-阪急杯-平林雅芳の目

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日曜阪神11R
阪急杯(GⅢ)
芝1400m
勝ちタイム1.22.0

マジンプロスパー (牡5、父アドマイヤコジーン・栗東、中尾厩舎)

※※早めに抜け出してマジンプロスパー、重賞初制覇!!

ややスタートで出の悪かったメモリアルイヤーだが、やっぱり内から出ていく。造った速い流れは、1000メートル通過57.7だ。その流れを3番手で4コーナーに入ってきたマジンプロスパー。直線半ばで坂を上がったあたりでスッと抜け出し2馬身ぐらいも差をつけた。スプリングサンダーが外から少し差は詰めてきたが、楽勝と言える程の差であった。大魔神の持ち馬が、またまた重賞制覇。魔球が冴えわたる勢いを感じるものだ・・・。

大外枠のサンカルロ、それだけでも嫌な枠なのに、ゲートが開いた瞬間に他のどの馬よりも後ろと思えたぐらい。中でアンノルーチェグランプリボスも悪かったが、視線はサンカルロを捕えていた。オーセロワとマジンプロスパーがいち早い出。どうやらオーセロワが行くのだと思えた1ハロン少し前で、メモリアルイヤーが内から追い上げてきて先手を取っていく。キョウワマグナム、マジンプロスパーにエーシンリジルが好位グループを固める。オーセロワもそうたやすく先手を譲る気持ちがない様で、2ハロン過ぎにやっとメモリアルイヤーが先手となる。

ドンドンと飛ばすメモリアルイヤー。1馬身後ろにオーセロワを連れて3ハロンは33.7の通過だ。過ぎたあたりからやや流れが落ち着き出した感じ。オーセロワのすぐ後ろをキョウワマグナム、マジンプロスパー、ヘッドライナーと続く。その好位グループはますます前との差を詰めて、4コーナーのカーヴにさしかかる時には、もうオーセロワの隣りに馬体を並べる程の勢いだ。
サンカルロはと見ると、馬群の真ん中の外め。おそらく一番外を走っている様子だ。最後方はアンノルーチェで、少し前の内にグランプリボスがいるが、馬群はそう縦長ではなく小さくまとまっている。

カーヴを廻って直線へと向いた時には、もうマジンプロスパーが鞍上の浜中Jが抑えきれないぐらいの手応えで、馬は首を使って前へ前へと行きたがっているほど。馬群から1馬身前に出ている。
大外では、スプリングサンダーの勢いがすぐ後ろのサンカルロより優って、前へと出てきた。

早くも追い出したマジンプロスパー。後続との差を3馬身と開き、内ラチ沿いを進む。外ではスプリングサンダーが完全に2番手に上がるが、サンカルロも伸び出してきた。ガルボは4コーナーに入る時に前が窮屈になった様子で、手綱を引っ張るのが見えた。やはり位置が後ろ過ぎる。マジンプロスパーのリードも先ほどよりは少なくなった様だが、それでもまだセーフティリード。スプリングサンダーの勢いも、前を捕える程ではない。浜中Jが手綱を一生懸命しごいてしごいてうながして、ゴールを捕まえた。
内でグランプリボスの勢いが目立っていたが、時すでに遅し。ガルボより前に入ったが4番手までだった。

この速い流れを積極的についていけるマジンプロスパーの速さ。同じ阪神で下級条件とは言え、1.19.9で逃げ切ったことのあるスピード。昇級2戦目で休み明け2戦目と走れる要素があったにしろ、この競馬は強い内容であった。
つい先日に大魔神の所有馬が重賞初制覇の快挙を観たばかりだったが、今度は2勝目と、いやはや快速ぶりは変わらずだ。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。