-大阪杯-平林雅芳の目

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日曜阪神11R
大阪杯(GⅡ)
芝2000m
勝ちタイム2.05.5

ショウナンマイティ(牡4、父マンハンタンカフェ・栗東、梅田智厩舎)

ショウナンマイティ、まとめて差し切る豪脚復活だ!!

久しぶりに戻った空模様。しかし馬場は内側が荒れて見える。しかし予想どおりに遅い流れとなった。その流れを演出したトーセンジョーダンと、3番手で辛抱させていたフェデラリストの追い合いとなった直線残り1ハロン。フェデラリストが優勢と思った瞬間に馬場の大外を、それこそ脚の違いで駆け抜けたショウナンマイティ。
明らかに色の違う芝の部分を通って来て脚があったのは判るが、この前残りの緩い流れで4連勝馬と天皇賞馬を抜き去ってしまい、ゴールまで脚がまだ余っており、浜中Jの大きなアクションまで披露するで時間があったもの。
3歳時の、あの強烈なショウナンマイティが戻ってきたかの様な勢いだった。

火曜の朝にスタンド2階で梅田智師と握手。『いや~、良く届きましたよ~』続けて『場内放送の《前半1000メートルが1分5秒ぐらいで行きました!》でオーナーも《届かない》』と思ったと言ってました。浜中Jに『良く辛抱できたな~』と言ったら『腹をくくってた』でしたよ。『いや~、あの流れを良く差し切ってくれました』とと満面の笑顔で語ってくれた。

意外にもトーセンジョーダンが先手を取る競馬となり、淡々と進む流れ。4番手につけて折り合いも十分な横山典Jのフェデラリスト。その後ろにナカヤマナイトアーネストリーで、中団ぐらいの位置。最後方のメイショウカンパクとショウナンマイティでは先頭から8馬身ぐらいだが、内回りでのスローな流れ。実際は1.05.2で通過であった。
1400を通過して、ショウナンマイティの前でレースをしていたダンツホウテイが少し順位を上げ、目の前を走っていたナリタクリスタルも前と出て行ったが、ショウナンマイティはそれ程に動いた感じは見せていなかった。
4コーナーのカーヴに入った時には、先頭のトーセンジョーダンに覆い被さるように2番手のコスモファントムが出て行き、その直ぐ後ろにフェデラリストが絶好の手応えで待っているのが見えた瞬間、フェデラリストで仕方がないと思えたほどであった。

直線に入って来てすぐに先頭にコスモファントムが上がった様子にも見えた。その外からフェデラリストが出る勢いで並んで行く。残り300のオレンジ棒を過ぎたあたりで、もう一度内からトーセンジョーダンが差し返し気味に出てきた。
残り100のあたりでは、先頭となったフェデラリストにまた喰らいついていくトーセンジョーダン。後続ではもう届かないと思えた時に大外、それも1頭だけ、馬群の外目からショウナンマイティが猛然と襲いかかって来ているのが目についた。内で競り合うフェデラリストとトーセンジョーダンの2頭とは、完全に脚色が違うショウナンマイティの脚である。
直線半ばまでステッキで追っていた浜中Jだったが、もう手綱を持ったままでゴールを迎える程の余裕さえあった。ゴールと共に浜中Jの右こぶしの小さなガッツポーズで通過して行った。

ローズキングダムが4着と悪くない伸びを見せていたが、ショウナンマイティの凄い脚とはあきらかに差があった。ゴールまでの3ハロンが11.9~11.2~12.2と、最後の1ハロンがこの流れで少しタイムがかかったのもあろうが、それにしてもショウナンマイティの鬼脚であった。
3歳時には一番切れる馬の印象を持っていた馬である。今年の緒戦の前走が差し届かなかったのは、久々もあったのだろう。一度使って、本来の切れる脚を出せたものであろうが、ようやく本来のショウナンマイティを観た感じだった。
梅田智師は『この後、放牧に出して宝塚記念に行きたいですね~』と締めくくってくれた。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。