ブリーダーズカップ2015の見どころ1[和田栄司コラム]

ケンタッキー州レキシントンのキーンランド競馬場で開催される今年のブリーダーズカップ2015、既に欧州から28頭が登録を済ませ、30日(金)と31日(土)に行われるG1競走、それぞれのコンテンダーが発表されている。


◆ジュヴェナイルターフ(2歳牡馬/芝1M)30日

愛バリードイルは、2戦2勝のヒットイットアボムと4戦1勝のショーグン、2頭出しで臨む。ゴドルフィンも、G2スーパーレイティヴS勝馬バーチウッドとG1ジャンリュックラガルデル賞2着馬シムリックと豪華。対する米国勢は、G3バーボンSまで2戦2勝のエアフォース、G3ピルグリムS勝馬アイソーサーム、G3サマーS勝馬コンクェストダディーオーで応戦する構えである。


◆ダートマイル(3歳以上/D1M)30日

G1ウッドワードSで重賞初制覇のリアムズマップ、G1ウッドメモリアルS勝馬のウィックドストロングは、G1ジョッキークラブゴールドカップを2着して臨む。G2ケルソHを勝ったアピアリングテールと2着レッドヴァインも差はない。G2・2勝馬タピチュアはG3アクアクHを勝って臨む。


◆ジュヴェナイルフィリーズターフ(2歳牝馬/芝1M)30日

3連勝して臨んだG1チェヴァリーパークSで半馬身差2着したイルミネートが格上的存在。愛バリードイルはG1モイグレアスタッドSで3着したアリススプリングを送り出して来た。迎え撃つ米国勢は、G2ナタルマS勝馬キャッチアグリンプスとG3ジェサミンS勝馬ハーモナイズに期待。


◆ディスタフ(3歳以上牝馬/D9F)30日

重賞3連勝、オグデンフィップスSとベルデームS、G1連勝中のウェディングトーストに勢いを感じる。ベルデームSで2着したカーラリナは、エイコーンSとCCAオークスのG1・2勝馬。G1・5勝馬アンタパブルは、今年もG1アップルブロッサムSを勝ち、G1スピンスターSを2着して臨む。G1クレメントLハーシュS2着のヤヒルワはスピンスターSでは3着に終わった。


◆ジュヴェナイルフィリーズ(2歳牝馬/D8.5F)31日

カリフォルニアでデルマーデビュータントSとシャンデリアSの二つのG1を含む3戦3勝のソングバード、夏のサラトガ競馬場でデビューしたレイチェルアレグザンドラの2番仔レイチェルズヴァレンティナは、G1スピナウェイSを含む2戦2勝。2頭に続くのは、デビュータントS3着/シャンデリアS2着のランドオーヴァーシーとスピナウェイS2着のタップトゥイットである。


◆ターフスプリント(3歳以上/芝5.5F)31日

ディフェンディングチャンピオンのボビーズキティンは、今季2戦して7着/9着、これでは信頼に足りない。ウェズリー・ワード調教師がロイヤルアスコットに連れて行ったG1ゴールデンジュビリーS勝馬アンドラフテッドに期待する。直前フィラデルフィアでG3ターフモンスターHを勝って来たピュアセンセーションは芝で3戦2勝、3着1回の成績がある。


◆フィリー&メアスプリント(3歳以上牝馬/D7F)31日

G1テストSを含め目下重賞3連勝中のカヴォーティングに魅かれる。今季5戦5勝、ギャラントブルームHを含むG2・4勝のラヴェルダッドも要注意。そのギャラントブルームHで2着したワヴェルアヴェニュー、G2勝馬で前走G3LAウーマンSを3着して臨むタリスはその次の存在。ディフェンディングチャンピオンのジュディザビューティーはG1・2勝馬ながら、今季は2-3-3と静かに爆発を待っているようで何とも不気味。


海外競馬評論家 和田栄司
ラジオ日本のチーフディレクターとして競馬番組の制作に携わり、多岐にわたる人脈を形成。かつ音楽ライターとしても数々の名盤のライナーを手掛け、海外競馬の密な情報を把握している日本における第一人者、言わば生き字引である。外国馬の動向・海外競馬レポートはかねてからマスメディアで好評を博しており、それらをよりアップグレードして競馬ラボで独占公開中。