ダビルシムとブラックキャヴィア…和田栄司コラム

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4月15日、仏パリのロンシャン競馬場で行われたG3フォンテーヌブロー賞に、仏産ハットトリックの3歳牡馬ダビルシムが出走しました。5戦5勝無敗の欧州2歳チャンピオン。レースは6頭立てで行われ、クリストフ・スミヨン騎乗の同馬は4番手からレースを運びました。直線に入って残り200mで先頭に立ち、1馬身半差の5番手でレースを運んだドラゴンパルスが一旦突き放されたものの、最後まで諦めずに追ってラストストライドで短頭差の逆転。ダビルシムの連勝は5でストップしました。スミヨン騎手は「失望はしていないよ。早い段階からハミを気にしていたが、直線に入ってからは問題なく、リードした時は簡単に勝てると思っていた。しかし、プーランは自信があるよ」と、5月13日に行われるプールデッセデプーラン(仏2000ギニー)に自信を覗かせました。

20連勝に向かうブラックキャヴィアのレースが、ピーター・ムーディー調教師から発表になりました。最後までどちらを使うかで注目された、4月28日アデレードのモーフェットヴィル競馬場で行われる総賞金40万豪ドルのG1スポーティングベットクラシックと、5月12日、同じモーフェットヴィル競馬場で行われる総賞金50万豪ドルのG1グッドウッドS、最終決定を下す17日の発表はどちらも使うことでの決着でした。

ベルエスプリットの5歳牝馬ブラックキャヴィアは、デザートゴールドやグロウイングと並んで目下19連勝の記録に並んでいます。11日、半妹になるリダウツチョイスの牝馬が、豪州イースター・イヤリング・セールで2600万豪ドル(約2億1760万円)の高値で取引され、また14日には父親がカジノプリンスに代わる2歳の半弟オールトゥハードがランドウィック競馬場のG1サイアーズプロデュースSに挑戦しました。残念なことにオールトゥハードはG1馬ピエロに敗れ、4戦目にして初の敗戦を喫しています。

ブラックキャヴィアは17日のコーフィールド競馬場で行われた調教で、800mを45秒99で駆け抜けるほど、パーフェクトな仕上がりを見せ、2月18日以来となるレースに戻って来ます。アデレードで2走、ゼニヤタの19連勝を超える20連勝、21連勝の記録を達成した後はイギリスに渡り、6月23日ロイヤルアスコット開催のG1ダイアモンドジュビリーS、7月14日にはニューマーケット競馬場で行われるG1ジュライカップ出走が予定されています。世界が注目するイギリスへの旅立ちは、いよいよ4月28日のレースから始まります。


海外競馬評論家 和田栄司
ラジオ日本のチーフディレクターとして競馬番組の制作に携わり、多岐にわたる人脈を形成。かつ音楽ライターとしても数々の名盤のライナーを手掛け、海外競馬の密な情報を把握している日本における第一人者、言わば生き字引である。外国馬の動向・海外競馬レポートはかねてからマスメディアで好評を博しており、それらをよりアップグレードして競馬ラボで独占公開中。