも、楽しみだね。

-:毛艶も悪くないですし、体調も良さそうですね。

富:これでも、ちょっと(毛は)伸びたんですよね。でも、毛艶は良いんですよ。だから、調子は良いんだよ。中身は不安なんだけど、ハハハ。どれだけ走るのかも定かではないし、不安要素は一杯あると言っちゃえばあるしね。

-:東京大賞典は使う予定ですか?

富:勝てたら、来年に向けて休ませる感じになるかもしれませんね。まあ、調教師が決めることだろうからね。ウチのテキはビビらんからね。本当に昔からそうだけど。

-:山内厩舎はビビらないスタッフの人ばっかりですね。

富:いや、俺らは心配な時はありますよ。でも、自分の本心を曲げないので、そういうところは本当に尊敬しますね。何とか馬に頑張って欲しいですね。

アポロケンタッキー

-:レースに向けていかがですか?

富:意気込みというのもコイツ次第だから、ハハハ。俺が多くを言うのもおかしな話で。

-:富岡さん自体は「馬が走るのが競馬だ」という考え方ですものね。

富:ですね。俺らがこうしたい、ああしたいと言ったって、そんなもんは無理な話であって、そういう風に描いたレース像だったら、誰でも簡単に勝てるだろうけど、まあまあ調子良く、あとは馬任せ、人任せですね、フフフ。

大好物バナナをペロリ!「毛艶、調子はいい」

-:アポロは、名前は何と呼ばれているのですか?

富:そう言われると、何も名前は付けていないなぁ。

-:熟年夫婦のアレみたいで、名前すら呼ばれないみたいな……?

富:ハハハ、たまにアポロくらいですね。

-:見た感じだと、バナナとかの方がよく食べるのですか?

富:バナナはメッチャ大好きですね。

-:さっき掻き分けて食べていたので。

富:バナナを持ったらスゴい顔をするので、写真を撮ったら良いですよ。スゴいでしょ。バナナを持つだけであんなんになるんですよ。カイバを用意するまで少し掛かるので、バナナを混ぜる時にもう見ているんですよ。そういうところを見ると動物ってかわいいなと思うけど、俺は別に生活しているから、動物がかわいだけじゃやっていけないからね。難しいところですね。でも、今回は頑張ってほしい。

-:ありがとうございました。

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