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再注目のインヴィンシブルスピリット[和田栄司コラム]
2012/8/8(水)
5日、仏ノルマンディーのドーヴィル競馬場で行われたG1モーリスドゲスト賞(芝1300m)は、ティエリ・ジャルネ騎乗の昨年の勝馬ムーンライトクラウドが、3番手から追走し、残り250mで抜け出し5馬身差で圧勝した。さすがにロイヤルアスコットのG1ダイアモンドジュビリーSで最強スプリンターのブラックキャヴィアに頭差まで急追した馬、1番人気に応えるパーフェクトな勝利だった。短距離戦の圧勝と言えば、先月14日、英ニューマーケット競馬場で行われたG1ジュライカップ(芝6F)で、G3勝馬メイサンが、センター5頭(出走馬12頭)の先頭を走り、5馬身差で圧勝している。
2頭に共通するのはインヴィンシブルスピリット産駒の4歳馬、メイサンは牡馬でムーンライトクラウドは牝馬である。インヴィンシブルスピリットはグリーンデザート産駒で、現役時17戦7勝、2着1回、3着1回。ヘイドック競馬場のG1スプリントカップで有終の美を飾り種牡馬になった。初年度から2歳戦でブレイクし、2007年のロウマンを筆頭に、フリーティングスピリット、ヴェイルオブヨーク、ヨーゼイ、フーレイ、ムーンライトクラウド、メイサンの7頭が、英、仏、米、豪でG1馬になっている。
ムーンライトクラウドはジョージ・ストロウブリッジの自家生産馬である。スペクトラム産駒の母ヴェンチュラは、今年のG2ナショナルSを勝ったプロバブリーの母ウエディングモーンの半妹にあたり、ウエディングモーンは母ウエディングブーケから生まれ、ウエディングブーケの母ドフザダービーはクラシック勝馬のジェネラスやイマジン、それに愛1000ギニー2着のストロベリーモーンを輩出した家系である。2年前の夏にドーヴィル競馬場の1300m戦を勝ち、昨年と今年のモーリスドゲスト賞を連覇、ムーンライトクラウドは、ドーヴィル競馬場の1300mで3戦3勝の成績を誇り、通算成績は12戦7勝、2着2回である。
かたやメイサンは、4歳になった今季、ドンカスター競馬場の準重賞で3着の後、ニューマーケット競馬場で準重賞とG3パレスハウスSを連勝、G1ジュライカップを勝ってニューマーケット競馬場では3戦3勝、通算成績を17戦5勝、2着3回、3着3回とした。ニューマーケットのチェヴァリーパークスタッドは、この程権利の大半を購入、来季からの種牡馬生活に備えているが、競走は今季一杯、現在のデヴィッド・アームストロング氏の勝負服で出走する。この後の最大の目標は9月ヘイドック競馬場で行われるG1スプリントカップ、間隔が空いているので24日ヨーク競馬場で行われるG1ナンソープS出走も可能性がある。
2頭のG1馬を送り出したインヴィンシブルスピリットは、愛ナショナルスタッドで繋養され、2012年の種付け料は6万ユーロ(約582万円)である。
週末の11日、英アスコット競馬場で行われる国際騎手招待、第13回シャーガーカップに出走する騎手が、6日アスコット競馬場のパドックに集合、デモンストレーションを行った。シャーガーカップは、1999年にグッドウッド競馬場で始まったが、2回目の2000年からアスコット競馬場が常打ちとなった。近3年はアイルランド選抜が3連勝しているが、今年は組み合わせが変わった。
参加騎手は12名、それぞれ3名ずつのチームを組み、レーティング76~95から86~105の馬が選出され、ハンディキャップ戦を計6レース、各騎手は5回騎乗してポイント制で争われる。
ザガールズ(女性選抜)は、29才のヘイリー・ターナー騎手をキャプテンに、北米カナダから30才のエマ・ジェーン・ウイルソン騎手、36才のシャンタル・サザーランド騎手がチームを組む。
ヨーロッパ(欧州選抜)は、ミラノ生まれでゴドルフィンの主戦ジョッキーを務める41才のフランキー・デットーリ騎手をキャプテンに、ウイーンで生まれドイツで活躍する40才のアンドレアス・スボリッチ騎手、イタリアのまだ20才の若いクリスチャン・デムーロ騎手がチームを組む。
レストオブザワールド(世界選抜)は、43才の武豊騎手をキャプテンに、アメリカの42才のアーロン・グライダー騎手、香港生まれの22才のマシュー・チャドウィック騎手がチームを組む。
グレートブリテン&アイルランド(英愛選抜)は、2003年の第5回大会でシルヴァーサドル賞に輝いた47才の大ベテランのキーラン・ファロン騎手をキャプテンに、42才のジョニー・ムルタ騎手、23才の若いジェームズ・ドイル騎手がチームを組む。
最高ポイントを挙げた騎手に与えられるシルヴァーサドル賞、キーラン・ファロン騎手を除いては全て初めて、さてどの騎手が1番輝くか、今週土曜日のアスコット競馬場に注目しよう。
海外競馬評論家 和田栄司
ラジオ日本のチーフディレクターとして競馬番組の制作に携わり、多岐にわたる人脈を形成。かつ音楽ライターとしても数々の名盤のライナーを手掛け、海外競馬の密な情報を把握している日本における第一人者、言わば生き字引である。外国馬の動向・海外競馬レポートはかねてからマスメディアで好評を博しており、それらをよりアップグレードして競馬ラボで独占公開中。
2頭に共通するのはインヴィンシブルスピリット産駒の4歳馬、メイサンは牡馬でムーンライトクラウドは牝馬である。インヴィンシブルスピリットはグリーンデザート産駒で、現役時17戦7勝、2着1回、3着1回。ヘイドック競馬場のG1スプリントカップで有終の美を飾り種牡馬になった。初年度から2歳戦でブレイクし、2007年のロウマンを筆頭に、フリーティングスピリット、ヴェイルオブヨーク、ヨーゼイ、フーレイ、ムーンライトクラウド、メイサンの7頭が、英、仏、米、豪でG1馬になっている。
ムーンライトクラウドはジョージ・ストロウブリッジの自家生産馬である。スペクトラム産駒の母ヴェンチュラは、今年のG2ナショナルSを勝ったプロバブリーの母ウエディングモーンの半妹にあたり、ウエディングモーンは母ウエディングブーケから生まれ、ウエディングブーケの母ドフザダービーはクラシック勝馬のジェネラスやイマジン、それに愛1000ギニー2着のストロベリーモーンを輩出した家系である。2年前の夏にドーヴィル競馬場の1300m戦を勝ち、昨年と今年のモーリスドゲスト賞を連覇、ムーンライトクラウドは、ドーヴィル競馬場の1300mで3戦3勝の成績を誇り、通算成績は12戦7勝、2着2回である。
かたやメイサンは、4歳になった今季、ドンカスター競馬場の準重賞で3着の後、ニューマーケット競馬場で準重賞とG3パレスハウスSを連勝、G1ジュライカップを勝ってニューマーケット競馬場では3戦3勝、通算成績を17戦5勝、2着3回、3着3回とした。ニューマーケットのチェヴァリーパークスタッドは、この程権利の大半を購入、来季からの種牡馬生活に備えているが、競走は今季一杯、現在のデヴィッド・アームストロング氏の勝負服で出走する。この後の最大の目標は9月ヘイドック競馬場で行われるG1スプリントカップ、間隔が空いているので24日ヨーク競馬場で行われるG1ナンソープS出走も可能性がある。
2頭のG1馬を送り出したインヴィンシブルスピリットは、愛ナショナルスタッドで繋養され、2012年の種付け料は6万ユーロ(約582万円)である。
週末の11日、英アスコット競馬場で行われる国際騎手招待、第13回シャーガーカップに出走する騎手が、6日アスコット競馬場のパドックに集合、デモンストレーションを行った。シャーガーカップは、1999年にグッドウッド競馬場で始まったが、2回目の2000年からアスコット競馬場が常打ちとなった。近3年はアイルランド選抜が3連勝しているが、今年は組み合わせが変わった。
参加騎手は12名、それぞれ3名ずつのチームを組み、レーティング76~95から86~105の馬が選出され、ハンディキャップ戦を計6レース、各騎手は5回騎乗してポイント制で争われる。
ザガールズ(女性選抜)は、29才のヘイリー・ターナー騎手をキャプテンに、北米カナダから30才のエマ・ジェーン・ウイルソン騎手、36才のシャンタル・サザーランド騎手がチームを組む。
ヨーロッパ(欧州選抜)は、ミラノ生まれでゴドルフィンの主戦ジョッキーを務める41才のフランキー・デットーリ騎手をキャプテンに、ウイーンで生まれドイツで活躍する40才のアンドレアス・スボリッチ騎手、イタリアのまだ20才の若いクリスチャン・デムーロ騎手がチームを組む。
レストオブザワールド(世界選抜)は、43才の武豊騎手をキャプテンに、アメリカの42才のアーロン・グライダー騎手、香港生まれの22才のマシュー・チャドウィック騎手がチームを組む。
グレートブリテン&アイルランド(英愛選抜)は、2003年の第5回大会でシルヴァーサドル賞に輝いた47才の大ベテランのキーラン・ファロン騎手をキャプテンに、42才のジョニー・ムルタ騎手、23才の若いジェームズ・ドイル騎手がチームを組む。
最高ポイントを挙げた騎手に与えられるシルヴァーサドル賞、キーラン・ファロン騎手を除いては全て初めて、さてどの騎手が1番輝くか、今週土曜日のアスコット競馬場に注目しよう。
海外競馬評論家 和田栄司
ラジオ日本のチーフディレクターとして競馬番組の制作に携わり、多岐にわたる人脈を形成。かつ音楽ライターとしても数々の名盤のライナーを手掛け、海外競馬の密な情報を把握している日本における第一人者、言わば生き字引である。外国馬の動向・海外競馬レポートはかねてからマスメディアで好評を博しており、それらをよりアップグレードして競馬ラボで独占公開中。
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