スマートアレンジ、好タイムでデビュー戦を飾る!!

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日曜小倉5R
2歳新馬
ダ1000m
勝ちタイム58.0

スマートアレンジ (牝2、パーソナルラッシュ・栗東、小野幸厩舎)

※スマートアレンジ、好タイムでデビュー戦を飾る!!

重馬場のダート戦、かなり水を含んだダートとはいえ、2歳新馬戦でこのタイムはなかなかのもの。果敢に逃げたゼンノビッグワンをピッタリと馬体を併せに行った3コーナー過ぎ。4コーナーではややカーヴを廻りにくそうだったが何とか矯正しながら直線へ。追いだし当初だけ左ステッキを入れていたが残り50メートルはもう流し気味。2着馬につけた差も4馬身と楽勝のデビュー戦を飾ったスマートアレンジ。

ゲートを出てしばらくはクリノコトノオーメイショウアルファ、ゼンノビッグワン、そしてスマートアレンジと4頭が行く構え。その中からゼンノビッグワンの出脚が優りだし先頭となって行く。しかしスマートアレンジも追撃は緩めない。1ハロン過ぎて単独先頭のゼンノビッグワンの1馬身外を追走。3番手メイショウアルファが2馬身の後ろだ。4番手クリノコトオーはもう6馬身以上の差が開いた。
3コーナーのカーヴを過ぎていったが、前を追いかけるスマートアレンジはさらに馬体を並ばせに行く。3コーナーと4コーナーの中間では半馬身差に迫って前を捕まえに行く勢いだ。4コーナー手前ではやや押し気味のゼンノビッグワンに比べて持ったままと、スマートアレンジの手応はいい。そのままカーヴに入って来るあたりでは、もう先頭を奪っていた。手前を替えていないのか、コーナーリングがあまり上手くはなかったスマートアレンジだが、そこを乗り切ったらもう真っ直ぐの直線しかない。

追い出したスマートアレンジ。残り1ハロンから左ステッキを5、6、7発と入れる。馬の手応えを感じた鞍上が手綱を押して押しての動作で進む。
2着争いが面白くなった。3番手のメイショウアルファが4コーナーに入るあたりの勢いは良かったのだが、やや外へ膨れ気味でカーヴを廻った。直線ではもうひとつ伸びを欠き始め、逃げたゼンノビッグワンも手応えがなくなった。その2頭の間を4番手にいたクリノコトノオーが入って来て前へと抜けて行ったが、先頭とはしっかり距離があり過ぎた。

スマートアレンジは、今週の坂路での52秒台はなかなかのタイム。しかし調教量としてはそんなに多くないもの。いわゆるセンスで勝ち上がった感じである。父パーソナルラッシュは、山内厩舎に在籍していた馬で7勝したが、ダービーグランプリのGⅠを筆頭に、エルムS連覇にダイオライト記念と、交流重賞4勝のダート巧者。その初産駒となる今年の2歳馬で最初の勝ち馬となった。

しかしいくら締まったダートとは言え、2歳新馬戦でこのタイムは出色のもの。今後もダートでの戦いではかなりの力を発揮するものと思える・・・。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。