【菊花賞】ジャッカル酒井学は闘志満々「なんとか逆転したい」

22日、菊花賞(G1)の追い切りが栗東トレセンにて行われた。トーホウジャッカル(牡3、栗東・谷厩舎)は酒井学騎手が手綱をとって、坂路での単走追い。先週、同じく坂路で51秒7の強めのメニューを消化していることもあり、終い重点の最終調整となったが、4F54.7-39.5-25.1-11.9秒でフィニッシュ。首を上下左右するシーンも見られたが、ラストは上昇ムードを感じさせる、極上のキレ味をみせた。

想定外の好内容となった最終リハに、調教の感触を問われた鞍上は「凄い反応をみせてくれた」と手放しに賞賛するほど。さらに「満足の行く追い切りができました」と続け、順調さを大いに滲ませた。

一方で5月末のデビューから、コンスタントに使われて、これで7戦目。その口ぶりとは裏腹に厳しいローテーションは気に掛かるところだが、「毎回毎回、目一杯走ってくれる馬です。それでいながら、いまだにそういう疲れというのは全然窺えないし、本当に馬も元気で、しっかりと100%の力を出せる状態ではあると思います」と不安がないことを強調。「一番重要だと思っているのは折り合い面だと思うので」と体調面よりも、距離克服を課題に掲げた。

勝てば、2歳戦が始まって以降、デビューから149日という史上最短Vが懸かるスペシャルウィーク産駒。父が敗れた舞台で凱歌をあげることができるか。夏の上がり馬の勢いは侮れない。



トーホウジャッカル(牡3、栗東・谷厩舎)に騎乗する酒井学騎手の一問一答は以下の通り。

●今回は逆転したい気持ちが強い

-:まずは前走の神戸新聞杯なのですが、惜しくも3着でした。振り返っていただけますか?

酒井学騎手:やっぱりメンバーとしても、一つ強くなったメンバーで、2400mという距離もちょっと長いかな、と不安視はしていたのですが、こちらが思っていた以上にしっかりと馬が対応してくれて、スムーズな状態で直線に向くことが出来ました。その分、脚もしっかりと使ってくれましたね。G1馬も相手にいましたが、それでも際どく詰め寄ってくれたので、改めてこの馬の力を再確認したレースでしたね。

-:直線に入った時に、前が少しふさがったように見えたのですが、もしふさがっていなかったら、もう少し際どかったのかな、という期待はありましたか?

学:これはレース後の「たら、れば」になってしまうのですが、結果として進路がなくなったという感じにはなりました。しかし、そこはレースなので、レースというのは色々なことがある中で、それをクリアして勝つ馬が本当に強い馬だと思います。あれもレースの中のひとつの出来事であって、だからなんとか、今回は逆転したい気持ちが強いですね。

-:そのレース後なのですが、厩舎の方々からお話は伺っていらっしゃるのですか?

学:神戸新聞杯を使ってから、中間もすごく順調に来ています。先週も厩舎のスタッフの方が追い切りで時計を出したのですが、51秒台の好時計で走ってくれたので、今週は最後の反応を確かめるくらいでいいかな、という感じでした。そこまで最初から飛ばしていく調教ではなかったのですが、本当に凄い反応を見せてくれて、最終追い切りとしては満足の行く追い切りが出来ました。

●ジャッカルの成長力、対応力に期待

-:今回は京都に舞台が変わるのですが、こちらはいかが思われますか?

学:特に得意コース苦手コースというのは、この馬に乗っていてそんなに感じないので、どこの競馬場でもしっかりと対応できるといいますか、そういう器用さも感じます。特に京都だからどうのこうのという心配もなければ、特に京都が得意という風にも思っていないです。まったく問題なく、コースに関してはこなしてくれると思います。

-:では、距離についてはどう思われますか?

学:3000という距離はもちろん長距離で、まだまだ走ったこともない距離ですし、未知の世界です。ただ、前走の2400でもちょっとジャッカルにしたら長いかなと思っていながらも、しっかりと馬自身が克服してくれて、本当にスムーズに折り合うことができました。今回も馬の成長力、対応力に期待して、もちろん馬と僕としっかりとコミュニケーションを取りながらレースも臨んで行きたいと思っていますし、前走同様3000という距離もクリアしてくれるんじゃないかなと思っています。

-:夏場にもしっかりと乗り込まれていて、やはりそこからも成長力とか上積みなどは感じられるものはありますか?

学:デビューしてから夏場を使われて、コンスタントにレースを使って、しっかりと結果を出して、毎回毎回目一杯走ってくれる馬です。それでいながら、いまだにそういう疲れというのは全然窺えないし、本当に馬も元気で、しっかりと100%の力を出せる状態ではあると思いますし、今回ももちろん楽しみにしています。

-:では、レース展開のイメージなどはもうされていますか?

学:細かくここのポジション、というのはあまり気にしないようにしています。一番重要だと思っているのは折り合い面だと思うので、それを重視して、折り合いをつける中でのつけたポジションでいいんじゃないかな、と今のところでは思っています。枠順が出たりすれば、またもうひとつ考える部分も幅も変わってくると思うので、今はあまりそこまで深くは考えていないです。

-:では、当日の様子を見て、という感じになるのでしょうか。

学:そうですね。

-:凄く期待度も高いと思いますが、最後に意気込みやファンの方へのメッセージをお願いします。

学:神戸新聞杯ではG1馬相手に惜しいレースをしてくれましたし、僕自身改めてあの馬の力のあるところを再確認しました。今回G1という舞台で神戸新聞杯の雪辱を果たせたら、と思っています。本当に僕自身もそうですし、馬も一生懸命走ってくれると思うので、今回また応援よろしくお願いします。