内枠を利して先行、そのまま押し切るエリモフラッシュ!

トピックス

土曜京都4R
3歳新馬
ダート1800m
勝ちタイム1.55.2

エリモフラッシュ(牡3、父ブライアンズタイム・栗東・藤原英厩舎)

※※内枠を利して先行、そのまま押し切るエリモフラッシュ!

朝は我慢していた雨空もこのレースの少し前ぐらいからまた降りだしてきた。明らかに先行有利な馬場。スッと逃げる気持ちで出て行ったエリモフラッシュ。1コーナーで内のヒカリサーベルが行きたがるのを見て2番手。後はそれを行かせてと終始楽な手応えで進む。直線もそのまま押し切って3馬身差で悠々とゴール。圧倒的1番人気に応えてのデビュー勝ちを飾った・・・。

返し馬であまりに鶴首のフォームで走るエリモフラッシュ。そんな凄い雰囲気を持った馬である。スッと出て先手かと思えたのだが、最初のカーヴで内のヒカリサーベルが気の悪い処を出す様な感じで前に出て行った。それを行かせて2番手で廻る。次の2コーナーも同じような格好で廻るヒカリサーベル。
向こう正面に入ったらやっとスムーズに行けた様子。後はペースもグッと落ち着いて淡々と流れる。

そのまま4コーナーを過ぎて、後はもうゴールへと進むだけ。そんな楽な競馬っぷりで勝ち上がった。
4コーナーも一番いい手応えで入ってきたエリモフラッシュ。この馬場で1000メートルを1.04.5のペースで楽に2番手キープの流れ。直線で追い出したのがキッチリと残り1ハロン棒から。福永Jが持ったままの手綱からゴーサインで追い出して、左ステッキを小刻みに4発ぐらい入れ、後は流し気味でのフィニッシュであった。それでいて3馬身差。まったくの省エネ競馬であった感じである。

2着にはその先行したヒカリサーベルがそのまま残り、3着には終始3番手を進んでいたセヴェルス。4着がジョナパランセ
2着から4着までの馬は内ラチ沿いで競馬した馬。勝ち馬も内々での競馬。緩い流れでもあり、先行馬ペース。やはり経済コースを通った馬が最後の詰めでも優位なのは歴然である。

ブライアンズタイムの子供だけに、ダートは滅法巧い馬かも知れない。まだネッキリの強い調教ではないと思えるだけに、今後がなお楽しみな馬でもあろう。


土曜京都6R
3歳新馬
芝1600m
勝ちタイム1.35.3

カレンブラックヒル(牡3、父ダイワメジャー・栗東・平田厩舎)

※※直線もまったくの馬なり。カレンブラックヒル、強い!!

小雨ながらシトシトと降り続ける淀の空。内からスッと行ったカレンブラックヒル。オソレイユと並んで行った時もあったが、終始楽な先行で4コーナーを廻る。馬場の内目を前に行った3頭と後続との差がグンと開いてしまった。その前3頭からメイショウモストロが脱落して残った2頭の決着となったが、カレンブラックヒルはもう馬なりに近い手応えで、ほとんど追わずでゴールへと進んでいった・・・。

スタート地点が少し観にくい感じだ。バラっとしたスタートだった様に思えたが、後で見るとカレンブラックヒルは少しアオって出た様子だった。横一戦の感じで誰が行くのだろうかと思えた。最初の1ハロンが13.1が物語っている。それでいて、2ハロン目が10.9と急に速くなっている。これは、誰も行かないのなら行くかと、けっこうな数の馬が行ったせいかも知れない。実際、リュドゥラペアプリコーゼプロフェッサー、そして内からカレンブラックヒルにオソレイユ、ショウナンマオと6頭ぐらいが密集している時間帯もあったぐらい。その後から段々と落ち着いて行く流れであった。

2ハロンを過ぎてやっと整理できたのか、先手がカレンブラックヒル、2番手にオソレイユ、アプリコーゼと並び、プロフェッサーがその後と、やや体勢は落ち着きだした。
3ハロンに入る時に、外目をメイショウモストロがやや掛かり気味に上がってきた。この時の通過ラップが35.8とマズマズである。

一旦前に出かかったメイショウモストロの動きを嫌って、もう一度内からカレンブラックヒルが行き、その動きオソレイユも押し気味で上がって行く。4コーナー手前では、前の3頭から3馬身から4馬身もの間が空いた瞬間もあったかも。
結局は内ラチ沿いを進むカレンブラックヒルがそのまま押し切ってしまった。2番手オソレイユには3馬身の差が開き、3着にはそこから1秒9もの差が開いてプロフェッサーが突っ込んできた。

最後の2ハロンが11.7~11.7と速く、オソレイユがステッキを入れたり押しているのに、カレンブラックヒルは涼しい顔をしてのゴールであった。
勝ち時計もまずまず悪くないものであり、次走がおおいに楽しみな勝ち方を見せてくれたカレンブラックヒルであった。


日曜京都3R
3歳新馬・牝
ダート1400m
勝ちタイム1.25.9

エディン(牝3、父ジャングルポケット・栗東・白井厩舎)

※※エディン、手綱を抑える余裕でデビュー戦を快勝!!

ゲートからの追い切りで104秒。これは新馬勝ちとしてのひとつのメドとなるタイムである。104.7の時計を正月4日にマークしてあるエディン。スタートも好発で内から出てきたウォータームージカを行かせての2番手。直線1ハロンでステッキを2,3発入れてうながした後は、もう手綱を抑える余裕でのフィニッシュ。時計はかなり短縮していたはずのデビュー戦余裕勝ちであった・・・。

雨が煙る2コーナー奥のスタート地点。やや見えづらい中でのゲートの出であった。外枠のエディンがやや外へ膨れ気味に出た。いきなり2馬身ぐらい前に出た形で圧倒的優位となる。後ろでもたついて出たのが、1番人気のエーシンルミナス。出た後もダッシュもない。
芝がなくなる寸前で、内からウォータームージカがジワーっと出てきて先手となる。そこでエディンが2番手となる。少し後ろにサカジロキクチャングランエクシットが続く。

2ハロンを通過するが、ピッチはさして上がらない。やや後続も差を詰める。最内フレンチトーストキーパップもついてくる。後ろではエーシンルミナスが後ろから3番手まで順位を上げた。
全体の流れはユッタリと進む。3ハロンを36.7と、この距離にしてはかなり遅い。そのまま大きな変化はなく4コーナーまで進む。

エーシンルミナスは中団より後ろだが最内を進む。4コーナーへ入る時も前に11頭がいる位置。だいぶ前との間隔はなくなってきてはいるが、とてもの位置ではあった。
4コーナーを前の3頭が並ぶ。内からウォーターカージムにエディン。その外にキーパップだが、あきらかにエディンの手応えがいい。

もう少しで残り1ハロン棒というあたりで追い出したエディンの小牧J。左ステッキを1,2発、そしてもう1発入れた。
追走する2頭の脚色が鈍り出す。内目からフレンチトーストの脚色が少し目立ってくる。と思った瞬間に、外からエーシンルミナスの、和田Jの左ステッキが連発する。伸び脚が加速して、エーシンルミナスが単独の2番手に上がり前を追うが、その前は完全に流し気味となっているエディンが、悠々とゴールを過ぎていった。

前半3ハロンと後半の3ハロンは同じ36.7のレース。実際にはエディンはもっと速く、もっと切れる脚の使える馬のはず。着差以上に相当強さを秘めているものと思える。次走が芝なのかもふくめて楽しみな馬である。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。