好勝負必至!香港馬2頭が来日

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安田記念に出走する香港馬2頭が22日、日本に到着した。グロリアスデイズとラッキーナイン、どちらも狙ってみたい安田記念の期待馬である。

ハゾネットの4歳セン馬(豪州産で日本では欧米式に5歳で表記)のグロリアスデイズはジョン・サイズ厩舎の若い馬である。昨年3月にニュージーランドのテラパ競馬場でメイドンデビュー、3馬身差圧勝した。香港では11月、クラス3の格付けでデビュー、1400m戦を4連勝してクラス1まで勝ち上がった。3月4日の香港G1クイーンズシルヴァージュビリーカップでは、ラッキーナインに頭差まで迫る2着、初のマイル戦となった4月1日の香港G2チェアマンズトロフィーではアドマイレーションのクビ差に迫る2着、そして6日のG1チャンピオンズマイルではエクステンションの半馬身差に迫る2着、なかなか勝ちきれないが底を見せていない。

競走成績は8戦5勝、2着3回。マイル戦の持ち時計は、チェアマンズトロフィーの1分34秒46。香港ではゲートのマグネットの電源が切れて開いた瞬間から時計が動くが、日本ではスターターの車の横に黄色い旗を持った人がいる。正常なスタートであったと確認された後、旗が振り落され時計が動く為、少なくとも1.3秒から2.0秒の誤差がある。従ってグロリアスデイズの時計は、日本式に置き換えれば1分33秒33から1分32秒46の時計だと思って頂きたい。左廻りコースはテラパのデビュー戦で経験している。それにまだ4歳で順応性も高い点が魅力だ。

ドバウィ産駒の5歳セン馬、ラッキーナインはアイルランドで生産された。アイルランドではダンドルク競馬場のポリトラックで2着、3着の後、ナース競馬場で勝ち上がった。昨年の香港G1クラシックマイル勝馬だが、秋は日本でG2セントウルS2着、G1スプリンターズS5着の後、暮れのG1香港スプリントを制した。マイル戦は全てシャティン競馬場、クラシックマイルでエクステンションに勝った後は、昨年のG1チャンピオンズマイルでエクステンションの半馬身差2着、また先のチャンピオンズマイルではエクステンションの1馬身差3着している。競走成績は25戦9勝、2着7回、3着5回。

キャスパー・ファウンズ調教師は、マイルでの走りも観て頂きたいと前回の来日時に言っていたがそれが実現の運びとなった。特にマイル戦では積極的に前々競馬を心掛けているのがスプリント戦とは違う点である。但し、最近の香港のマイル戦はペースが速くならない為、日本で前々競馬が出来るかはペース次第だろう。持ち時計はクラシックマイルを勝った時の1分34秒25、マルチグローリーの飛ばした4~5番手からの位置取りで、直線抜け出したレースが出来れば大いに期待は膨らむ。

グロリアスデイズにダグラス・ホワイト騎手、ラッキーナインにブレット・プレブル騎手という香港のリーディング1、2位騎手の参戦で面白いレースになりそうだ。


海外競馬評論家 和田栄司
ラジオ日本のチーフディレクターとして競馬番組の制作に携わり、多岐にわたる人脈を形成。かつ音楽ライターとしても数々の名盤のライナーを手掛け、海外競馬の密な情報を把握している日本における第一人者、言わば生き字引である。外国馬の動向・海外競馬レポートはかねてからマスメディアで好評を博しており、それらをよりアップグレードして競馬ラボで独占公開中。