初めての個人所有馬ジャスタウェイがレーティング世界No.1の評価を獲得し、種牡馬に。
人並み外れた馬運の持ち主が脚本家という本業のキャリアを活かし、馬主ライフを書き下ろします。
『北海道へ行ってきましたその2』
2022/12/21(水)
皆さん、こんにちは。ライター大和屋です。先日北海道へ馬を見に行きました。コロナの影響で長い間、北海道へ行けていなかった状況でしたが、ようやく先日行くことができました。の二回目です。
北海道二日目は浦河の辻牧場を中心に回ります。最初に訪れたのはBTC、正式名称BLOODHORSE TRAINING CENTER 日本語で言うと軽種馬育成調教センターです。これはJRAが設立した育成施設で登録すれば誰でも使うことができるそうですが、とにかくその規模の大きさに圧倒されます。
見渡す限りの草原、遠くに見える坂路。屋内調教施設などなど、とにもかくにも『でかい!』というのがふさわしい立派な施設でありました。恥ずかしながらこんな施設があることを知りませんでした。
吉澤ステーブルや辻牧場など、各育成部門がここを利用していることを知りました。その壮大さを知るいったんとなることとして、調教を行う馬を我々見学の人間は車に乗っておいかけるのが普通のこととなっているようです。事前に説明されてなかったのでかなりカルチャーショックを受けました。
見学に行きます、行きますといいながら何年もの月日が流れてしまいましたが、とうとうここで辻牧場さんとの約束を果たすことができました。ここBTCの辻牧場の育成部門には、現在オツウの一歳が在籍しています。輪乗りの段階から人目でわかる派手なルックス。この仔がオツウの21、父ハービンジャーの男の子でございます。
きゅう舎から輪乗りで充分体をほぐすと隊列を組んで屋内馬場へと皆で向かっていきます。そこで何週かぐるぐる回ると、坂路に移動、坂を駆けあがってから、厩舎へと戻ります。1500㏊とか言われても大きさがまったく実感できませんが、とにかくすごい施設だったと言っておきましょう。
一歳馬の調教を見学した後は、辻牧場の各所に点在している私の愛馬達を見学していきます。ひさしぶりの再会のオツウさん。とにもかくにも再会できて嬉しかったのですが、足元が少しよくないようで、来年の種付けはスキップしたほうがよさそうとの報告を受けました。
立派な成績を子供達は残してくれていますので、とにもかくにも長生きしてくれることを願っております。次はマダムジェニファーの当歳です。
それからオツウの当歳。こちらはまったく特徴がない見た目、競馬場で会ったらきっとわからない自信がありますが、逆にそれが特徴かとも思ったりします。
そしてこちらが我が愛馬だったエオスモン(辻牧場さんに引き取っていただきました)の当歳です。皆かわいらしい顔をしておりますね。もう一頭、おまけでアドマイヤフジさんです。辻牧場で功労馬として余生を送っているそうです。
エオスモン当歳
アドマイヤフジ
さてここでもう一枚、マダムジェニファーの写真です。
今年種付けしていた仔は残念ですが、不受胎となりましたが、一年しっかり鋭気をやしない来年からよろしくお願いいたします。
というわけで辻牧場の見学は終了です。繁殖牝馬やらとねっこやらと違う部門で、それぞれ車で移動して見て回りました。辻牧場の全貌は私にはわからないままでしたが、こちらもかなり壮大な大きさだったと言っておきましょう。笑
辻牧場さんの見学が終了すると、昼食をとって車で一時間ほどの場所、ファンタストクラブへと到着です。
赤を基調としたおしゃれな建物が目を引きます。ここにはマダムジェニファーの一歳が育成されてます。西村厩舎に入厩する若駒は皆ここで育成することになるのです。ここも立派な屋内坂路が見えました。どこまでが施設だったのか全貌はわかりませんでしたが、とにかくここも広かったと記憶しております。マダムジェニファーの一歳、こちらも少し順調さを欠いているようですが、まだ一歳ですのでゆっくりやっていくとのことでした。頑張って成長してください。
こうして、北海道愛馬見学弾丸ツアーは無事見学をすることができました。同行してくださった中島さん、西村先生ありがとうございました!千歳から苫小牧、日高、浦河、様似と各所を縦断した見学ツアー。我が愛馬達は皆順調とは言えない状況ではありましたが、自分の目で見なければわからなかったことがたくさんありましたので、今回の旅行はとてもためになったと思います。とにもかくにもジャス君やオツウちゃんに会えてよかった。これを機に定期的に北海道へ行ければなあと思う大和屋でありました。
さて、気づけば今年もあとわずか、あまり頻繁には更新できませんでしたが、振り返れば年5勝、なかなかの成績だったと言っていいでしょう。悲しいことに口取りができませんでしたが、それは来年の目標としたいと思います。週末にもマジカルステージが登録していたりとかしていますので6勝目となってくれることを祈りつつ、有馬記念を楽しみにしている今日このごろです。
了
プロフィール
大和屋 暁 - Akatsuki Yamatoya
脚本家・作詞家・ライター。若くして一口馬主に出資を始め、クラブ馬主歴2年目にハーツクライと運命的な出会いを果たすと、有馬記念、ドバイシーマクラシックを制す大活躍。しかし、ノド鳴りによるアクシデントに見まわれ、突如として引退したことに一念発起、馬主になる決心を固めた。個人馬主としては、初めてデビューを果たした所有馬ジャスタウェイが大活躍の強運ぶりを発揮。遂には、目標であったドバイ遠征を実現させ、ドバイデューティーフリー(現在のドバイターフ)を圧勝。「自らの馬でドバイを勝つという」夢を実現させたばかりでなく、そのパフォーマンスが評価され、2014年度のワールドベストレースホースランキングでは、日本馬史上初の1位を獲得している。
現在の現役所有馬はカリボール、マジカルステージ、ジャスコ、キングロコマイカイ。一口馬主や共有馬ではアウィルアウェイ、ルーツドール、イストワールファムなどに出資している。
本業ではアニメ版「銀魂」、「スーパー戦隊シリーズ」などの脚本を手がけ、2020年公開の映画「デジモンアドベンチャー」も担当。愛馬との数年間に及ぶ足跡を綿密に綴った『ジャスタウェイな本』などの執筆も手がけた。