【川崎記念】9連勝スマートファルコンに武豊騎手「ドバイへ行きたい」

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圧倒的なパフォーマンスで2010年のJBCクラシック以来、8連勝の無敗街道をひた走るスマートファルコン(牡7、栗東・小崎厩舎)。
これまでの道程には東京大賞典で驚異のレコード勝ち、JBCクラシックでトランセンドを撃破など、名実共にダート界のトップに君臨する走りをみせてきたが、前走の東京大賞典では、僅か3.5cmという僅差での辛勝。絶対王者にも「陰りがみえたのでは?」と一部では囁かれたが、そんな心配をよそに、川崎記念で前走の鬱憤を晴らす勝ちっぷりをみせた。

この連勝期間中、その全ての手綱をとってきた武豊騎手はこう振り返った。
「今日のパドックでは『落ち着き過ぎなんじゃないか?』と思うくらい、リラックスしていましたね。それでも、スタートはこれまで以上に特段速かったし、このところ、3コーナーでは自分から行こうとしていかないところがあるので、早目にゴーサインを送るだけ。最終コーナーからはいつもの走りでした」

レースでは観衆も驚くほどの好スタートから、初めての川崎コースも物ともせず、スイスイとコーナーを回ってくると、最後の上がり3ハロンも38秒5で纏めた。これではピッタリとマークをしてきたフリオーソ、追い上げるランフォルセも追走が精一杯。
マークした2分10秒7は武豊騎手が主戦騎手を務めた砂の王者・ヴァーミリアンが持っていたレコードを、なんと2秒も上回る驚愕のタイムをたたき出す圧巻の走りをみせた。

やはり、今後の焦点はドバイ遠征。選出されるにはレーティングも判断基準として考慮される。
「ファルコンはレーティングが118ポンドしかなくて、トランセンドはその上ですけれど、向こうもプロですからね。ファルコンのパフォーマンスを観てくれているでしょうし、ドバイの方々に『お願いします』と伝えて欲しいです(笑)」と小崎調教師も世界の舞台へ意欲を燃やしている。

これまでにもスマートファルコンにドバイを意識するコメントを残していた名手だが、改めて、海の向こうへ向けて、その視線を向けた。
「去年一年間も勝ち続けましたし、『今日は絶対に落とせない』と思っていました。実力は観ての通り世界クラスのもの。スタンドからも『ドバイで頑張って欲しい』と声援をいただいたように、ドバイへ行ってみたいですね」武豊騎手。

明け7歳を迎えたが、まだまだ止まらぬ快進撃。日本のダートチャンピオンが世界の頂きを目指し、羽ばたこうとしている。

(小崎調教師のコメント)
「前走が勝ちはしたものの、不甲斐ない内容だったのでホッとしました。この中間はレース期間が詰まっていたので、緩めることなくシェイプアップすることに務めました。 初コースに対する戸惑いは少なからず、ファルコンにはあったと思いますが、レースでも気にするところはなかったですし、いい状態で走ってくれました。“9連勝”というのはグレード制導入後、初めてのことなんじゃないかと思います。 これまれにやれる事はやったつもりですし、ドバイには選んでいただければ、オーナーと検討して行けるよう考えたいと思います。平日ながら、沢山のファンが詰めかけてくれましたが、今後も強いファルコンをおみせできるよう努力していきたいと思います」