マイペースの逃げでバンザイが新馬戦を飾る

トピックス

月曜京都5R
3歳新馬
芝1600m
勝ちタイム1.36.4

バンザイ(牡3、父タイキシャトル・栗東、藤岡健厩舎)

※※マイペースの逃げでバンザイが新馬戦を飾る

スッと先手を取ったバンザイ。道中ユッタリと進めて、4コーナーでは並ばれるシーンもありながらも、直線ではしっかりと伸びて快勝。2着には、もの凄い脚でローゼンケーニッヒが大外を突っ込んできた。1番人気のアドマイヤギャランは、3コーナー過ぎからいち早く手が動き出す手応えとなり、終いも伸びがもうひとつだった・・・。

ゲートの出があまり良くなかったのが、ローゼンケーニッヒ。1馬身ぐらいの差が出てしまった。スッと前へ出たのがメイショウオハツであり、内のバンザイも悪くない。先頭はメイショウオハツの方が取りそうである。3番手にローザロッチェがつけて行く。前の2頭では、今度は内のバンザイが体半分前に出た。しかしゆったりな流れ。それならばと、3番手ローザロッチェが先手という雰囲気を出すと、また内の2頭が少し前へ出た。その3頭から2馬身ぐらい後ろがレイズワークで、内ピッタリを行く。
サンマルクイーンに内からユウウイン。外をアドマイヤギャランが行くが、少し行きっぷりが良くなく見える。ローゼンケーニッヒは後ろから少し順位をあげたぐらい。前の3頭がけっこういい感じで行っているのに後続に続く馬達の手応えがあまり良くない。そうこうするうちにもう残り600メートルのハロン棒が近づく。

4コーナーのカーヴを廻る時には、3番手のローザロッチェの外にアドマイヤギャランが上がって来た。しかし鞍上の手は動いている。ローゼンケーニッヒが中団の外目を上がってくる。しかし、やはり同じように動いてくる馬がいるだけに、けっこうカーヴを大きく廻らせられる。

真っ直ぐの直線に入った。残り300のオレンジ棒を通過する時には、バンザイは今度はメイショウオハツとの差を1馬身と広げる。むしろ、内ラチ沿いをレイズワークが伸び出してきている。しかし先頭のバンザイは勢いが衰えない。鞍上の秋山Jの左ステッキが1発飛ぶ。そして少しずつ差を広げだす。
2着争いはレイズワークかと思えた瞬間に、外をローゼンケーニッヒが馬場のかなり外目、真ん中より外を1頭だけ違う伸びで迫って行く。しかしバンザイは内ラチ沿いに進路を取りながら、ゴールが間近となっている。それでもローゼンケーニッヒの伸びは凄く、小牧Jの手綱をシャクる度に伸びていき、かなり急接近したが1馬身と少し届かなかった。

バンザイは、着差以上に楽な勝利。前半の1000メートルを1.00.3で行き、最後を11.8~11.8でまとめてみせた。ローゼンケーニッヒの伸びは、レースの上がりを1秒以上も上回る35.0と、メンバー中随一のものであった。


月曜京都6R
3歳新馬
ダ1800m
勝ちタイム1.56.
1
フリートストリート(牡3、父Street Sense・栗東、角居厩舎)

※※ここも逃げ切り。1.6倍のオッズに応えたフリートストリート!!

圧倒的1番人気に支持されたフリートストリート。スッと逃げて、道中は引き付け逃げ。4コーナーを廻った時には4頭がまったくの横一線になったが、前半の貯金が大きく再び伸びてデビュー戦を終えた。2着はその横一線の一番外のローレルブレイズで、3着には6馬身もの差を空ける結末であった・・・。

スタンド前からのスタート。内からポンと出たのがフリートストリートの白い馬体。押しながら出て行く。外からスリートップガンも前へと出てきて、先手を奪う勢いで最初のカーヴへと入って行く。ここらまでが速かったが、その後でスリートップガンが行かないのを見てジワっとペースダウンをした岩田Jとフリートストリート。14.0と遅くなっている。その後も13.7~13.4のペースで行く。
向こう正面では、3番手にイイデリバイブで、その後がウインバトルシップとローレルブレイズが5番手。そのユッタリの流れの間に、馬の中をヴァイスヴェルトが上がって行く。そして後ろにいたパールダンシングが、一気に順位を上げて行く。
それまではゆったりと流れていたレースが忙しくなっていく。その動きに併せた形で、5番手ぐらいに位置していたローレルブレイズが動いて、前へと出て行く。ウインバトルシップが動いたのも、まさしく同じタイミング。結局は、パールダンシングはその流れについて行けなくなる。前は4頭が並んでカーヴへと入って行く。

一番内が逃げるフリートストリート。その隣りがスリートップガンで、さらにウインバトルシップ。その外へ真っ白な鼻面のローレルブレイズが並んで直線へと入ってきた。しばしその4頭の追い合いが続いたが、やはりマイペースで逃げたフリートストリートが譲らずに先頭のまま行く。
2番手には外のローレルブレイズが上がり、ウインバトルシップとスリートップガンが遅れ出す。フリートストリートは、結局は一度も自分の前に馬を出させないで先頭を守ってゴールイン。2着ローレルブレイズだが、3着にはゴール前でトニーポケットが猛追して、ウインバトルシップをハナ差かわわしていた。

フリートストリートの父ストリートセンスは、同じく角居厩舎のストリートハンターと2頭の勝ち馬の父となった。共にダートでの勝利。ケイコも動くし、実戦も鞍上の指示どおりに動けるフットワークの良さであろうか。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。