リョウマが行く、クロフネ産駒、と日本の夜明けだ!

トピックス

土曜京都4R
京都記念(GⅡ)
ダ1400m
勝ちタイム1.26.2
マルカリョウマ(牡3、父クロフネ・栗東、増本厩舎)

※※リョウマが行く。クロフネ産駒、と日本の夜明けだ!

2週間前に武豊Jで登録をして除外された時でも、ケイコ時計は十分だったマルカリョウマ。さらにケイコの数を踏んで万全の構え。それでも実戦では若いところを見せていた4コーナーまでだったが、後は資質の違いで後続を引き離す一方だった。速いペースで逃げたテイケイフロックスをかわして、後は流してのゴールだった・・・。

ビデオで見ると、4コーナーから直線に入ってきた時に、鞍上の川田Jが左手綱の処にある左ステッキを小刻みに使って、外から促しているのが見える。気合をつけながら、前へのゴーサインを出していたのだろう。逃げ込みを図ろうとするテイケイフロックスを捕えるのにけっこう長い脚を使っての追撃、残り100メートルあたりでやっとその勢いに優りだして追い越して行ったが、まだ仕掛けの手は緩めていなかった。

そのテイケイフロックスだが、先頭を奪ったのは2ハロンを過ぎていたぐらい。前にポエティカル、その外にリアライズカレボと、先に行っていた馬の内から前へと出ていったもの。前半3ハロンが35.8と、新馬戦ではかなり速い入りとなったのも、そんな流れだったかも。
その後の1000メートル通過も1.00.7と速いペースは続く。それでいて上がり3ハロンもいずれも12秒台。かなりマルカリョウマが脚を使っているのが判る。
少し離れた3着には、リアライズカレボと前へ行っていた馬が残る流れだった。が、勝ち馬が一番の脚を使っていた。

スタート直後は外へやや逃げ気味な感じだったマルカリョウマ。芝からダートへと替わるあたりでは大きく飛んでもいる。その後も物見とか若さがタップリだった様子。まずはケイコで動いたとおりの結果を出して、新馬戦をクリアした。これから芝を使うのかダート路線を歩むのかは、聞いてみたいものである・・。


日曜京都5R
3歳未勝利
芝外1800m
勝ちタイム1.51.6
 マウントシャスタ(牡3、父ディープインパクト・栗東、池江厩舎)

※※ここもディープインパクトの子、マウントシャスタが制す!

勝って引き上げてきたマウントシャスタ。ブヒブヒいいながら帰ってきた。パドックから若いところを見せていたが、レースでもまさしくそのまんま。フワフワしながら勝ってしまうあたりが素質の良さなのだろうか。『パワースポット、サンフランシスコの山の名』が馬名の由来だそうだが《引き》のある馬に成長していくのだろう。またまたディープインパクトの子供がデビュー勝ちを飾った、そんな新馬戦でもであった・・。

もう残り少ない今年の新馬戦のせいなのか、ディープインパクトの子供が出るのだからか、パドックはけっこうな人だ。マウントシャスタの圧倒的な人気にも驚く、が、1頭だけ見習い騎手が跨っている馬にビックリする。ケントリューズ、ステイゴールドの弟であり馬っ気もある。パドックを見終えて馬場入りとなる。それぞれの返し馬もジックリと見る。やっぱり上位人気馬のキャンターは悪くないと感心する。

ゲートが開いた。しばらくはジワっとして誰がどう出るのかと静観している感じであったがその中から逃げたのはシゲルデリシャスアドマイヤラックヒルノアロマムが続く、予想どおりユッタリの流れでレースでは進む。マウントシャスタも絶好の位置での競馬だ。3コーナーから下っていくが流れはまだ速くならない。1000メートルが1.03.4とやはり遅い。4コーナー手前では、かなり団子状態となってきている。マウントシャスタの外に、同じくディープインパクトの子供ドウニカナルデショが被さる様に上がってくる。

その動きと併せる様に直線に入ってきた。そこらでは少し外へ膨れたのか福永Jが手綱で矯正しているのが見える。前の馬の動きとかで外へやや流れたりしてようやく真っ直ぐにゴールの方を向かう。まだ横に馬がかなり並んでいる。そこを抜けて行く時に福永Jの左ステッキが入ってゴーサインを出されるとすっと前へと推進する動きに変わる。内ではコーナーポケットがスルスルと出てきていた。しかしそれを上廻る脚色でマウントシャスタがゴールを目指して行く。その後ろからカポーティスターが弾ける様に追ってきたが前を捕える勢いではない。コーナーポケットをかわしてのゴールだった。

抜け出して最後は少し流し気味にも見えたマウントシャスタ。4コーナーの廻り方とか、前の馬の動きに合わせる様に外へ流れたりと若さが随分と目立ったマウントシャスタだが、それでも最後はキッチリと脚を見せて新馬勝ちを収めた。
2着カポーティースターは、4コーナーで馬込みの中で鞍上が押している動きでがあったが直線では反応良くいい伸びも見せていた。
3着のコーナーポケットも悪くない内容。
3番人気アドマイヤラックは、直線ではもう伸びがなかった。

キラウエア、ボレアスが兄馬のマウントシャスタだが、芝で勝ち鞍も、新馬勝ちも兄たちが果たせなかったのをいとも簡単に達成した。
まだまだ若さが表に出過ぎているが、それもこれからの成長で気にはなるまい。まずは着実に歩みだしたものであった。

平林雅芳 (ひらばやし まさよし)

競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。