いつもはメンバーの厚い関西から話を進めることが多いのだが、今週は東京の芝1800戦が好メンバーとなりそう。

POG的に注目はラヴィエベール(牡3、美浦・藤沢和厩舎)。シルクRの募集価格が8000万円という期待馬で、デビューが待たれていた馬である。調教(特記されたもの以外は、1週前のもの)は藤沢厩舎なので特筆すべきものはないが、しっかり乗り込まれて初戦からいい競馬をしてくれるのではないか。

これに対するは東京HR軍団。レッドアルカナ(牝3、美浦・国枝厩舎)は、POG本取材時に、レッド軍団の中でも特に期待が髙かった一頭。デビューは遅くなったが、時間をかけてつくってきたこともあり調教の動きも上々。坂路でも余裕をもって53秒5-12秒7なら合格点だ。

レッドフレンジー(牝3、美浦・戸田厩舎)は、ウッドで68秒8-13秒7(馬ナリ)。普段の運動量が特に多い厩舎で、時計がこれだけ出ていれば、この馬も問題なし。

レッドイグニス(牡3、美浦・鹿戸雄厩舎)は、半兄にすみれS勝ちのロッカヴェラーノ、デビューから2連勝したロッカフェスタがいる。調教はウッドで71秒6(馬ナリ)と軽く見えるが、鹿戸厩舎はこの程度の時計でもしっかりレースで走れるので大丈夫だろう。

今世代で話題になった手塚厩舎のディープ三羽烏の一頭スカイムーヴァー(牡3、美浦・手塚厩舎)は秋デビュー予定もあったが、体がパンとせず放牧。ただ調教はウッドで70秒2-14秒1で併せた相手に遅れ。時計も平凡だ。だが陣営の感触は悪くない。「均整の取れた馬体。ひと追い毎に動きは良くなっているし、実戦の芝に行けば更に良さそう」と手塚師。これならレースへ行って大丈夫か。母はアメリカのG1ホース。三羽烏の一頭ハートレーはクラシック候補にも推されており、少しでも近づきたい。

スカイムーヴァー

体にメリハリが出てきたスカイムーヴァーがとうとうデビュー


京都では、芝2000m戦のアデプタスメジャー(牡3、栗東・西園厩舎)。2週前のレースを除外になり、先週使おうにもジョッキーは見つからず、2週延ばしてのデビューとなった。坂路53秒0-13秒1と水準の時計は出ており、初戦から行ける態勢にはある。半兄のケツァルテナンゴは新馬、中京2歳Sと2連勝。この馬も早くからの活躍に期待したい。

同レースには、先週除外になったストラーノ(牡3、栗東・長浜厩舎)も出走。1週前の水曜日の雪の影響か、代わりにやった土曜日の調教はかなり軽め。直前の調教をよく見ておきたい。

京都ダート1400戦は、阪神牝馬S勝ち馬アイアムカミノマゴを母に持つダノンフェイス(牡3、栗東・大久龍厩舎)。「時間をかけて調教を積んで、仕上がりは進んでいる。稽古の動きはいいし、これは走ると思う」(高野助手)と、陣営も力が入る。ここ2週の調教が坂路で52秒8-12秒1(一杯)、52秒9-12秒0(馬ナリ)と動いており、新馬戦から勝ち負けだ。

中京1600m戦も除外組は多数出走。ロゼリーナ(牝3、栗東・藤原英厩舎)は、全兄にジャパンC勝ち馬ローズキングダムがいるバラ一族の一頭。「血統的な背景からもいいモノは持っている。体の使い方など、バランスが整ってくれば良くなると思う」と藤原師。坂路では54秒8-12秒5(一杯)と、終いにいい脚を見せており、血統を含め先々まで楽しみだ。

レッドミモザ(牝3、栗東・松永幹厩舎)は、坂路で56秒2-13秒3(一杯)。1週伸びてもう少し良くなると思ったが、まだ物足りない面がある。母はGⅠ2勝のフラワーパーク、半兄は昨年の安田記念2着のヴァンセンヌという良血。レースでの変身に期待したい。

新規入厩組で目立つのは、シーオーク(牝3、栗東・安田隆厩舎)。アチコチに弱いところがあって、ようやくの入厩。半兄には3連勝したダノンフェアリーがおり、スピード競馬向きか。

ルルヴェ(牝3、美浦・鹿戸雄厩舎)も、トモの弱さがあり、じっくりつくってきた。おじにゴールドアリュールゴールスキーがおり、ダートでの活躍が見込める。

再入厩組には、半兄にリアファルクリソライト、半姉にマリアライトがいるアルマンディン(牝3、栗東・音無厩舎)が目玉。本来なら秋にデビューしていたはずだが、左トモに不安が出て放牧に出ていた。これはかなり楽しみだが、早くから能力全開するタイプではないの、春のクラシックは少々厳しいか。長い目で見ていきたい。