スリーフォスターが一気に差して勝つ!

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土曜阪神6R
2歳新馬
ダ1400m
勝ちタイム1.27.1

スリーフォスター(牡2、スズカマンボ・栗東・西橋厩舎)

※スリーフォスターが一気に差して勝つ!

前半は3頭が雁行の展開。3コーナーからは2頭で先行して行ったが、終始リードしていたのは1番人気のグレイスフルリープ。直線に入って振り切って逃げ切ったと思えた直線1ハロンだったが、猛然と追いこんで来たのはスリーフォスター。道中はブービーの位置だったが、4コーナーではだいぶ差を詰めて、外に出してからが素晴らしい伸び。取りついてからの伸びがなかなか凄く強烈さを残しての新馬勝ちであった。

実は1番人気のグレイスフルリープ。水曜朝にカレンバッドボーイとの併せ馬でジックリと見ていた。武豊Jが乗ったカレンバッドボーイが後ろから追走して行ったのだが、直線1ハロンまではグレイスフルリープが楽な手応え。最後の最後に追われてカレンバッドボーイが出たのだが、道中の行きっぷりとか最後1ハロン途中までの脚色とかで、断然上かもと思えたものだった。だからここではまず勝つのだろうと見てもいたのだ。事実、直線で抜け出した時には《ああ、やっぱり・・》と思ったものだった。それがスリーフォスターの決め脚に屈したものであり、負かされた相手を褒めるべきところだろう・・。

スタートしてしばらくは芝の上を走るダート1400戦。まずはゲートでスリーフォスターがダッシュがついていかない。マイネルゲイナーも速くはないし、1番人気グレイスフルリープもそう素早くない出である。
ジョーサーヴがスッと反応して先手を取って行く。しかし芝からダートコースに入ろうかとするあたりでは、グレイスフルリープが先手となって入って行った。外からシゲルヘビツカイザが上がって来て、3頭が後続を離しながら先行していって2ハロンを迎える。そこから3馬身離れた処にカイシュウヤマトタイムアラウド、マイネルゲイナー、ピロウヘロイズムと4頭が続く。最後方は1頭、スリーフォスターがポツンと離れて追走である。

4コーナーの手前では、先頭から最後方までの間隔が随分と狭まってきた。4コーナーのカーヴを廻ってくる時には、マイネルゲイナーが外からかなり急接近して来ていた。内を狙うカイシュウヤマトにタイムアラウドも差がない。
直線となってもう一度、後続を離し気味となるグレイスフルリープ。鞍上、小牧Jが後ろをチラチラと見ながら追い出してる。
残り200のハロン棒を過ぎようかの時に1頭だけ違う脚色で迫って来るのがスリーフォスター。2番手グループをひと?見して、さらに先頭グレイスフルリープも捕える勢いだ。やや顔を外へ向けた半身の恰好で伸びるスリーフォスター。ゴールでは3馬身近い差を開けていた。

スリーフォスターは、向こう正面では最後方だったが、3コーナー手前で1頭を抜いて前進しだす。3コーナーからは内ラチ沿いを進み、4コーナー手前ではさらにもう1頭抜いた。残るは先行する6頭だけ。そして4コーナーでは内から外へと出して、カーヴを廻ってからさらに進撃。残り1ハロン手前では、マイネルゲイナーの外を通過。もう勢いづいた脚色は、一気に前を抜き去り、残り50メートルでは、ついにグレイスフルリープまでも抜いてトップに立ってゴールを目指して行った。

レースの上がりを1秒以上も上廻るもの。確かにグレスフルリープの逃げは前半3ハロン35.6と新馬戦では速かったかも知れぬ。だがその後は十分に息の入る流れ。何せ、勝った馬の切れが凄すぎたものであった。これは面白いダート馬になるのかも知れない。そんなイメージさえも膨らむデビュー戦でありました・・。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。