開幕日から、断然人気のトウショウジャイロが3着に敗れる波乱。スタートが遅れたせいもあるが、1週前の調教がやたら軽かったように調子のほうにも問題があったか。それでも超スローペースを3着まで押し上げたのだから、次走で期待したい。

 さて今週は、早期デビュー組の目玉と言えるミュゼモーゼス(牡、美浦・大江原、父ダイワメジャー×母チャールストンハーバー)が、東京芝1800m戦に出走予定だ。
3日の調教では併せた相手に先着したものの、終いは一杯で伸びももう一つ。それまでの調教に比べると不満が残るが、中間ソエが出て調整を軽めにした影響もあったのかもしれない。今週の調教をよく見ておかないといけないが、本来のデキならば初戦から勝ち負けは間違いあるまい。

ミュゼモーゼス
牡、美浦・大江原、ダイワメジャー×チャールストンハーバー
POGシメイ

ミュゼモーゼス

▲調教中のミュゼモーゼス


 東京のマイル戦で、血統的に注目したいのがクードラパン(牝、美浦・久保田、父ダイワメジャー×母ルシルク)。半兄のグランシルクはニュージーランドTで2着し、NHKマイルCで1番人気になった馬。その兄はデビューが11月末だったが、妹は半年近くデビューが早いように順調に調整が進んでいる。3日の調教は横山典騎手が騎乗して4Fから55秒台、最後1Fが13秒台を馬ナリでマーク。1週前にしては軽いが、2週前には4F53秒0-12秒8を出しており、仕上りは悪くないようだ。同レースにはアイスフォーリスの半妹リリカルホワイト(牝、美浦・相沢、父ダイワメジャー×母リリウム)も出走を予定。こちらは1週前にウッドで一杯に追われ67秒-13秒0をマーク。この馬も初戦から行ける態勢だ。

クードラパン
牝、美浦・久保田、ダイワメジャー×ルシルク
POGシメイ

 次週以降組で目立つのは、やはりプロディガルサン(牡、美浦・国枝、父ディープインパクト×母ラヴズオンリーミー)。ウッドで追われ、同厩の評判馬テオドール(牡、父ハービンジャー×母アンブロワーズ)に先着している。順調に行けば20日の東京でデビューとなる。

動きが目立っているのはオデュッセウス(牡、美浦・手塚、父ファルブラヴ×母ライツェント)。手塚厩舎では早くに3頭が入厩し、個人的にはアッラサルーテ(牝、父ダイワメジャー×母ラタフィア)に大きな期待をかけていたのだが、これが調教で動けず。逆にノーマークだったオデュッセウスのほうは好調教を連発している。3日はウッドで67秒0-12秒8(馬ナリ)の時計で、同厩のメロメロパンチに先着。母の兄にランフォルセ、ノットアローン、母の弟にノーザンリバー、そして一番姉の仔にダービー馬ロジユニヴァースと、一族は活躍馬が多数出ており血統背景は十分。馬主のユアストーリーは手塚厩舎とのラインでアイムユアーズが出ており、こちらの背景もいい。

プロディガルサン
牡、美浦・国枝、ディープインパクト×ラヴズオンリーミー
POGシメイ

オデュッセウス
牡、美浦・手塚、ファルブラヴ×ライツェント
POGシメイ

 栗東ではレッドリヴェールの半弟レッドヴェルサス(牡、栗東・須貝尚、父スウィフトカレント×母ディソサード)が目立ってる。先週の坂路で53秒6-12秒6(一杯)。デビュー予定の28日まで時間があり、現状でこれだけの時計を出せれば有望だ。
ちなみに同レースは現時点でポルトフォイユ(牡、栗東・高野、父ディープインパクト×母ポルトフィーノ)、ゴールドラッシュ(牡、栗東・池江寿、父キングカメハメハ×母ラティール)ら良血馬が出走を予定。宝塚記念と同日の芝1800m戦という状況を考えると、他にも期待馬が出てくると思われ、夏一番の注目新馬となりそうだ。

 新規入厩組に目を向けると、楽しみな馬が3頭。まずはG1馬ショウナンアデラの全弟アフェクテューズ(牡、美浦・手塚、父ディープインパクト×母オールウェイズウィリング)。姉同様新潟デビューか。
リーチザハイツ(牝、栗東・松田博、父ディープインパクト×母ドバウィハイツ)は、松田博調教師が来年の2月で引退なので、阪神JF狙いか。小柄な馬体で、もう少し成長が欲しい。
スピアザゴールド(牡、美浦・久保田、父ネオユニヴァース×母キューティゴールド)は半姉が秋華賞勝ち馬ショウナンパンドラで、近親のフェイムゲーム、ベルーフが活躍するなど活力ある一族。この馬も覚えておきたい。

ゴールドラッシュ

▲先日は全兄のヒットザターゲットが目黒記念を制したばかり 調教中のゴールドラッシュ