日本を代表する種牡馬を擁する社台スタリオンステーションの展示会・社台スタリオンパレードが2月7日(火)に行われた。世界にその名をとどろかせたモーリス、二冠馬ドゥラメンテなどが新たに加わり、ラインナップは一層充実。ディープインパクトなど名種牡馬たちの近影も含め、お届けする。
モーリス - Maurice -
牡6 ロベルト系
【堀宣行調教師のコメント】
「モーリスのストロングポイントはこの圧倒的な馬体にあると思います。香港国際競走に3度出走させていただきましたが、世界中のホースマンが驚きの声を上げるほどで、今世界的にも小柄でシャープな馬が種馬として実績をあげている中で、モーリスは特別な存在であると言っていいと思っております。この圧倒的な馬体から繰り出される爆発力をコントロールするのに役立っていたのが、丈夫な脚元と体だと思います。競走馬として伸びしろがある中での引退です。今後は2400mまで伸ばしても結果を出せるのではないかという手応えがありました。それは、このモーリスの子供達が証明してくれるのではないかと期待しております」
3歳時は未勝利に終わったものの、4歳1月に初勝利を挙げると、そこから転機に。瞬く間に4連勝で安田記念を制し、マイルの頂点へ。同年秋もマイルCSをぶっつけで制すと、香港マイルを快勝。
昨年はチャンピオンズマイルを快勝し、海外G1で連勝を決めたが、夏からは中距離戦に転じ、天皇賞(秋)、香港カップを連勝。
主な勝鞍:16年香港カップ(芝2000m)、16年天皇賞・秋(芝2000m)、16年チャンピオンズマイル(芝1600m)、15年香港マイル(芝1600m)、15年マイルCS(芝1600m)、15年安田記念(芝1600m)
ドゥラメンテ - Duramente -
牡5 ロベルト系
【堀宣行調教師のコメント】
「ドゥラメンテは私の調教師のキャリアの中でも最高に特別な馬でした。1歳の4月にドゥラメンテとあったのですが、その時の圧倒的なオーラで、その後の1歳の選定のハードルは一気に高くなってしまいました。毎年何100頭も馬を見るのですが、気にいる馬がほとんどいないというような状況になって困っています。
この背中から鼻孔にかけてのラインは、この牝系特有のものだと思うのですが、力強い飛節と合わせて競走馬の理想なんではないかと感じています。まだ後ろの馬体だとか、自分がキングなんだとアピールするような立ち振舞と合わせて、まだまだ競走馬として完成する前の引退で、この馬のパフォーマンスをしっかり出せれば、競馬史上最高の実績を上げる事が出来たのではないかと感じています。何年後かには、この社台スタリオンのキングになってくれるのではないかと思っています。
また、私が、ドゥラメンテの1歳の時に感じたような出会いを、この馬の子供とできればと期待しております。よろしくお願いします。」
祖母がエアグルーヴ、父がキングカメハメハという日本競馬を象徴するかのような血統背景の持ち主。皐月賞は3番人気の評価だったが、圧巻の末脚で差し切りをみせると、日本ダービーでも単勝1.9倍の支持にこたえ、2冠を達成した。
その後、骨折のアクシデントで3歳秋を棒に振り、4歳春はドバイSCに遠征。レース前に落鉄のアクシデントに見舞われたが、世界のポストポンドの2着に食い下がった。4歳夏の宝塚記念では2着入線後、故障を発症し、その後、引退の運びに。凱旋門賞挑戦の夢は産駒たちに引き継がれることとなる。
主な勝鞍:15年日本ダービー(芝2400m)、15年皐月賞(芝2000m)
ミッキーアイル - Mikki Isle -
牡6 ロベルト系
【音無調教師のコメント】
「まだ走れる体はしているのですが、急に引退が決まりました。2歳の秋からトップを走り続けて、3歳時はNHKマイルを制して、昨年はマイルチャンピオンシップも勝ちまして、GIを2勝を含む重賞6勝、通算8勝をマークしております。その勝ち方が全て逃げ切って勝ってくれました。また、マイルからスプリンターまでを見事にこなしてくれて、本当にスピードがあることを見せてくれたなと思っております。急に決まりましたが、みなさんよろしくお願いいたします。」
種付け料150万円。申し込み開始から1週間程度で申し込みが殺到しており、南半球からも依頼を受けている。
2歳秋のデビュー当初から類まれなるスピードをみせていたディープインパクト産駒としては珍しいスプリンター。5連勝でNHKマイルCを制し、3歳秋初戦もスワンSで古馬を一蹴。将来が嘱望されたが、4歳時は勝ち星にも見放された。
5歳を迎え、年明け初戦の阪急杯を制すると、高松宮記念、スプリンターズSと連続2着。そして、マイルCSでは3歳時以来となる待望のG1制覇。今年も現役続行も検討されたが、結果的に種牡馬入りとなった。
主な勝鞍:16年マイルCS(芝1600m)、14年NHKマイルC(芝1600m)
リーチザクラウン - Reach the Crown -
牡11 ロベルト系
現役時代はG1の頂きに手が届かなかったが(日本ダービーで2着)、新馬戦ではアンライバルド、ブエナビスタ、スリーロールス、エーシンビートロンら後の活躍馬たちに混じって2着。現在でも「伝説の新馬戦」と語り草だ。
アロースタッドで種牡馬入りし、現3歳世代の初年度産駒はシンザン記念勝ちのキョウヘイを筆頭に、2歳戦から早々と活躍。その活躍が目に留まり、社台スタリオンに移籍することになった。
主な勝鞍:09年きさらぎ賞(芝1800m)