【5回阪神】エルクンバンチェロ…小平奈由木の注目新馬レポート

エルクンバンチェロ
(牡2、栗東・安田厩舎)
父:Elusive Quality
母:ラクカラチャ
母父:Piccolo

魅力的な血統背景の持ち込み馬である。父はポーカーHで芝マイルの世界レコードをマークしたイルーシヴクオリティ。2004年に北米リーディングサイアーに輝いた。米2冠馬のスマーティジョーンズをはじめ、数々のトップクラスを送り出しているだけでなく、ショウナンアデラ(阪神JF)の母父としても注目が高まっている。

母ラクカラチャ(その父ピッコロ)はイギリス生まれ。芝5ハロンのG1・ナンソープSなど、重賞3勝の快速馬である。サンデーサラブレッドクラブにラインナップ。募集総額は4000万円だった。

ノーザンファー空港で体力アップが図られたうえ、9月6日、NFしがらきへ移動。丹念に15-15を消化する。10月29日、栗東に入厩。11月14日のゲート試験をパスした。ぎっしり筋肉が詰まった迫力あるボティー。一時は560キロもの体重を誇った大型だけに、時間をかけて仕上げられた。ひと追いごとに反応が良化。初戦から動ける態勢にある。

12月28日(日)、阪神の芝1400mにスタンバイ。グレゴリー・ブノワ騎手が手綱を取る。


小平 奈由木(こだいら なゆき)

早稲田大学日本語研究教育センターに勤務した後、競馬関係に進む。競馬専門紙「1馬」の記者、法人馬主「サラブレッドクラブラフィアン」のレーシングマネージャーなどを経て、現在はフリーランス。業界のキャリアは 20年近くになり、生産・育成現場からトレセンまで精通。

月刊誌「競馬最強の法則」の人気コーナー「トレセン最前線」をはじめ、幅広い知識を生かしたエッセーが評判 になっている。