クイーンズリング、渋い馬場も構わず!重賞2勝目!!

クイーンズリング

16年2月20日(日)2回京都7日目11R 第51回京都牝馬S(G3)(芝外1400m)

クイーンズリング
(牝4、栗東・吉村厩舎)
父:マンハッタンカフェ
母:アクアリング
母父:Anabaa

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M.デムーロJ騎乗でフィリーズ・レビューを勝って以来の1400芝戦となったクイーンズリングが1番人気。しかしそう差のないオッズで、雨中の決着で大混戦となるだろうとの予測であった。
直線半ばでスナッチマインドが抜け出したが、大きく内へヨレてしまった。その後を追う様に上がってきていたクイーンズリングがゴールを目指す。内ラチからウリウリが真ん中を、ウインプリメーラマジックタイムが迫っていく。しかし、クイーズリングが1番人気に応えて勝利。2着に条件戦からやり直してきたマジックタイムが、本格化を匂わせる内容で勝ち馬に迫っていった…。


降りしきる雨で、馬場コンディションもかなり悪くなってきた。9Rでステイインシアトルが逃げ切った馬場よりも、もう一ランク悪くなった印象だ。先行有利な流れと思っていたが、その内ももう優位性のない状態となった様だ。
加えて単騎逃げが見込まれると思えたダンツキャンサーだったが、そんなに出が速くない。むしろ真ん中のクールホタルビがいいスタート。レオパルディナも持ったまま行く。二の脚のついたダンツキャンサーが先手だが、先手の利がない。クイーンズリングが先行馬の後ろの二列目の外にいる。その内ラチにウインプリメーラで、さらに内にはウリウリだ。クイーンズリングの後ろにはスナッチマインドが、その後ろは関東馬だらけ。最内にディープジュエリーで、ヤサカオディールとマジックタイムが並んで続く。最後方が武豊Jペルフィカだった。

坂を下っていく。先頭はダンツキャンサーだが、1馬身と差を開けないし、すぐに後続がピタっとついてきて、あまりいい先行馬ペースとはなってない様子だ。前半3Fを35.2ではあるがこの馬場、決して遅いとは思えない。3列目のクイーンズリングの外に、社台の勝負服が並ぶ。リメインサイレントだ。後ろの馬がだいぶ脚を使って前との間合いを詰めていく。4角を廻る時には、前と後ろはそんなに差は開かない。
ダンツキャンサーの外にクールホタルビが単独で上がり、2頭並んで直線へと入ってきた。先に仕掛けたのがスナッチマインドで外目をスーッと勢いよく前へと出て行く。その勢いに押されたのかクイーンズリングが一瞬だけ内へともたれる。再度、手綱で外へと進路を戻すM・デムーロJ。実にいいタイミングで上がっていくスナッチマインド。菱田Jが抜け出して手綱を左でしっかりと握り右ステッキで一発入れる。その瞬間に叩かれた内へと、さらにラチの方へと寄っていく。そこへジリジリとクイーンズリングが伸びて、馬場の真ん中を伸びていく。2着争いが、内で必死のスナッチマインドと、併せ馬で前を追っていくウインプリメーラかマジックタイムの戦いとなった。最後はマジックタイムの伸びがなかなか鋭くて、2番手となってゴールであった。

かなりの悪コンディションとなって、ディープインパクト産駒には辛いものとなった。惜しむらくは、スナッチマインドだろう。もう少し4角で待てていたら…、追い出すのをもう少し待てていたら…、内へ大きくもたれなかったら…、乗り慣れて浜中Jだったら…。タラレバではいけない。実にチャンスだった感じはある。

クイーズンリングは結局、1400芝戦では2戦2勝。実に合う距離だとも言える。そして勝つ時は本当にほぼ完ぺきに乗れている。そんな想いがした京都牝馬Sでありました…。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。