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18日の米アーリントンパーク競馬場は国際競走デー [和田栄司コラム]
2012/8/15(水)
米シカゴのアーリントンパーク競馬場は、18日、国際競走デーを迎える。100万ドル競走のはしりとなったアーリントンミリオン、3歳以上牝馬による75万ドルのビヴァリーディーS、3歳馬による50万ドルのセクレタリアトS、3つのG1競走に注目したい。
第30回アーリントンミリオン(芝10F)にプレエントリーしたのは11頭。愛バリードイルのエイダン・オブライエン調教師は、ガリレオ産駒の4歳牡馬トレジャービーチで、マッカナリー調教師やウィッテンガム調教師に並ぶ3回目の優勝を狙う。今季は春先のドバイでG1シーマクラシック4着、香港のG1QEⅡCで9着、7月のマンノウォーSで5着と振るわないが、9日レパーズタウン競馬場のG3バリーローンSを使って4着、強行日程で臨む予定である。昨年のセクレタリアトSと愛ダービーのG1・2勝馬だが、去年に比べると元気がないのが気になる。
ハイシャパラル産駒の5歳セン馬、G1ノーザンダンサーターフS勝馬ウィグモアホールも、春先のドバイでG1戦を6着/4着の後、ガネー賞4着、G3ハックスリーS3着、G1プリンスオブウェールズS9着、G2ヨークS6着と元気がない。対照的にモハメド殿下の従弟オバイド・アル・マクトゥームが所有するドバウィ産駒の5歳セン馬アフサーリは、5月にG1共和国大統領賞に遠征して2着の後、7月にサンダウン競馬場で準重賞を完勝、前走のG2ヨークSでも一旦先頭に立つレース振りでクビ差2着と元気である。
ハヤ王妃が所有するアザムール産駒の4歳牡馬コロンビアンは、4月にサンダウン競馬場のG3ゴードンリチャーズSを勝ったが、5月のG3ブリガディアジェラードSは5着、前走のG1プリンスオブウェールズSも8着に敗れ、壁にぶち当たった感じがしないでもない。シャマダル産駒の4歳牡馬クラッカージャックキングは、昨年のG2伊ダービー馬。今季は4月の一般戦に続き5月の共和国大統領賞でG1初優勝を飾ったが、前走のG1エクリプスSは5着に終わっている。
迎え撃つ米国勢は、7月の前哨戦G3アーリントンHから4頭がプレエントリーして来た。逃げ切ったラーヒ産駒の8歳セン馬ラーヒストラーダは、チャーチルダウンズのアロワンスとコロニアルダウンズのステークスを共に3着して臨み、G3勝ちは4つとなった。2着のディストーテッドヒューモア産駒ボイステロスは、G2レッドスミスH勝馬で、今季はベルモントパークでG3フォートマーシーSを勝ち、G1マンハッタンH3着、そして前哨戦でも後方からクビ差まで迫っている。
前哨戦を4着したダイナフォーマー産駒の5歳牡馬ヴァーテフォーマーは、仏国の準重賞勝馬。米国移籍後は3戦1勝で、勝ったのがアーリントンパーク競馬場のポリトラック馬場だった。5着したサーチェロキー産駒の5歳セン馬チェロキーロードは、ステークス競走のレミントングリーンSを勝ったがいかにも格下の感が否めない。
ハーランズホリデイ産駒の4歳牡馬ウィルコックスインは、昨年G2アメリカンダービーを4馬身差で圧勝、セクレタリアトSを4着した。今季は7月のアーリントンパークのアロワンスを快勝して臨む。スパニッシュステップス産駒の5歳セン馬リトルマイクは、5月にチャーチルダウンズでG1ターフクラシックを逃げ切った。G1シューメーカーマイルも逃げて3着、展開的に1番安心して見ていられそうだ。
第23回ビヴァリーディーS(芝9.5F)には10頭の牝馬がプレエントリーした。欧州から参戦するのは3頭。G3ダリアS勝馬のノヴェーア産駒の5歳牝馬アイムアドリーマーは、前走G1プリティポリーSが3着。ハヤ王妃のケープクロス産駒の4歳牝馬ジョーヴィアリティーは、ロイヤルアスコットのG2ウインザーフォレストSを勝ち、前走G1ファルマスSがしんがりの10着。ドバウィ産駒の4歳牝馬カピターレは独国のG3勝馬だが、今季は未出走。バリードイルのガリレオ産駒のアップは、仏1000ギニー2着馬で仏オークス7着、プリティポリーS4着の後、G3キルボーイエステートSを3着して臨む。
迎え撃つ米国勢、ミスターグリーリー産駒の5歳牝馬でG1スピンスターS勝馬のアルーナは、今季G2シープスヘッドベイSを勝ち、前走G2ニューヨークSがミスティカルスターの1馬身差2着。ニューヨークSを先行策から制したゴーストザッパー産駒のミスティカルスターは、シープスヘッドベイSでは後方から追い込んで3着。しかし、進路妨害の為8着に降着処分を受けた。
ランニングスタッグ産駒の6歳牝馬ロマカカは、前哨戦のG3モデスティーSが2つ目のG3勝ち。3着したマリアズモン産駒のアッパーラインは4月と5月にG3連勝のG3・3勝馬。またテイルオブザキャット産駒の5歳牝馬スターズトゥシャインは前走ウッドバインでG3オンタリオメイトロンSまで勝ち進んで来た。そしてメダーリアドーロ産駒の4歳牝馬マーケティングミクスは、目下ウッドバインでナッソーSとダンススマートリーS、G2を連勝しているG2・3勝馬。
第36回セクレタリアトS(芝10F)には9頭がプレエントリーしている。欧州勢はこの内3頭。メディチアン産駒の3歳牡馬ベイリールは、3歳デビューで6月に準重賞、前走でG2ユジューヌアダム賞を連勝して来た。バリードイルのスキャットダディー産駒ダディーロングレッグスは、G2UAEダービーを勝ちケンタッキーダービーにも挑戦した。愛1000ギニー4着以来の出走になる。ハヤ王妃のストーミーアトランティック産駒の3歳牡馬ダークストレンジャーは、まだ4戦のキャリアでメイドン勝ちの1勝馬。前走ニューマーケットのハンデ戦で半馬身差2着している。
迎え撃つ米国勢、その筆頭はバッジオブシルヴァー産駒の3歳牡馬シルヴァーマックス。3月ガルフストリームパークの芝のクレーミングを勝って以来、前走G2ヴァージニアダービーまで6連勝と抜群の成績を残す。パワーズコート産駒の3歳牡馬フィネガンズウェイクは直前のアロワンスを勝ってヴァージニアダービーでは1馬身半差3着。
コジーン産駒の3歳牡馬コゼッティは前哨戦のG3アメリカンダービーを勝って臨む。ストーミーアトランティック産駒の3歳牡馬オールストーミーは、その時のクビ差2着馬。G1ハスケル招待Sを4着したスキャットダディー産駒の3歳牡馬ハンサムマイクは、2歳時に芝のG2ジェネラスSで2着している。ウォーフロント産駒の3歳牡馬サマーフロントは、芝のG3ヒルプリンスSとサラトガのステークス競走を連勝して来た。
各レースはメンバーも揃った。面白くなりそうなアーリントンパーク競馬場の国際競走デーである。
海外競馬評論家 和田栄司
ラジオ日本のチーフディレクターとして競馬番組の制作に携わり、多岐にわたる人脈を形成。かつ音楽ライターとしても数々の名盤のライナーを手掛け、海外競馬の密な情報を把握している日本における第一人者、言わば生き字引である。外国馬の動向・海外競馬レポートはかねてからマスメディアで好評を博しており、それらをよりアップグレードして競馬ラボで独占公開中。
第30回アーリントンミリオン(芝10F)にプレエントリーしたのは11頭。愛バリードイルのエイダン・オブライエン調教師は、ガリレオ産駒の4歳牡馬トレジャービーチで、マッカナリー調教師やウィッテンガム調教師に並ぶ3回目の優勝を狙う。今季は春先のドバイでG1シーマクラシック4着、香港のG1QEⅡCで9着、7月のマンノウォーSで5着と振るわないが、9日レパーズタウン競馬場のG3バリーローンSを使って4着、強行日程で臨む予定である。昨年のセクレタリアトSと愛ダービーのG1・2勝馬だが、去年に比べると元気がないのが気になる。
ハイシャパラル産駒の5歳セン馬、G1ノーザンダンサーターフS勝馬ウィグモアホールも、春先のドバイでG1戦を6着/4着の後、ガネー賞4着、G3ハックスリーS3着、G1プリンスオブウェールズS9着、G2ヨークS6着と元気がない。対照的にモハメド殿下の従弟オバイド・アル・マクトゥームが所有するドバウィ産駒の5歳セン馬アフサーリは、5月にG1共和国大統領賞に遠征して2着の後、7月にサンダウン競馬場で準重賞を完勝、前走のG2ヨークSでも一旦先頭に立つレース振りでクビ差2着と元気である。
ハヤ王妃が所有するアザムール産駒の4歳牡馬コロンビアンは、4月にサンダウン競馬場のG3ゴードンリチャーズSを勝ったが、5月のG3ブリガディアジェラードSは5着、前走のG1プリンスオブウェールズSも8着に敗れ、壁にぶち当たった感じがしないでもない。シャマダル産駒の4歳牡馬クラッカージャックキングは、昨年のG2伊ダービー馬。今季は4月の一般戦に続き5月の共和国大統領賞でG1初優勝を飾ったが、前走のG1エクリプスSは5着に終わっている。
迎え撃つ米国勢は、7月の前哨戦G3アーリントンHから4頭がプレエントリーして来た。逃げ切ったラーヒ産駒の8歳セン馬ラーヒストラーダは、チャーチルダウンズのアロワンスとコロニアルダウンズのステークスを共に3着して臨み、G3勝ちは4つとなった。2着のディストーテッドヒューモア産駒ボイステロスは、G2レッドスミスH勝馬で、今季はベルモントパークでG3フォートマーシーSを勝ち、G1マンハッタンH3着、そして前哨戦でも後方からクビ差まで迫っている。
前哨戦を4着したダイナフォーマー産駒の5歳牡馬ヴァーテフォーマーは、仏国の準重賞勝馬。米国移籍後は3戦1勝で、勝ったのがアーリントンパーク競馬場のポリトラック馬場だった。5着したサーチェロキー産駒の5歳セン馬チェロキーロードは、ステークス競走のレミントングリーンSを勝ったがいかにも格下の感が否めない。
ハーランズホリデイ産駒の4歳牡馬ウィルコックスインは、昨年G2アメリカンダービーを4馬身差で圧勝、セクレタリアトSを4着した。今季は7月のアーリントンパークのアロワンスを快勝して臨む。スパニッシュステップス産駒の5歳セン馬リトルマイクは、5月にチャーチルダウンズでG1ターフクラシックを逃げ切った。G1シューメーカーマイルも逃げて3着、展開的に1番安心して見ていられそうだ。
第23回ビヴァリーディーS(芝9.5F)には10頭の牝馬がプレエントリーした。欧州から参戦するのは3頭。G3ダリアS勝馬のノヴェーア産駒の5歳牝馬アイムアドリーマーは、前走G1プリティポリーSが3着。ハヤ王妃のケープクロス産駒の4歳牝馬ジョーヴィアリティーは、ロイヤルアスコットのG2ウインザーフォレストSを勝ち、前走G1ファルマスSがしんがりの10着。ドバウィ産駒の4歳牝馬カピターレは独国のG3勝馬だが、今季は未出走。バリードイルのガリレオ産駒のアップは、仏1000ギニー2着馬で仏オークス7着、プリティポリーS4着の後、G3キルボーイエステートSを3着して臨む。
迎え撃つ米国勢、ミスターグリーリー産駒の5歳牝馬でG1スピンスターS勝馬のアルーナは、今季G2シープスヘッドベイSを勝ち、前走G2ニューヨークSがミスティカルスターの1馬身差2着。ニューヨークSを先行策から制したゴーストザッパー産駒のミスティカルスターは、シープスヘッドベイSでは後方から追い込んで3着。しかし、進路妨害の為8着に降着処分を受けた。
ランニングスタッグ産駒の6歳牝馬ロマカカは、前哨戦のG3モデスティーSが2つ目のG3勝ち。3着したマリアズモン産駒のアッパーラインは4月と5月にG3連勝のG3・3勝馬。またテイルオブザキャット産駒の5歳牝馬スターズトゥシャインは前走ウッドバインでG3オンタリオメイトロンSまで勝ち進んで来た。そしてメダーリアドーロ産駒の4歳牝馬マーケティングミクスは、目下ウッドバインでナッソーSとダンススマートリーS、G2を連勝しているG2・3勝馬。
第36回セクレタリアトS(芝10F)には9頭がプレエントリーしている。欧州勢はこの内3頭。メディチアン産駒の3歳牡馬ベイリールは、3歳デビューで6月に準重賞、前走でG2ユジューヌアダム賞を連勝して来た。バリードイルのスキャットダディー産駒ダディーロングレッグスは、G2UAEダービーを勝ちケンタッキーダービーにも挑戦した。愛1000ギニー4着以来の出走になる。ハヤ王妃のストーミーアトランティック産駒の3歳牡馬ダークストレンジャーは、まだ4戦のキャリアでメイドン勝ちの1勝馬。前走ニューマーケットのハンデ戦で半馬身差2着している。
迎え撃つ米国勢、その筆頭はバッジオブシルヴァー産駒の3歳牡馬シルヴァーマックス。3月ガルフストリームパークの芝のクレーミングを勝って以来、前走G2ヴァージニアダービーまで6連勝と抜群の成績を残す。パワーズコート産駒の3歳牡馬フィネガンズウェイクは直前のアロワンスを勝ってヴァージニアダービーでは1馬身半差3着。
コジーン産駒の3歳牡馬コゼッティは前哨戦のG3アメリカンダービーを勝って臨む。ストーミーアトランティック産駒の3歳牡馬オールストーミーは、その時のクビ差2着馬。G1ハスケル招待Sを4着したスキャットダディー産駒の3歳牡馬ハンサムマイクは、2歳時に芝のG2ジェネラスSで2着している。ウォーフロント産駒の3歳牡馬サマーフロントは、芝のG3ヒルプリンスSとサラトガのステークス競走を連勝して来た。
各レースはメンバーも揃った。面白くなりそうなアーリントンパーク競馬場の国際競走デーである。
海外競馬評論家 和田栄司
ラジオ日本のチーフディレクターとして競馬番組の制作に携わり、多岐にわたる人脈を形成。かつ音楽ライターとしても数々の名盤のライナーを手掛け、海外競馬の密な情報を把握している日本における第一人者、言わば生き字引である。外国馬の動向・海外競馬レポートはかねてからマスメディアで好評を博しており、それらをよりアップグレードして競馬ラボで独占公開中。
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